血行不足からくる女性に多い冷え性。その対策は?
冷え性の原因は「自律神経の失調」「ホルモンバランスの崩れ」「低血圧」「貧血」などがありますが、代謝量や運動量をあげることが一つの解決になってきます。そのための対策は、食事や運動、入浴など生活習慣の改善が必要な部分がありますが、寝具はどう選べば良いのでしょうか?
冷え性の人の寝付きがの悪い原因
睡眠中は脳や体を休息させるために、代謝量を減らすために体温が低くなりま。この深部体温は1.5~2℃ほど低下しますが、その体温を下げるために入眠前には毛細血管を通じて、体内の熱を外へ逃がします。典型は代謝量の多い赤ちゃんや子供さんで、眠くなるとほっぺや耳たぶ、手足などが暖かくなりますが、このしくみからきています。
冷え性の人は手足の血行が悪いために、このメカニズムが働きにくく、深部体温がなかなか下がらないために、入眠がしにくくなります。寝付きを良くするためには、睡眠前から睡眠への体温の温度勾配を上げることが1つのポイントです。例えば、軽い(汗をかかないほどの)運動をする、熱すぎない風呂に入る(入浴剤で血行を促進する)、血行を促進する食物(カプサイシン等)を摂るなども対策の1つです。
グリナなどの睡眠サプリもこのメカニズムを利用していますが、サプリを使う前に、快適な睡眠環境を整える方が先であることをご認識ください。
暖まりにくい寝具は寝入りを妨害する
重要なのは寝具の即温性です。暖まるのが遅い寝具、例えば十分に干せていない木綿わたの布団の場合、木綿わたに含まれる水分を温めて発散させるために熱量を奪われます。寝具が暖まらないと、身体は熱の放出がうまくできないので、寝入りが悪くなります。
即温性の高い寝具を選ぶには
保温性が良いものを使うことは当然ですが、素早く温めるには、中わた素材の質、側生地の通気性や素材などが重要になります。
中わたの素材は吸着熱が高く、乾きやすい動物性素材を
吸放湿性が良くて、吸着熱(水分を吸って発熱する特性)の高い素材が一番です。羊毛(ウール、キャメル・カシミヤ等獣毛を含む)・羽毛(ダウン)・絹(シルク)などの動物性素材が適しています。特に羊毛は吸着熱が最も高い素材です。ポリエステルは吸着熱はほとんどありませんが、湿気を含みにくいために熱がこもりやすく暖まりやすい素材です、吸湿性がほとんどないので、温湿度調節の点で問題があります。
木綿わたは、湿気を多く含みやすいので、即温性という面からは適していません。木綿わたの場合は毎日のように布団を干す、あるいはふとん乾燥機を使うなどして、布団にふくまれる水分を減らす必要があります。羊毛・羽毛などの動物性繊維は、乾いた空気が入ってくると水分を発散する機能が高いので、湿気にくい素材です。
ブレスサーモなどのように汗を吸って発熱するタイプのわたもあります、これも吸着熱を高くしたもので一定の効果があります。岩盤浴効果のように、遠赤外線を放出する鉱石等を練り込んだ素材があり、これも一定の効果があります。ただこれらの機能繊維は、ポリエステル繊維に練り込むことが多いため、上に延べたようなポリエステル繊維の長短所と合わせて判断する必要があります。
側生地の素材は、通気性の良い素材を
いくら中わたの素材が良くても、その良さを活かすことができる側生地が重要です。例えば羊毛(ウール)は優れた素材ですが、一般的にはウールプルーフという吹き出さないコーティングをした綿の生地が使われます。そうすると、通気性が悪くなり、側生地に湿気が溜まりやすくなります。
ウールの良さを活かすには、通気性の高いニット生地が最適です。そのためにはクリンプ(縮れ)の強い良質なウールわたを使う必要があります。ビラベック社の羊毛布団に代表されるようなニット生地を使ったウール布団が暖まりやすく快適なのは、このためです。
理想的な寝具の組合せの一例
掛布団は軽くて通気性の良い生地に、保温力の高いステッキーグースダウンを
軽くて通気性が良い生地は、空気の流通が良いので乾燥が早く、暖まりやすくなります。絡みの強いアイダーダウンやステッキーダウンは、絡んだ羽毛に暖まった熱を逃がさないために、最も優れた素材といえます。
これに、冬は保温性の高い軽量のカシミヤ毛布を内側に使うのがベストです。
敷寝具は、マットレス(フロア、もしくはベッド用)の上に、ニット生地を使った羊毛わたやキャメルわたの敷ふとんを組み合わせます。
冬は、ウールで毛足のあるムートンシーツや、ウールボアの敷き毛布を組合せるのがベストです。冷え性がきつい人は、マットレスの上に温熱電位敷布団、その上に羊毛敷布団、その上にムートンシーツをお使いください。これが考え得る最高の冷え性対策になります。
保温性を上げるためには-まず敷の保温性をアップする
即温性とともに重要なのは保温性です。保温性で一番大切なことは、自分の身体で暖められた空気をにがさないこと、そして、熱を奪われないことにあります。
寒いというと、すぐ掛けふとんや毛布を頭にうかべませんか?ところが、特に畳の上で寝ている場合、身体の熱は敷から奪われていることが多いのです。保温性を上げるためには、まず敷寝具の保温性を向上させることが近道です。
マットレスの上には、必ず羊毛の敷布団を使う
快眠カウンセリングでは、マットレスの上にシーツだけという人が実に多いのです。寒がりにしても暑がりにしても、これでは快適な睡眠空間は得られません。
例えば硬めのマットレスの上にシーツだけで寝ると、身体のあちこちに隙間ができて、暖まった空気が逃げてしまいます。ある程度の厚みがある羊毛敷布団を組み合わせることで、身体の周りの隙間を減らし、即温性の高い羊毛敷布団を使うことで保温性が格段に向上します。
羊毛は汗の吸湿発散に優れているので、寒がり・暑がりにかかわらずおすすめです。ただ、夏は熱がこもりやすいために、当店オリジナルの羊毛敷布団は片面に通気性の良いニット生地を、もう片面には熱を逃がし、汗の吸収発散に優れたリネン麻を使っています。
畳や床の上は必ず二枚敷をする
敷を二枚重ねることで保温力が格段にアップします。1枚だと身体の温度はほとんどが下から奪われていきます。ベッドにすることで、さらに暖かさを得ることができます。1枚で寝ていらっしゃ方は、上記のビラベックの羊毛敷ふとんを1枚足してみてください。保温性がまったく異なることに気が付くことでしょう。電気毛布は身体の体温調節能力を奪い、身体の水分をも奪ってしまいます。できるだけ避けてください。どうしても部屋の保温性が低くて電気毛布を使う場合は、二枚敷の間に入れて、間接的に布団を暖めるようにしてください。
畳の上より、ベッドを使うと暖かい
ベッドは身体の位置が高くなり、身体の下に空気層ができるので、直に熱が逃げやすい畳やフロアの敷寝具に比べて熱が逃げにくいので、ベッドをおすすめします。
ウッドスプリングを組合せると空気層ができ効果的
ウッドスプリングは、基本的にはベッド用ですが、このように畳やフローリングの上に直接置いて使うこともできます。これにより、空気の層を作ることで断熱効果がかなり向上します。
極上の自然の暖かさを実感できるムートンシーツ
ムートンとは羊の毛皮。ウールよりさらにその暖かさを実感することができます。体圧分散機能もありますので、代謝量が落ちてきた高齢者などご年配の方には特におすすめします。
眠りのプロショップSawadaでは国産の良質なメーカーとダイレクトで取引することによって、良質のオーストラリア原皮を使ったムートンシーツをリーズナブル価格でお届けしています。毛足の長さ(25mm、35mm、50mm)やサイズ、色も自由にお選びいただけるオーダー式です。
ウールボアタイプのウール敷き毛布
ムートンシーツまではちょっと、という方には、ウールの敷毛布(10,800~54,000円)がお手頃です。ウールは湿気を吸うと湿潤熱で発熱する特徴がありますので、自然の暖かさを感じるにはベストの素材です。
血行促進に有効な温熱療法の敷ふとん-ちょっと高いけど絶大な効果
遠赤外線は毛細血管の血行促進を促します。温泉のお風呂が湯冷めしないのも遠赤外線のおかげ。そこで遠赤外線ヒーターを組み込んだ温熱療法効果のある敷ふとんを使うことで血行不良はかなり改善します。もっともこのタイプはトルマリンだとかプラチナフォトンだとかいろいろと訳のわからないものもあるのですが、温熱ヒーター入が確実です。
一般に販売されている温熱(+電位効果のある)敷ふとんは固綿入のものが多く、シーツだけでは肩の周りの空気が逃げてしまい冷えやすくなりますので、羊毛敷ふとんを必ず組合せると共に、ムートンシーツやウール敷き毛布を組み合わせてお使いください。
掛布団の保温性を上げるためには-身体のまわりの暖かい空気を逃がさない
保温性を上げるためには大きく二つの要素があります。まず熱遮断性を良くすること、もう一つは身体の周りの暖かい空気を逃がさないことです。熱遮断性を良くするということは、判りやすくいうとふとんの嵩をあげることです。嵩が増えると空気の量が増え、保温性がアップします。つまり「ふかふかのふとんは暖かい」というわけです。それでは、沢山入れたら良いかというとそうではありません。下図は羽毛布団の断面図ですが、絶対的な保温性はAより嵩のあるBの方が上です。ところがBのふとんは中身を入れすぎているので身体に添いにくくなります。その結果、保温力があるにも関わらず、身体に添わないので、暖まった空気が逃げてしまい易いのです。Cにすると、保温性もあり、身体への添いもよくなるのです。
A
B
C
身体の周りの暖かい空気を逃がさないために
1. 毛布を使って身体全体を包む。足元も折り返して逃げないようにする
2. 身体にフィット性の良い真綿ふとんを肌布団として使う
3. 布団の全体を、軽いキルトのようなもので覆う
などの方法が考えられます。
羽毛布団の上に毛布を乗せる は間違い
しばしばいわれる間違った使い方の代表が毛布は羽毛布団の上に乗せる、です。たしかにアクリル毛布のような吸湿性の少ない毛布を間に着てしまうと羽毛布団が持つ吸湿発散性能が活かされません。かといって、重いアクリル毛布を上に乗せると、身体への密着度は上がるかもしれませんが、毛布の重みで羽毛がつぶれて保温性が下がります。
カシミヤ毛布が極上に暖かい
一番良い方法はウールなどの自然素材の毛布を中に着ることです。その中でもおすすめなのは軽量のカシミヤ毛布です。カシミヤは即温性も高く、触感などを含めた使用感が極上に快適なので、1度お使いいただきたい毛布です。身体を包むことにより、素材の快適さや暖かさだけでなく、暖まった空気がにげにくくなります。
ウールボアタイプもおすすめ
ムートンのように毛足の長い、ボアタイプのウール毛布も効果的です。長い毛足が暖まった空気を逃がしません。ウールは吸湿発散性にも優れますので、暖まってきたら蒸れてしまうというアクリルやポリエステルの毛布とは快適性に大きな違いがあります。
足をほんのり温める湯たんぽもおすすめです
湯たんぽも足の末梢血管の血行を促進するツールとして近年見直されてきました。眠りのプロショップSawadaではこの秋からオーストリアSteiner社の湯たんぽを日本初で独自輸入販売いたします。
オーストリアSteiner社の湯たんぽ