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羽毛の良さを活かすためのオリジナル生地S9100

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羽毛布団に最適な生地は何か・・・をずっと探求してきました

当店が羽毛布団を自社で作り始めたのは今から30年以上も前、1988年の話です。当時最新型と呼ばれたR&Rシステムを導入。羽毛布団を手作りで始めました。最初に勉強したのは羽毛の質です。それまではメーカーのいうがまま、いうなれば中身についてはブラックボックスみたいなものでしたから(これは今でも変わりません)産地偽装なんてものは、そこら中で横行していました。

いろいろ仕入れ先も厳選しながら、現在の中身が見えて安心できる取引先に落ち着いてきたのです。それまでには、いろいろと高い授業料を払ったこともあります。そして今日の羽毛工房のシステムが仕上がってきました。

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そして、最適な温湿度調整をどのようにしていくか、を研究する中で生地とキルティングの探求と工夫が始まりました。同じ羽毛であっても生地やキルティング、充填量によって全く異なる仕上げになってしまうからです。

羽毛を活かす生地とは-軽さ・通気度・吸放湿性

柔らかな風合いを求めるためにサテン(繻子織)が多い日本に比べると、ヨーロッパの生地はバティスト(平織)が主流です。平織は、サテンに比べて生地が軽いために羽毛が空気を含みやすいのです。

ところが、日本では羽毛の吹き出しをできるだけ抑えるために、ヨーロッパよりダウンプルーフ(羽毛の吹き止め加工)を強くかけてしまいます。その為に日本の平織り生地では「カサカサ」というペーパーノイズが強く、しばらく使えば気にならないのですが、日本ではサテンがずっと主流でした。

しかし、羽毛を活かす生地を極めると「軽くて、通気性が良い綿100%素材」の生地が良いのです。そこで、オーストリアHEFEL社の生地を輸入して使っていました。

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なんとか国産で良い生地ができないか-国産バティストプロジェクト始動

ところが、どうしても輸入生地は輸送コストや通関や関税などの手数料がかかり高くなってしまいます。100番手クラスの平織を作るのはそれほどハードルは高くないはず。そこで、なんとか国産で手に入らないか、と思い国産バティストをめざしました。

ところが、通常は3,000mが最低ロット。さすがにそういう訳にはいきません。羽毛生地メーカーの蔭山さんはドイツの見本市にも何度も出てらっしゃったので、なんとかできませんかという話をしていたら、向こうも平織をやってみようという企画が持ち上がったらしく、久しぶりに平織の羽毛布団用生地が仕上がってきました。

しかし、通気性も今一歩で仕上げが硬い

インドのハイブリッド超長綿マハールの100番手の糸を使い、経糸180本 緯糸170本 計350本で、経糸・緯糸がほぼ同じで安定しています。重量も85g/㎡と軽量です。ここまではよかったのですが・・・ヨーロッパの生地に比べるとかなり硬い仕上げです。やはりダウンプルーフを強めにかけてしまうのでしょうか、通気度も1.7ccと通常の綿サテン並です。なにより仕上げが硬くてガサガサとペーパーノイズが多いのが問題でした。

 

眠りのプロショップSawadaオリジナル仕様のS9100生地誕生へ

そこで、当店のオリジナル仕様で仕上げてもらえるように相談をしました。日本のふとん地流通協会の品質基準では平織の場合の通気度の上限は3.5cc、サテンは3.0ccで、通常は1.3~1.7ccが多いのです。

通気度は上限ぎりぎりに、椿油加工で保湿+ソフトタッチ

そこで、ダウンプルーフ加工をできるだけ弱くして、上限ぎりぎり3.2ccまで通気度を上げてもらい、カムフィット加工というソフト加工を二重にかけてもらうことにしました。最後に椿油加工という保湿加工で肌ざわりをアップする工夫をすることにしました。

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軽くて通気性が良いS9100 ヨーロッパ生地より30%コストダウン

こうしてできあがった当店オリジナル生地S9100は通気度が3.5cc(製造ロットと生地の場所によってばらつきがでます)で、風合いもヨーロッパの生地並みの仕上がりです。日本で製造してロット一括買取りなので、ヨーロッパの生地に比べてコストは30%下がりました。仕上がりも評判が良く快適に眠れるとの評価をいただいています。

好評につき500mの初回ロットは完売、この夏から第2ロットで製造販売をしています。第3ロットはほぼ完売で、2017年11月には第4ロット、2018年8月第5ロット、2019年からは1000mロットにして安定感のある仕上げにしています。

 

 

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