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眠りのトラブル- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)

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意外に多い睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは「睡眠時間1時間あたりの呼吸イベント(無呼吸、低呼吸および呼吸努力関連覚醒反応、RERAs)の回数が5以上であり、かつ次の3つの症状のうち少なくとも一つを満たすもの

  1. 意図しない居眠り、日中の眠気、起床時の爽快感の欠如、疲労感、不眠などの症状
  2. あえぎや窒息感を伴った覚醒
  3. 大きないびきや睡眠中の呼吸中断が家人に指摘される

とされています。一般には成人男性の4%、女性の2%ほどといわれていますが、最近のアメリカの調査では有病率が増加しているとの報告もあります。

アメリカでは高血圧の原因として睡眠時無呼吸症候群を疑えといわれているぐらい、下記のようにさまざまな症候が生じています。また、近い将来に循環器系のトラブルを起こす確率が5倍になるといわれていますので要注意です。

また最近話題の生活習慣病と関連の深いメタボリックシンドロームとの関連が注目されています。

原因としては次のようなことが考えられます。肥満であごが小さい人はかなりの確率で睡眠時無呼吸症候群になりやすいといえます。

自覚が少なく、日常の眠気が重大事故に

睡眠時無呼吸症候群は日中の眠気を除くとあまり自覚症状がありませんし、いびきも本人が気がつくことはありません。この病気は新幹線や自動車の事故などで有名になりましたが、睡眠不足は数秒間眠ってしまうマイクロスリープなどの現象がおこるために大事故につながるおそれがあります。

眠気についてはエップワース睡眠尺度(ESS)を使用して、チェックすることができます。ESSチェックで11点以上は眠気あり、16点以上は重症と判断されます。しかし、これは主観的なものなので、正確な診断を行うには睡眠ポリグラフィ検査が必要です。

まず、睡眠外来の受診を。

まず睡眠外来等でちゃんと診断を受けることが大切です。場合によっては睡眠ポリグラフィ検査を受けることになるかもしれません。費用もかかりますし、一晩かかるのでやっかいではありますが、現状ではこれに変わるものはないようです。

睡眠ポリグラフィ検査(PSG)を受ける

特に重度であれば、終夜睡眠ポリグラフィ検査を受けることが必要になります。体中にセンサーをつけて、一晩中眠りの状況をモニタし分析します。

睡眠ポリグラフィ検査(京都 田中睡眠クリニックで筆者自身)

セルフチェックをする(スクリーニング)

昨今はさまざまな睡眠状態を計測する機器が手ごろな価格で手に入るようになりました。これだけに任せるのは危険ですが、自身の睡眠状態を把握するには良いかと思います。

特にスマートウォッチには血中酸素濃度SpO2を寝ている間もモニターできるものが出ています。これだと無呼吸の状態の傾向を把握できますし、体動からの睡眠状態のモニターも可能になっています。診断には使えませんが、傾向を知るには十分かと思いますので、お試しになってはいかがでしょうか?

C-PAPによる治療

一般にはCPAPと呼ばれる、強制的に空気を気道に挿入するものが使われます。これ以外にも鼻の治療や扁桃腺の治療によって効果を得る場合もあります。

横向き寝は気道閉塞がしにくくなる

簡単に出来る対応策は横向き寝です。横向き寝だと気道がふさがりにくくなります(気道閉塞が1/8になるという学会報告がなされています)ので、有効とされています。ただ、横寝の場合はそれに対応した寝具の選定が必要だと考えます。

sleep-system07

上図で特に肩のCの部分をうまく受け止めて、ストレスなく眠ることができる寝具が必要になります。

睡眠教育ハンドブック「睡眠教育のための生活指針」滋賀医科大学睡眠学講座・滋賀大学教育学部発行
「快眠ライフと睡眠学」滋賀医科大学睡眠学講座発行 より引用・抜粋

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