断言していいが、もともと芸術オンチだった。そんな人間が20年以上もアートインナガハマのようなイベントに関わることで、芸術を楽しもうとするようになっているのを、自身振り返ってみると不思議なものである。芸術に込められた作り手の思いがそうさせるのかもしれない。
さて、日本でも人気のオランダの画家フェルメールの作品に「絵画芸術」がある。ウィーンの美術史美術館に納められているこの絵は、私にとっても最も好きな絵の一つだが、当のフェルメールはこの絵だけは手放さなかったらしいという。ダ・ヴィンチにとってのモナリザ同様、彼にとって自分の拠り所となるマスターピースだったのであろう。
今回のテーマは「快眠芸術」。この有名な絵の題を借用してみた。それでは「快眠芸術」とはなんであろうか?「快眠技術」なら毎年少しずつ進化(深化)してきている。個別のカウンセリングと実際にお試しいただきながら最適な寝具を選んでいただくフィッティングによる睡眠改善効果は97%に達しているが、「芸術」になるには、さらに極上の眠りを目指すことが必要だ。睡眠理論を超えて、理屈抜きで直感的にぐっすり眠っていただくこと、それこそが眠りのプロとして目指すべき究極なのだ。
快眠の道は長く深い。しかし、少しずつ歩みながらでも頑張っていきたいと思う。「快眠技術」が「快眠芸術」となれるように。
ねむりはかせ 沢田昌宏