ねむりの部屋 Vol.25 快眠の条件-温度33℃湿度50%

201507

私は日本睡眠学環境学会の学会員でもあるのだが、この学会は睡眠に最適な環境をどのように生み出すのかについての研究者が集っている。ずいぶんと前のことだが、この学会で発表されたのが最適な睡眠環境は温度33℃湿度50%ということである。

このことを聞くと驚かれる方が多い。33℃といえば数字そのものは熱帯夜であるから、とても快適に眠れるとは思われないからだ。ところがヒトの体表面温度は32℃ちょっと、だから33℃は布団がヒトという熱源で温められて平衡した状態なので、不思議でもなんでもない。

寒い冬は明け方には布団の中は33℃になっているから、温かい布団の中から寒い部屋に出るのはとても苦痛となる。いつまでも布団の中に居たくなるという訳だ。一方、夏はやっかいで最も重要なのは湿度のコントロールだ。日本の夏が寝苦しいのは温度より湿度が高いからである。だから日本では家を高床にして蚊帳を使い、風を入れて湿度を下げる工夫をしてきた。次に大切なのは部屋の温度と体温の差が少ないので、熱をこもらせずに素早く逃がすことである。

最近の家は気密性が高く、湿気の逃げが悪いから湿度をうまく逃がす仕組みの寝具が必要である。もちろん、肌との接触面では冷感より、麻など熱伝導性の高い素材で熱を逃がす工夫は必要だが、湿気を素早く吸って放出することで気化熱が奪われて温度も下がることが重要だ。単に冷やせばいいのではない。熱の放出と湿度のコントロール、これが夏を快適に、しかも質の高い睡眠を得るためのコツなのである。

ねむりはかせ       沢田昌宏