枕でお悩みの方の8割が敷寝具に問題を抱えています
「よく眠れる枕ありますか」とご来店のお客様。快眠カウンセリングでよくよく話を聞きますと、80%くらいの方が自分に合った敷寝具を使っておられません。
敷寝具が合っていなければ、枕だけを替えても改善しないことが多いのです。
枕は敷寝具の一部なので、敷寝具と併せてフィッティングで選ぶ
下の図を見てもらえば一目瞭然なのですが、敷ふとんの固さや寝姿勢の保持能力によって、最適な枕の高さは変わってくるということがまず第一です。
固い敷ふとんの上で枕を最適に合わせたとしても、それよりソフトな敷やマットレスを使っている場合には、家に帰って使うと高く感じてしまいます。
そのために、さわだでは枕のフィッテイングを行うときには、できる限り現在使っていただいている敷ふとんの固さにあわせるようにしています。
上の例では背骨のカーブは正しく支えられていますが、臀部がへたって落ち込んでいる場合などは、寝姿勢が崩れているのでさらに枕選びは複雑になります。まず、寝姿勢そのものを正しくする必要があるのです。
枕の決定版はありませんし、フィッティングが必要です
枕の選び方はある意味いちばんやっかいです。上述したように、敷寝具が変わると、それだけで高さが変わります。敷寝具をちゃんとした上で、頚椎の高さと気道の角度を合わせるという基本があるのですが、実際には個人差が大きく、しかも体調によって高さの好みも微妙に異なるという傾向があります。
さらにヒトはずっと仰向けで寝ているわけではありません、寝返りしながら横向けに寝る場合もあります。
女性に多いのは横向け寝ですし、うつぶせで寝るひともあります。それぞれの寝姿勢や好みに合わせて最適なまくらを選ぶには、靴選びと同じで実際にフィッティングを行うことが大切です。
「よく眠れる枕ありませんか?」枕を替えれば睡眠が改善する、決して否定はしませんが、枕だけで解決するものではありません。先に敷寝具を合わせ、それに合わせて枕選びを行ないます。
お読みください「失敗しないMy枕選び(PDF)」
仰向けの場合は頸椎の高さと気道の角度を合わせます
仰向け寝の場合は、直立した状態のS字カーブを正しく支えるところからがスタートです。
下の図のように(極端ですが)、臀部が落ち込んだりして、正しい寝姿勢になっていないと枕合わせが難しくなります。
敷寝具を合わせた上で、背骨から頸椎まで自然な姿勢になっているかどうかを確かめてください。頸椎高は重要な要素ですが、大事なことは自然な寝姿勢になっているかどうかです。
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、あごが少し上がる感じで気道の確保をしやすいように、セッティングすると良いといわれています。
横向き寝は肩の高さの確保が基本+寝返りのしやすさ
横向き寝の場合は、仰向け寝以上に敷寝具との連携性が重要になります。
一番のポイントは肩の出っぱりをうまく受け止められて、背骨が真っ直ぐになる敷寝具選びです。硬い敷寝具で横向き寝すると、肩の圧迫が強くなり、背骨が真っ直ぐになりません。さらに周辺の筋肉が緊張して肩こり等の原因になります。
それを解決した後に、肩のスペースを埋めることができるような枕を選びます。
実際には仰向け寝、横向き寝両方というか方も多いので、睡眠の状況に合わせた敷寝具と枕選びが重要です。
一般の枕は中心部は仰向け寝用、両サイドは高くなって横向き寝用となっているものが多くなっています。また、寝返りのしやすさも大きなポイントです。枕を選ぶ時は仰向け、横向け両方を検討いただくことが必要です。
自分に合った敷ふとんを選んでから、まくら選びをする
よく「枕を幾つも代えたんだけど、どうしてもぴったり合うのが無い」というお客様がいらっしゃいますが、よくよく聞いてみると敷ふとんやマットレスがちゃんと機能していなかったり、合ってなかったりすることが実に多いのです。
まくらを選ぶ前に「敷ふとんの選び方」や「ベッドの選び方」をチェックして、自分に合った敷になっているかをご相談ください。
理想的には、まず敷ふとんを合ったものを選び、それから、その敷ふとんにあわせて枕選びをするのがおすすめです。「敷ふとんまではなぁ」という場合も、1枚敷→2枚敷にするなどで、機能向上が図れますのでご相談ください。
まくらの実際の選び方
STEP1: まず、眠りの質や現在の寝具の状態からカウンセリング
最初に現在の睡眠の問題点やお使いの寝具の状態などをお聞きします。
たとえば通常は仰向け寝の方でも、いびきが大きいなど睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合は、睡眠外来での受診をおすすめすると同時に、横向け寝をおすすめします。
上にも書いたように、この時点で敷に問題がある場合は、その対応もあわせて考えます。このように寝姿勢を確認させていただくと同時に、枕の固さについてのお好みもお聞きします。
STEP2: まず直立状態で、頚椎高の測定する 横向き寝の場合は頸椎高より、肩の高さとマットレスのバランスを見る
店頭のベッドで横になっていただき、頚椎の高さを測定します。
このとき、ベッドの固さはできるだけ現在お使いの状態に近い固さに調整します。敷ふとんやベッドを同時にお買い上げの場合は、その品物の上でチェックを行います。
頚椎高の高さはあくまで目安でしかありません。横向き寝の場合はこの数字は参考になりません。実際に寝ていただいたときに、頚椎や肩の状態、自然な寝姿勢を得られる角度と高さを確認します。
STEP3: 実際にまくらを合わせてフィッティングして決定
頚椎の高さとカーブの状態、硬さのお好みをもとに、いくつかのまくらを実際に使って寝心地を試していただきます。
まくらの表面の感触や固さ沈み込みのスピードや反発力、そして高さ、など自分が気持ち良いと思える素材の組み合わせと、仰向け時や横向け時それぞれの寝心地も合わせて自分にぴったりのまくらを決めていただきます。
ただ、高さに関しては店頭で良くても、自宅ではあわないというケースもありますので、高さ調整が可能なものがおすすめです。
眠りのプロショップがおすすめするまくら
上でも述べたように、まくらはフィッティングをしないと、それぞれに合ったものはわかりませんので、おすすめといっても比較的に人気高い枕を紹介します。
オリジナル安眠まくらⅤ(竹炭パイプ、活性炭エラストマー)
頸椎の高さ、気道の角度、横寝時の高さをそれぞれ調節することができるオリジナル枕です。2017年よりさらに新バージョンⅤになりました。その特徴は
1.中身の量を調整する箇所を5→7に増やし、横寝時の耳の圧迫を改善しました
2.肩の部分に少しカーブを付けてフィット感をアップしました
3.表側のリネン麻生地を、より通気性の高いリネンニット生地にしました
4.高さ調節シートを2→3枚に増やし、ご家庭での微調整をより楽にできるようにしました
中身も新たなバリエーションを増やしました。
1.しっかり硬め目の寝心地である竹炭入ポリエチレンパイプ
2.硬すぎず、しかもしっかり 活性炭入エラストマーパイプ
これによって、さまざまな硬さや高さのご要望に応えられるようになっています。
さらに
・調節や再フィッティングは無料で行います。
・高さ調節をするための中身をお付けしています。
エンジェルフロートまくら(エンジェルフォーム)
一世を風靡した低反発枕ですが、実際にはいろいろと問題があります。
それは温度によって固さが著しく変わってしまうという低反発ウレタン特有の問題と、低反発といいながら反発がないわけではないので、最初は良かったんだけど首が圧迫されるという声が少なからずあります。
その欠点を克服したのがエンジェルフォーム。名前通り天使のほっぺのような柔らかさと風合いは非常に高い評価を得ています。形状も仰向け寝の中央部はソフトで、横向け寝の場合の両側は二重構造になっていて、肩の部分のスペースをしっかりとサポートします。高さは3種類あります。
オーストリア・ムースブルガー社のオリジナル枕。
独特の形状は仰向け寝でも横向け寝でもほどよくフィットします。高さ調整機能は付いていないのですが、なぜかフィットする、しっくりくるという方が多い不思議な枕です。ロースハーまくら(馬毛・牛毛)
ムースブルガー社はオーストリア・ブレゲンツに近いまちにある家内工業的な会社で、一つ一つが丁寧に手作りされるために社長曰く「沢山注文をもらってもこまる。丁寧に販売してほしい」とのこと。メインは馬毛ですが、コストが安い牛毛につよいカールをかけたものを中に使っています。よりシンプルなBタイプもあります。
マリオット3まくら(エアーブレス+パイプ)
通気性が抜群のエアーブレスを特殊成形、それをベースにパイプを使い、ドライメッシュ素材で仕上げたマリオット3まくら。仰向け時の頸椎高を3cmとし、自然な寝姿勢をサポートします。
ジェルトロンまくら
体圧分散性と通気性が抜群で丸洗いもできるジェルトロンを使用したまくらです。中にウレタンシートが入っていて高さを調節することができます。頸椎をしっかり目でサポートするセラピー枕、低めで通気性の良いスーパーピローなどの種類があります。
まくらの環境負荷性能(グリーン購入基準)
まくらはウレタン系以外は、比較的に分別が可能で、持ちも良いので環境負荷性能は良いものが多いといえます。