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【必読!プロがおすすめ】判りやすい羽毛布団の選び方

目次

どうやって羽毛布団を選べば良いのか、わからないあなたに

ネットで「羽毛布団 選び方」と探すと、いろいろなサイトがでてきます。

多くのサイトでは、まず羽毛の種類から説明が入ります。「ダック グース マザーグース」この3種類を説明していることが多いですね。それから、生地やキルティングの説明が続きます。

それでは、一番良いとされる「マザーグース」の羽毛布団を使えば、快適に眠れるのでしょうか?

これらのサイトには、快適に睡眠するために睡眠環境をどう整えるべきなのか、という視点が欠落しています。住まう地域の気候風土、住宅の保温性、使う人の体質や代謝量によって、快適な布団の厚さは変わってきて当然なのです。

「プロが説明する羽毛布団」というYouTube動画でも、このあたりは説明されていません。いくつか見てみましたが、メーカーの羽毛布団に誘導するように話を持っていく傾向があります。もちろんプロモーション手段として間違いではありませんが、正しいとはいえない情報があります。

「一般的な羽毛布団は1.0~1.1kgのが多いんですが、本当は1.2kgは必要なんですね」(YouTube動画より)
本当のことを言えば、羽毛のダウンパワーで最適な羽毛量は変わります(440dpの1.0kgと350dpの1.2kgはほぼ同じ)。マンションなどの高断熱住宅では1.2kgなんて全く必要ではありません。ここでは良い羽毛布団には1.2kg必要なんだということが一人歩きしてしまうのです。これは正しくありません。
うがった見方をすれば、そのお店が1.2kgの品を販売しているから誘導したようにも思われます。

あなたは良い眠りがしたいのでしょうか?良い羽毛布団が欲しいのでしょうか?

羽毛布団は快適に眠るための道具ですよね。服も季節に合わせて、厚さを変えます。冬は保温性を重視しして暖かい服を、夏は暑いので吸湿発散性を重視してさらっと使えるものを選びます。

布団も同じなのです。冬寒ければ、毛布を重ねます。春になって陽気がでてきたら、もう少し薄い掛布団にするのがいいでしょう。暑い夏はエアコンの使用方法によっても異なりますが、汗を素早く吸って発散できる蒸れない素材や薄手の掛布団にします。もちろん、掛け寝具だけでなく、敷寝具とのバランスを取りながらです。

良い眠りをするためには、良い素材を使うことが大事ですが・・・

確かに「ダック」よりは「グース」、[グース」よりは「マザーグース」を使った方が良いことは間違いありません。リフォームを含めた耐久性や、へたりにくさ、ゴミの少なさなど、長く使うためには良い羽毛を使うことはとっても重要です。

ところが、最高級の食材を使っても調理法がだめだと、美味しい料理にならないのと同様、どれだけ良い羽毛を使ったとしても、使う人に合わせた仕上げができていなければなりません。

羽毛布団選びの第1法則:自分に合わせた厚さと素材を選ぼう

眠りのプロショップSawadaのオリジナル羽毛布団は10段階の厚さを選べます

使う人の体質(暑がり・寒がり 年齢や代謝量にもよる)、さらには住まう地域の気候風土、住宅の保温性に合わせた厚さ(羽毛布団の保温性)を選びましょう。

当社では、厚さを1~10の10段階にすることにより、きめ細かな対応を可能にしています。少し前までは5段階でしたが、羽毛布団ご購入のカウンセリングをしていますと、気密断熱性の高い住宅が増えた今、10段階の厚さが必要でした。

特に夏が暑くなった一方で、熱中症対策などでエアコンが推奨されています。その意味で、最適なものが複雑化しているのです。

厚さ代表的な使用時期キルティング羽毛の重量
1薄掛 :7~9月7×9 直キルト200
2肌掛-:5~7月 9月6×7 直キルト250
3肌掛 :5~6月 9~10月6×7 直キルト300
4肌掛+:4~5月 9~11月5×6 直キルト400
5合掛 :3~5月 9~11月5×6 4cm立体キルト500
6中厚-:10~5月5×6 7cm立体キルト650
7中厚 :10~4月5×6 7cm立体キルト800
8普通厚:10~4月変形5×5 7cm立体キルト950
9普通厚+:11~3月変形5×5 7cm立体キルト1000
10厚手 :11~3月CON二層キルト 4cmの2層立体1100

キルティング A×B=キルトマス 直=直キルト XXcm=立体キルトのマチの高さです。
羽毛の重量は当店のSB100(85g/㎡)の側生地に、ダウンパワー440dp(プレミアムゴールドラベルクラス)を入れた場合の標準充填量です。この重量は側生地の重さや、羽毛のダウンパワーによって異なります。

体質、気候風土、住環境に合わせて、最適な厚さを選びましょう

季節によっても、必要な厚さは変わってきます。都市部のマンションで一般的な中高齢者であれば、冬は厚さ7の中厚掛布団、春には厚さ5の合掛布団、エアコンを使う夏は暑さ2~3の肌掛布団がおすすめです。

これが山間部の伝統的日本建築になると、冬は厚さ8~10、春先は厚さ5.5ぐらい、夏は厚さ3ぐらいが適当でしょう。

暑がりで基礎代謝量の多い若い男性等であれば、上記の厚さより1段階薄いものがおすすめです。

こちらをご一読ください。

快適な睡眠のためには、湿度コントロールが得意な通気性の良い生地選びが重要

羽毛の特徴には、ふっくらとして暖かい、という保温性に加え、吸湿発散性が良くて快適という、最適な湿度の町営機能があります。今日でも「ふっくら、あたたか」「とにかく暖かい」 羽毛布団には「暖かい」ということが協調されてきました。

日本睡眠環境学会の報告では、快適な睡眠のための寝床内(布団の中)の温度は33℃、湿度は50%とされています。33℃はヒトの皮膚温に近い温度ですが、この温度では吸湿発散性が悪いと、直ぐに湿度は60~70%になって蒸れてしまい、布団の中の不快指数が爆上がりするのです。

気密性が高い住宅が増える一方で、コストダウンもあってポリエステルなどの合成繊維を使った布団側生地が増えてきました。これには「丸洗いができる」羽毛布団がPRしやすい、ということも背景にあります。

ところが、ポリエステルの生地や、ポリエステルを多く含む生地は軽くて柔らかく仕上る一方で、通気性が悪いという大きな欠点を抱えています

ポリエステルやポリエステル混の羽毛布団生地の通気性は、一般的な綿100%生地(通気度1.5cc/s)の半分程度で、口に当てても呼吸ができません。丸洗いできるけれど、蒸れやすい布団になるのです。

快適な湿度コントロールを行なうには、綿100%で、軽くて(100g/㎡以下が望ましい)、通気性の良い(2.5cc/s以上が望ましい)生地がおすすめです。

眠りのプロショップSawadaのオリジナル生地であるSB100は通気度が3.6cc/s、リーズナブルなSB80でも2.6cc/sと通気性を重視した仕上がりにしています。

羽毛布団選びの第2法則:リフォーム可能な、長く使える良質の素材を選ぼう

ようやく、ここで良い羽毛が必要な理由が出てきます。

単純に言えば、羽毛は大型のグースを、寒暖の厳しい地方で愛情をもって丁寧に長く育てることによって得られます。

羽毛選びのポイント1 グース(鵞鳥)ダウンにすること

グース(鵞鳥)
ダックダウン(家鴨)

上質な羽毛布団にはグースダウンが使われます。これは単純にグースの方が体格が大きいため、成長した鳥から大きなダウンが取れるということと、飼育期間がグースの方が長いので密度の高い成熟したダウンが得られるからです。最高級品のアイダーダックは別格です。

ダックは雑食性のため、油脂分が多くなるため洗浄が不十分だとニオイが出やすいことも欠点です。

グースもダックも食肉用として飼育されますので、グースは10~16週間、ダックは4~8週間の飼育期間が一般的です。マザーグースは卵を得るためだけに長期(4年)飼育されるため、良質なダウンが取れます。

羽毛選びのポイント2 長く使うには、しっかり育ったダウンパワー400dp以上の羽毛が望ましい

ダウンは手入れがしっかりしていれば30年、最高品質なら50年は使えます。手入れは3~5年に一度の丸洗い、10~12年に一度のリフォームです。

いくら良い羽毛であっても、手入れが不十分では長く使えません。リフォームしても元通りに戻らないのです。これは靴などと一緒ですね。

当社では2回のリフォームに耐えられるだけの品質の羽毛をおすすめしています。そのため400dp以上の羽毛だけにしています。ダウン率は90%以上であれば問題ないでしょう。羽毛の色は、現在ではホワイトがほとんどですが、シルバーグレー色でも品質に差はありません。

飼育日数が少なかったり、環境が悪かったりすると得られる羽毛の質が落ちます。良い羽毛を探すとポーランド産が多いのは、ポーランドは個人農場が多く愛情をかけて育てている農家が多いからです。

できる限りしっかりした羽毛を選びましょう。そのためにも怪しい羽毛には手をださないことです。残念ながら量販店・ホームセンターの羽毛布団でこの基準を満たせる品質はほとんどありません。

羽毛選びのポイント3 清潔な羽毛である=十分に洗浄されている

河田フェザーの羽毛洗浄ライン

「中国で洗浄した羽毛を日本でもう一度洗うと15%ぐらい減る」かつて河田フェザーさんからお聞きした話です。現在では国内で洗浄を行なった羽毛は、ほとんどが透視度1000mm(業界基準は500mm)を超えているため、めったなことはありません。

ポイント1とポイント2をクリアした羽毛は、十分に洗浄されているのです。

注意すべきは、国産羽毛布団と称していても、側生地は中国製+羽毛も中国洗浄で吹込み仕上げだけ日本、という羽毛が少なからずあることです。

かつての羽毛偽装の際には、中国で原産国のロンダリングが行なわれていましたので、ポーランドやハンガリー産と表示されていても十分に注意が必要です。

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