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ウッドスプリングとは
ウッドスプリングは主にヨーロッパで使われている、木とラテックスフォームを使ったサスペンションの組合せで背骨や身体が自然な寝姿勢を得られるように調節することができるものです。なぜウッドスプリングがマットレスに良いのか
もともとベッドのマットレスは金属コイルを使ったものが主流でした。ところが、金属コイルのマットレスは金属・布・詰め物等さまざまな素材が使われており、廃棄時がやっかいで、環境負荷が高くいという現状がありました。 1990年頃から、環境問題に厳しいヨーロッパでメタルフリー、つまり金属を使わないマットレスが増えてきたのです。金属は電子スモッグ(electro smog)といわれる電磁波や地磁気の乱れが身体に悪影響を与えるという考え方があり、特にドイツ・オーストリア・スイスを中心に、自然素材を中心としたマットレスメーカーが増えてきました。 その中心になったのがウッドスプリングとラテックス(天然ゴム)のマットレスなのです。多層構造マットレスは、腰にへたりが出やすい
昨今はさまざまな高機能マットレスがありますが、金属コイルスプリングのマットレスはポケットコイルの上に、ウレタン層を重ねる構造が主流です。この方法は寝心地が上がりますが、腰部に重量負担がかかるとへたりやすいというリスクが高いのです。最近の金属コイルのマットレスは、金属コイルの上に高反発や低反発のウレタンなど、さまざまな層を重ねた構造になっています。金属コイルの劣化は少ないものの、このように一体化したマットレスの場合、上層のウレタン層がへたりやすく、1度へたると対処のしようが無い状態に陥ります。
8~10cm厚程度のマットレスだけでは身体を支えきれない
一方、比較的名の知れたマットレス、エァーウィーブ、Air、ムアツふとん、トルゥースリーパーや、それに類するものは厚さがせいぜい10cm程度、中には3~4cmのものも多くあります。 しかし、身体の寝姿勢を正しく支えるにはその程度の厚さのマットレスでは充分に支えきれません。特に横向き寝では肩や腰の出っ張りが多いため、その凹凸をうまく支えられないだけでなく、結局マットレスの変形量が多いためにへたりやすくなります。 これらの短所を補うには、マットレスのその下に身体と背骨の寝姿勢をコントロールできるウッドスプリングを組み合わせることが大切なのです。
快適な睡眠を研究する眠りのプロショップSawadaの快眠寝具研究室。マットレスのへたりは避けられないが、長く快適に使うためにへたりの少ないマットレスを選ぶことが重要です。ウッドスプリングを使うなど多層構造にすることで、素材を長持ちさせることができます。
ウッドスプリングを使うメリット
1:寝姿勢に合わせて調節ができる

快適な睡眠を研究する眠りのプロショップSawadaの快眠寝具研究室。質の高い睡眠を得るためには、S字カーブの保持、適度な体圧分散と寝返りのし易さ、温湿度の調節など、マットレス選びの6ヶ条により、正しい選び方を説明します。メーカーの一方的な説明でなく、自分に合ったマットレス選びを素材の違いからも説明します。
2:長持ちする
1枚もののマットレスは、一番荷重がかかる中央部がへたってしまうと寝心地が悪化してしまいます。ウッドスプリングとその上にマットレスという二層構造にすることにより、一層の単独より変形量が少ないので長持ちします。またウッドスプリングのクッションであるラテックスフォームを交換すれば、見た目はともかく、寝心地は新品のように改善できます。 また、上に組合せるマットレス自体がへたった場合でも、ウッドスプリングの硬さを調節することで、ある程度寝心地の調節ができます。
3:廃棄時に環境負荷が小さい
ウッドスプリングにもいろいろありますが、基本的に木(主にブナ)、コットン生地、ラテックスフォーム(天然ゴム)からできていて、生分解性のあるものばかりで、棄てる場合にも地球環境に負荷を与えません。 金属、石油から生まれるウレタン、ポリエステルなどの素材からできているコイルスプリングマットレスとは大違いです。
ウッドスプリングの使い方
ウッドスプリングをベースに、その上に8~14cm程度のマットレス(寝心地のバランスを考えるとラテックス素材が最もおすすめですが、市販のマットレスも使用できます)、その上にはウール素材のベッドパッドを組み合わせて使います。
ウッドスプリングの調節方法
眠りのプロショップSawadaで扱っているウッドスプリングのうち、Relax社ナチュールフレックスウッドスプリング、ミルフィエレメントウッドスプリングは、板を支えるサスペンション(クッション)の巾を変えたり、板の太さを変えたりして、硬さを調節することができます。
ウッドスプリングの種類と長所・短所
ヨーロッパからやってきたウッドスプリングは通気性が良く、硬さを調節できることから、正しい自然な寝姿勢を得ることができるおすすめのマットレスシステムですが、形状によりメリット・デメリットがあります。ダブルクッションの金属コイルマットレスよりは、コンパクトで環境負荷も低いのが特徴です。
1:ヨーロッパで一般的なスラットタイプのウッドスプリング
アーチ状の積層合板のスラット(板)の両サイドで支えるタイプで、ヨーロッパでも安価で多く使われているタイプです。腰の部分のスライダーを調整して硬さの調節もできます。 ただ、両サイドだけで支えるために、耐久性はあまりありません。7~8年程度を目安に交換することをおすすめします。また、調整幅も限定的で、上からの衝撃に弱いので15cm以上の厚さのマットレスと組合せするのがいいでしょう。 ウッドスプリングが出回り始めた20年前には多く扱っていましたが、現在では扱いを止めています。
2:Relax社ナチュールフレックス・ウッドスプリング
現在メインで取り扱いをしている、オーストリアRelax社のウッドスプリングです。特徴としては、板の厚さが2種類あるために、このタイプとしては最も調整幅が大きいことが上げられます。
Relaxナチュールフレックス ウッドスプリング
快適な睡眠を研究する眠りのプロショップSawadaの快眠寝具研究室。自然素材だけで作られた、環境にも配慮されたオーストリア・リラックス社のナチュールフレックス ウッドスプリングは硬さを調節することで身体の寝姿勢を正しく支えることができます。天然ラテックスマットレスと組み合わせることで、ストレスの少ない眠りを得ることができます。
3:Relax社 RELAX2000ウッドスプリング
木の円板が配置されていて、中央でも、端でも同じように独立して変形して身体をささえます。いわば、金属コイルのポケットコイルスプリングに相当します。 上下の変形量(ストローク)が大きいために、特に横向き寝におすすめです。組合せるマットレスは最低10cm厚以上、できれば12~14cm厚のものが推奨です。眠りのプロショップSawadaでは14cmのラテックスマットレスをおすすめしています。快適な睡眠を研究する快眠寝具研究室。オーストリアRelax社から直輸入している、天然で上質なウッドスプリングRELAX2000は、横向き寝にも最適で、ラテックスマットレスと組み合わせると雲の上に乗ったようなふんわりしたストレスの少ない寝心地が得られ、快適な睡眠を得ることができます。
4:ミルフィエレメント・ウッドスプリング
ハンガリーBiotexma社の工場見学に訪れた際に見つけた、コストパフォーマンスの高いウッドスプリングです。実際にはハンガリーの東部、ルーマニア国境に近い工場で作られていて、ハンガリー産のブナ材を使っています。 通常の仕様は下のベッドのような組み合わせなのですが、眠りのプロショップSawadaオリジナルとして、より細かく調節ができる組み合わせにしています。
従来のミルフィエレメント・ウッドスプリングの欠点であった調整幅の少なさを改善した、眠りのプロショップオリジナルのウッドスプリングです。この改善によって、Pronaturaのエルゴフレックス・ウッドスプリング並みの調整ができるようになりました。
電動リクライニングベッドなどにも使いやすい構造

自然素材で生まれたウッドスプリング ミルフィエレメントは、身体のS字カーブに沿うように硬さを調整することができ、ミルフィラテックスマットレスと組み合わせることで、快適でストレスのない寝心地が得られます。二層構造で長く使うことができるのも特徴です。ハンガリーで作られていてコストパフォーマンスが高いのも利点です。
5:ヒュスラーネスト・リフォーマエレメント
スイス・ヒュスラーネスト社のウッドスプリングは、基本的に調整が要りません。ただ、仰向き寝の場合には臀部が落ち込みすぎると感じる場合がありますので、その場合は太い板と細い板を入れ替えて調整する必要があります。 床に置いてもずれにくくて良いのですが、布と床面の空気循環が悪い場合にはカビが生えるリスクがあります。専用のベッドで使うのがベストです。スイス製なので価格は少し高めです。

快適な睡眠を研究する眠りのプロショップSawadaの快眠寝具研究室。スイス・ヒュスラーネスト社のウッドスプリング リフォーマエレメントの性能、使い方など特徴を紹介します
6:ヒュスラーネスト ふとんエレメント
リフォーマエレメントが二層構造になっているのに対し、シンプルな一層構造のウッドスプリングです。 コンパクトで畳みやすいのが特徴ですが、調整機能はありません。リフォーマエレメント同様床置きはカビのリスクがあります。7:ProNatura エルゴフレックス・ウッドスプリング
エルゴフレックスは早くから日本に入ってきたオーストリア製のウッドスプリングです。 板にリブが入っていて抜けにくい構造になっているのが長所です。日本仕様で三つ折り可能になっているのですが、床に置いた場合それが仇になって歪みやすい欠点があります。 ほぼ同ランクのナチュールフレックス・ウッドスプリングに比べると、板の厚さが1種類だけしかないので、調整幅が少なくなります。馬毛入りのマットレスと組み合わせての販売になります。寝心地は自然な感じが素晴らしいのですが、カビのリスクが高いので要注意です。 耐久性や調整幅を考えると、ナチュールフレックス・ウッドスプリングに馬毛ラテックスマットレスを組み合わせの方がメリッとが大きいので、当店ではエルゴフレックスをおすすめすることはあまりありません。8:ボディドクター・ウッドスプリング
国産のウッドスプリングです。残念ながら、全体に少し硬すぎて反発が大きく、調整ができないのと、ヨーロッパ製のようにスラット(木)の差込み部が織でなく縫いになっているために、耐久性に不安があります。 同クラスのミルフィエレメント・ウッドスプリングと比べると唯一のアドバンテージはクッション素材ボディドクターがラテックス100%に対し、ミルフィエレメントはラテックス80%である点です。逆にそれ以外の優位性はありませんので、通常はミルフィエレメントをおすすめします。 オプションで縦のサスペンションを追加することで、調整をすることができるようになります。
ウッドスプリングの調整巾の比較
木のスラットとラテックスのサスペンションを使ったウッドスプリングの調整巾の比較です。品名 | 価格(シングル税込) | 調整能力 | コメント |
Relax ナチュールフレックス | 165,000円 | ◎ | 板の厚さは2種類、板の入替と巾を調整して硬さを調整 |
Billerbeckミルフィエレメント | 99,000円 | 〇 | 板の厚さは1種類、巾を調整することで硬さを調整が限定的 |
Huslernestリフォーマエレメント | 226,500円 | △ | 板の厚さは2種類を入替により硬さを調整 |
Huslernestふとんエレメント | 132,000円 | × | 板の厚さは1種類 調整不可 |
BodyDoctorウッドスプリング | 72,600円 (オプション付87,780円) | △ | 板の厚さは1種類 標準では調整不可、オプション入れて調整可 |
眠りのプロショップSawadaがおすすめするマットレス
こちらをご覧ください店主がおすすめするのは、主にウッドスプリングを中心とした金属を使わないマットレスシステムです。オーストリア直輸入のRelax2000、ナチュールフレックス、ビラベック社のミルフィエレメントウッドスプリング、フロアー用としてはオリジナル3レイヤーマットレスⅢまたはⅣのマットレスです。
迷ったらメールでご相談、または 無料のWEB快眠カウンセリングを
メールinfo3@sleep-natura.jp にてご相談をお受けしております。 眠りのプロショップSawadaでは無料のWEB快眠カウンセリングのサービスを提供しています。寝具選びに迷ったら、まずはカウンセリングから