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ねむりの部屋 Vol.7 冷えは下から

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先日、木之本の想古亭源内さんで、来春から始まる黒田官兵衛博覧会の実行委員長でもある店主の林さんから賤ヶ岳合戦の話を聞く機会があった。北ノ庄城を出たのは新暦の4月らしいが、雪もまだ多く残っていたそうである。冷えは睡眠に、いや体にとって大敵だ。当時は防寒具も十分でなかっただろうに、寒風すざましい山の上の砦で彼らはどのように眠り、そして戦ったのだろうか?と考えるだけで体はぶるっと震えてしまう。

 

暖かい布団というと掛け布団のイメージを思い浮かべる人が多いのではないだろうか?寒いと布団をかぶって寝る・・・という感じであろう。ところが、冷えを防ぐには敷きに重点を置いた方がいい。ヒトは体の末梢血管が冷えると血流が悪くなり、なかなか眠りに入りにくくなるというメカニズムがある。だから冷え性の人は眠りにつくのがつらい。

 

もし、あなたがいわゆる「せんべい布団」をお使いなら、見直してほしい。真冬に畳の温度が5℃だとすると、体温36℃として30℃以上の温度差をわずか数センチの敷き布団で断熱するにはどう考えても無理がある。冷えは下からというが、それを防ぐためには1枚敷きでは無理で、基本は2枚敷きとなる。ナチュールフレックスのように床から浮かすことができれば、この上ない。

 

平安時代は床の上に畳を敷き、その上に夜着とよばれる着物を着て寝たといういう。保温にはおおよそ遠い環境だから、源氏物語にあるように、ちょっとした病で「はかなく」なってしまったのも無理はない。年を経て、木綿の栽培が始まり、今日のような布団が生まれてきたが、今なお敷きは進化し続けている。

 

明日を充実して生きるためには、自然の持つ暖かさのある敷きで眠ることが一番大切だと思うのである。

 

ねむりはかせ       沢田昌宏

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