あるお客様との会話・・・
「布団はこまめにお手入れして下さいね」
「UV機能のあるふとん専用掃除機をつかっているんですけど」
布団のお手入れ3原則 干す・ゴミを取る・洗う
一世を風靡して、最近全くでてこなくなったのが布団専用掃除機です。ずっと「普通の掃除機にふとん専用ヘッドで十分」と言いつづけて、やっとです。
「UV照射で除菌率99%以上」だの「除菌スプレーでさわやか布団」だの・・・どうも誤解を与えるCMが多いですね。布団のお手入れ3原則は「干す」「ゴミをとる」「洗う」に加えて「仕立て直し」の4つの方法です。
干す目的は湿気取り
ヒトは一晩に200~600ccの汗をかきます。最も多くは背中からであり、特に敷寝具には多くの湿気が入り込みます。布団を干す最大の目的は、ダニ取りでも除菌でもなく、布団が吸収した湿気を取り除くことで、温度33℃湿度50%という快適な睡眠環境を実現することにあります。布団に湿気が多いと、湿度が上がるだけでなく、布団に入った時に湿気を暖めるために多くの熱量を必要としますので、暖まりが遅くなります。
太陽光での殺菌効果もありますが、昨今はPM2.5や花粉、ダストなど空気中の浮遊アレルゲンが多いので、外に干す場合はカバーを掛けたままで干して、その後にカバーを洗濯するのがいいでしょう。
除菌スプレーで干した効果と一緒なんて、とんでもないことで、一生懸命スプレーをすればするほど寝具の湿気が増えますから、せいぜい布団を干した後にさらっとする程度でいいのです。
最近はバルーンを使わない簡単に使えるふとん乾燥機が出ていますので、これの使用をおすすめします。
ゴミを取るなら普通の掃除機で十分
ダニアレルゲンなどもありますが、布団に付着するホコリはヒトの角質であったり、さまざまです。よく布団クリーナーの宣伝でゴミが取れるのを見ますが、実際には皮膚の古い角質が多いように思われます。
ホコリを減らすためにも定期的に掃除機をかけることは必要です。しかし、わざわざ吸引力の弱い布団専用クリーナーを使う必要はないと考えます。UV効果ってダニにはほとんど効きません。布団をたたけばホコリが出るのは当たり前で、たたきすぎると生地を傷め、布団綿にストレスを与えます。普通の掃除機の方が吸入効果が高いので、布団用のヘッドを付けてクリーニングすることをおすすめします。
ダイソンのCMにありますが、これは事実で、そこまで行かずとも普通の紙パックやサイクロンクリーナーで十分だと思いますし、効率が高いでしょう。
定期的に水洗いをすること
毎日汗が200~600ccと申し上げましたが、汗の中にはさまざまな有機物が含まれており、たとえ湿気が蒸発したとしても、その汚れは布団の中に残ります。使う人の体質によりますが、2~5年に一度、水洗いによる布団丸洗いを推奨します。
「羽毛布団を毎年洗いましょう」と進めているメーカーがありますが、私は懐疑的です。もちろん洗うことは大切なのですが、洗いすぎると繊維に含まれる油脂分が失われます。髪の毛を石けんだけで洗うとパサパサになります。リンスなどで補給する必要があるのと同じで、洗うだけでは繊維の弾力性が失われて耐久性が低下するリスクが増えます。「過ぎたるは、なお及ばざるがごとし」だと思います。
ふとん丸洗いをご希望の方は、info3@sleep-natura.jp へメールいただくか、もしくは電話 0749-62-0057 までご連絡下さい。
仕立て直しは羽毛は10年に一度、もめん綿は5年に一度
羽毛布団の場合は「リフォーム」と呼び、側から全てを交換して新品のように甦らせます。羽毛はちゃんと手入れをすれば30年以上使えるのです。
もめん綿の場合は「打直し」といいます。繊維の方向を整え直して、ふっくらとさせますが、布団わたの汚れまでは取りませんので、丸洗いをした後打直しをするのがベストです。
羊毛わた、ポリエステルわた等は打直しが難しいか、非常に手間がかかり新品より高くなる場合が多いので、こまめに手入れと丸洗いを行って、長く持たせてください。
マットレスは通常使用で、良いモノでも7~8年で性能維持限界になるものが多いので、10年で買い換えをご検討ください。