高齢者に多い中途覚醒
高齢者の睡眠のところでも述べましたが、高齢者になると睡眠が浅くなり、夜中に目を覚ます中途覚醒が多くなります。主な原因は代謝量が減っているために、それほど深い睡眠を必要としないからのようですが、一旦目が覚めてしまうと、再度眠りに入れないという人も多いようです。また目が覚めるとトイレに行き、冬などは冷えてしまって眠りにくいということもありますね。
ある程度は避けられないことですので、適度な運動をするとか、冬は寝具の暖房よりは、部屋全体の暖房を心がけ(できれば廊下やトイレも)起きた際の温度変化を少なくするような工夫が必要でしょう。
眠りが浅いと中途覚醒が多くなる?
理想的な睡眠曲線は上図の通り、深い睡眠とレム睡眠が交互に現れるリズムができることですが、ノンレム睡眠が浅いと睡眠自体のメリハリが少なく、うつらうつらという状態が続いて熟眠感が損なわれます。当然疲れも十分に取れませんから、翌日に繰り越してしまいます。
浅睡眠時に不快情報が多いと目が覚めやすい
睡眠は、深い睡眠と浅い睡眠を繰り返します。浅い睡眠時(ノンレム睡眠ステージ1~2、場合によってレム睡眠)に不快情報(寒い・暑い・身体が痛い・うるさい・明るい等)が大きいと目が覚めやすくなります。
たとえば、ノンレム睡眠時の大量の発汗に対して、寝具の吸湿性が対応していないと、寝床内の湿度があがり、蒸れたような状態となります。このとき眠りが浅くなると、その不快感から目を覚ますことになります。
また、堅すぎる寝具は体の一部分で体重を支えなければならず、鬱血を防ぐためにも寝返りが多くなります。逆に低反発などの体圧分散が良すぎても適度な寝返りが得られず、不快感が生じます。このように敷き寝具やマットレスが体に合っていないと、体のストレスが増え、眠りが浅くなったり、腰痛などの現象を引き起こしやすくなります。その結果ぐっすり睡眠が得られなくなるのです。
精神的ストレスが多い場合も同様といえましょう。
眠りのためのナイトキャップ、ホントに良いの?
アルコールを飲んだときも中途覚醒が多くなります。アルコールは睡眠を助けてくれるようで、実は妨げとなっています。アルコールを飲んだときの睡眠曲線は通常に比べて浅く、3時間ぐらいで目が覚めてしまうことが多いのです。そのあとも十分な睡眠が得られにくいので、飲み過ぎには十分注意してください。
寝酒も本来からすれば好ましいことではありません。体をリラックスさせるための少量のお酒という意味なら良いかもしれませんが、過ぎたるは及ばざるがごとし。