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どう違う?400dpのホワイトダック羽毛と410dpのホワイトグース羽毛

目次

Q:400dpのホワイトダックと410dpのホワイトグース、パワーは同じぐらいなのに価格がかなり異なります。どう違うのでしょうか?

ポーランドのグース農場(2023.07)

ポーランドのグース農場(2023.07)

最低でも400dp(ダウンパワー)が
眠りのプロショップの羽毛品質基準

日本羽毛製品共同組合が定めているゴールドラベル品質基準には4種類のグレードがあります。羽毛の質を決めるにはさまざまな基準がありますが、基本的にダウンパワー、つまりダウンのもつ嵩高によってグレードが分けられます。

表示 ダウンパワーdp
(旧嵩高表示の数値)
プレミアムゴールドラベル 440dp以上

(18cm以上)

ロイヤルゴールドラベル 400dp以上

(16.5cm以上)

エクセルゴールドラベル 350dp以上

(14.5cm以上)

ニューゴールドラベル 300dp以上

(12.0cm以上)

眠りのプロショップSawadaでは、自家製造直売をしていることから、定番品は最低でも400dpのロイヤルゴールドラベル以上のもののみに限っています。

おすすめしたいのは、プレミアムゴールドラベルの440dp以上です。このクラスならメンテナンスをちゃんと行えば30~40年使用することができます。

400dpのダックと410dpのグースはどう違うのか?

最近はハイパワーのダックダウンが増えました。かつては350dpぐらいがせいぜいだったのが、ミュラー種などの品種改良で400dpを超えるものが出てきました。私どもでは、リーズナブルラインで2種類の羽毛を用意しています。

表示 品名 ダウンパワー 価格(1kg当り税込)
PWG93 ポーランド ホワイトグース ダウン93% 410dp 88,000円
FPD93S フランスピレネー ホワイトダック ダウン93% 400dp 44,000円
FPD90A フランスピレネー ホワイトダック ダウン90% 400dp 40,000円

グースとダックでは価格がかなり異なってくる

上の表をみると、ダウンパワーはあまり変わらないのに、グース(ガチョウ)とダック(アヒル)では実際価格が異なります。実際、良質なグースダウンは2012年頃から2~3倍に価格が跳ね上がってしまいました。昨今はダックダウンも倍ぐらい上がってしまいましたが、それでも、倍以上の価格差があります。

ダウンパワーが変わらないのであれば、安い方で良いじゃない、とお客様が判断されても無理からぬところがあります。実際どうなのでしょうか?

グースの方が、球状の正常なダウンが多く、ゴミが少ない

実際にPWG93(ポーランド グース ダウン93% 410dp) と FPD90A(フランス ダック ダウン90% 400dp)のサンプルを入れて比べて見ました。この画像だけでは解りにくいかもしれませんが、大きなダウンボールには差がありませんが、グースダウンの方が球状になった、ちゃんとしたダウンボールが多いのに対し、ダックダウンは中途半端につながったダウンが少なからずあります。

これはダウンの選別方法にあります。現在の羽毛選別では2つの羽枝があればダウンとみなします。(これを3つにすることになってきました)。これでは同じダウンといっても全然異なります。一般にダウンボールとして説明されるのは左側ですが、右もダウンにカウントされます。

 

品質試験・検査ならQTEC
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羽毛の組成混合率の試験方法(Q-tec)です。この方法だと羽枝3つ以上はダウンとカウントされます。球状のダウンボールと明らかに違いますが、これでもダウンです。

実際に羽毛に吹込みをすると、よりはっきりと差が出てきます。当店で使っているサイクロン充填機は小さなホコリを取り除くのですが、グースダウンとダックダウンでは目視で3~5倍ぐらいのゴミの差があります。つまり、グースダウンの方がゴミが格段に少ないのです。

羽毛の計量器の中を見ても、球状のダウンボールが多いグースダウンはゴミが残ることは少ないのですが、ダックダウンだと結構小さな羽毛ゴミが壁面にへばりつくため、毎度掃除をするのが大変です。

現在の状況(2023年1月)

ポーランドグースの410dpに加え、430dpのポーランドグース(PWG93S)がラインアップされています。西川あたりだとマザーグースと呼ばれるクラスで、110,000円(税込)とダウンボールが大きく、さらにダウンファイバーが少なくなりました。おすすめの羽毛です。

一方、フランスピレネーダックダウンも、以前に比べるとダウンファイバーが減ってきました。2020年12月からはダウンパワーは同じ400dpですが、よりゴミの少ないダウン93%というダックダウンでは最もハイグレードな羽毛を定番にラインアップいたしました。

ダウン率だけでわからないダウンの大きさ

10年後使用の有名な大手の羽毛ふとんですが、ダウン90%ながら、ダウンの大きさがあまりにも小さすぎてリフォームできなかった事例です。ご参考までに

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リフォームできなかった羽毛布団 大手ショップの羽毛布団は手ごろな価格で多く出まわっていますが、大量生産・大量消費型ビジネスの羽毛布団は実際に中の羽毛を見ると「お値段相当」のものが多く、リフォー...

結論:長く使うなら良質のグースダウンを選択すべき

ここまでの話で結論ははっきりしています。良質なグースダウンを使うべきなのです。ただ、グースダウンといっても、ダックダウンをかなり混ぜたりしているものも少なからずあり、グースだからといって判断することは避けましょう。

一方ダックダウンはこの数年で価格が一気に2倍近く値上がりしました。ところが、製品価格はあまり上がっていません。裏では、中古羽毛が混入されたり、グルーダウンというほぼごまかしの手法が横行しています。

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残念ながら、「本当にマザーグースかいな?」と思われるような価格で、有名メーカーが大手量販店など向けに羽毛ふとんを供給しています。まともな原料を使っているのならあり得ない価格です。あの、偽装事件の反省はどこへ行ったのでしょうか?

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自分で選んで自分で作らないと、正直、不安の塊。

羽毛布団の業界は、品質表示のごまかしが常態化してきました。羽毛の市場価格が上がると、コストダウンのために、安い羽毛を混ぜたりするのです。

このような事情のために、本当に妥当な羽毛が入っているかどうか解らない状況です。加えて、市場に出回る羽毛ふとんの大半が側生地に通気性の悪いポリエステル素材を使っています。いくら安いからと言って、既製品の羽毛ふとんを仕入れて販売することは、あまりにリスクがあるわけです。

確実に羽毛の品質を担保するため、眠りのプロショップSawadaでは、当店手づくりの羽毛ふとんのみを販売しています。元々、既製の羽毛布団を、自家製に切り替えたきっかけは、一流メーカーの羽毛の中身がごまかされていたという、今から40年近く前の出来事からです。

ポーランド ホワイトグース 410dp ダウンボールが均一でホコリが少ない

ホワイトダックダウン 400dp 最上質のダックだが、それでもダウンが不揃いでゴミが多い(現在のロットはもう少し改善していますが、基本的には変わりません)

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