マザーグースといえば440dp以上が普通、最低でも430dp
facebookのフィードに、有名人を使った国産羽毛ふとんのPRが出てきました。何気なく中身をみていたらハンガリー産のマザーグースを使っているそうです。説明を読んでみると
「マザーグースとは長期間飼育された親鳥のことです。そこから採取されたダウンは通常のグースのものよりも中心となる核がしっかりとして一粒一粒が大きくなります。」
とあります。正にその通りです。ところが、そのマザーグースのダウンパワーは410dpと表示があります。「えっ、どうゆうこと?」
私どもの羽毛ラインアップからいいますと(ホワイトグースのみ)
- KWG93 吉林省ホルトバージ ホワイトグース ダウン93% 410dp
- PWG93 ポーランド ホワイトグース ダウン93% 410dp
- PWG93S ポーランド ホワイトグース ダウン93% 430dp
- PMG95 ポーランド マザーホワイトグース ダウン95% 440dp
- PPMG95 ポーランド プレミアムマザーホワイトグース ダウン95% 470dp
世の中には300~390dpの羽毛はわんさかとありますが、私どもでは400dp以上の羽毛を最低限としています。実際410dpのグースは私どもの一番下のグレードになります。大手メーカーは430dp以上をマザーグースとしていると聞きおよんでいますが、私どものマザーグースは440~470dpのみです。
私どもの原料の中間であるPWG93S 430dpのポーランドグースは粒も大きくしっかりしていて、マザーグースと云われても遜色ない羽毛です。それでも、この羽毛はマザーグースではありません。本物のマザーグースはダウン率も正味表示で95%でていますし、実際に価格も非常に高いのです。
ダウンパワーに頼りすぎるのも問題だけれども
ダウンパワー(dp)は羽毛の良し悪しを判断する一つの材料です。ただ、ダウンパワーだけで判断するのは危険です。
実際ダウンパワーは検査機関によっても差がでますし、同じ検査機関でもダウンパワーの数値の10ぐらいは誤差で、当たり前に出るそうです。
親鳥で410dpしか出ないということは・・・
マザーグースは卵を産むための鳥なので、品種改良が行なわれていて、レギュラーグースよりも体格が良いのは事実です。そのマザーグースが410dpしか出ないのであれば、いったいどのような農場、あるいは羽毛選別がなされているのでしょうか?
ポーランドではマザーグースは専用農場で飼育され、コウダヴィエルカ研究所の元、厳しい品種管理がなされています。ポーランドのマザーグース農場を訪れて聞いた話によると、マザーグースは全体の2.5%ほどしかいません。
実際にはマザーグースでないにもかかわらず、マザーグースと表示するところが非常に多いのが現状です。
もし、表示通りにマザーグースであったとしたら、非常にレベルの低い農場で得られた羽毛だとしか考えられません。
安直なマザーグース表示は信頼を損ね、消費者や業界のためにならない
本物かどうかは判りません。DNA検査やっても区別は付かないのです。ただ、中級クラスの羽毛やレギュラーグースの上質品をマザーグースと呼んで販売しているケースが目立ちます。
大切なのはマザーグースかどうかではなく、良い羽毛かどうかなのですから。