ヨーロッパの展示会でマットレスのプレゼンテーションを見ていると、多くが横向き寝中心であることに気が付く。そう、ヨーロッパは横向き寝で眠る人が多いのだ。ドイツなどゲルマン民族は体格も良いので、幅広のがっちりした体をいかにストレス少なく横向き寝をさせるか、という考え方でマットレスが作られるので、横向き寝に楽なマットレスが多いのだ。
一方、日本は伝統的に仰向き寝が多い。その中でも女性には横向き寝が多いといえるだろう。ふんわりとしたマットレスで眠るのであればともかく、硬い敷寝具で横向き寝すると肩が圧迫され、まわりの筋肉が緊張して肩こりの元となる。そうでなくても、寝返りが増えるので睡眠は浅くなりやすい。
日本では枕でもマットレスでも仰向け寝で説明される。横向き寝はどうすればいいのかというと図にもあるように、肩のでっぱりをうまく受け止めて、背骨がまっすぐになるような寝姿勢が得られるマットレスを選ぶことが必要だ。
そのためには、ヨーロッパのウッドスプリングを使うことをお勧めしたい。ウッドスプリングでは身体の部分部分で硬さを調節することができる。寝姿勢や体格に合わせて調節できるので、まるでオーダーのマットレスのようなものである。寝姿勢を整えた上で、寝返りしやすく、ストレスの少ない薄手のマットレスとベッドパッドを選ぶのが肝要だ。
考えてみれば、すべての基本は背骨にある。まず正しい寝姿勢を得て、背骨を正し、それからやっと枕選びができるのである。
ねむりはかせ 沢田昌宏