2016ハイムテキスタイル見本市で選んできた、カウフマン社のポメラニアン・ステッキーグースダウンが入荷しました。
カウフマン社の羽毛ブースは通常このようになっていて、この中から羽毛をセレクトします。2015年の秋に採取された良質のものが展示されるわけですが、今回選んだのはこの中には無い限定されたメッセスペシャル。カウフマン社が用意した最もレベルの高い羽毛です。
ハンドプラッキングが禁止になってから、毎年クオリティが下がる一方で心配していたのですが、今年のは昨年のに比べてダウンボールが大きく安心しました。
手選別で得られる最高級羽毛ステッキーグースダウン
ステッキーダウンとは羽毛の最高峰アイダーダウンのように絡みが強い羽毛のことです。寒暖の差が厳しい地方でじっくり育てられたグースダウンから、さらに絡みの強い羽毛だけを手選別で選り分けたもの。アイダーダウンに次ぐ最高級羽毛です。羽毛の絡みが暖まった空気を逃さず非常に保温力が高く、手選別なので羽毛のゴミが少ないのが特徴です。羽枝が内側を向いているダックダウンは比較的絡まりやすい傾向にありますが、グースダウンは羽枝が外側を向いているために絡みにくい性質があります。その中で絡むものを選ぶわけですから、正に粒よりといえるでしょう。
残念なことに、ダウン率についてはぎりぎり95%に届かなかったので93%の表示になりました。ただ、会場内も色々見て回りましたが、最高クラスといっていいでしょう。価格もかつての倍近くしますけれども。
羽毛を傷つけない輸送方法
羽毛は10kg(5kgパック×2)ごとに、この大きなケースに入って送られてきます。通常このような輸送方法は採られません。
できるだけ圧縮して嵩を減らし輸送コストを減らそうとします。あるドイツのメーカーを例に挙げると100×90×200㎝つまり2立方メートルで520㎏まで圧縮するのだそうです。(画像はPETER KOHLのサイトよりリンク)
ただ、私たちが輸入するのは最高級の羽毛。圧縮してしまうと、その良さが失われてしまいます。そこで、輸送コストはかかっても、圧縮されない最高の状態で送られてくるのです。
最高級の羽毛と生地を使い、自社で製造
眠りのプロショップSawadaはカウフマン社から羽毛布団として製品で仕入れるのでは無く、原料を仕入れて自社で製造しています。これにはいくつか理由がありますが、最も大きな理由は、お客様の体質やご要望に合わせて、側生地やキルティング、そして羽毛の量を細かく調節するには、自社で製造するのがベストだからです。
二番目に、ヨーロッパの製品は立体キルトの場合、こちらで行っているような完全立体縫製(羽毛がマス目間を移動しない縫製)ができません。眠りのプロショップSawadaでは、輸入生地や上質な定番品はすべて完全立体縫製をしていますので、よほど特殊な製品で無い限り日本で側縫製して自社で充填します。
最後に、原料だけを仕入れて、自社で加工するのが安いからということです。最高級レベルの羽毛は決して安くは手に入りません。今回の羽毛のクラスなら通常のルートで流れるとすると百貨店店頭価格は50万円以上になるでしょう。今回の羽毛の私どもの価格は220,000円/kg(税別)ですから、輸入生地を使って仕上げた場合でも製品価格は226,000円(税別)~になります。できる限り、流通経費を削って良いものをリーズナブルに提供できるように努力をしています。