毎年1月には羽毛や毛布・生地の買い付けのためにヨーロッパの展示会に行き、ついでにあちこちの街を旅することにしている。昨年にスペイン・セビーリャに行った時のことだ。金融不安と不況で若者の失業率は50%を超えるとのことだったから、もともとスリとかが多いスペインのことだ、正直びくびくしながらの旅であった。ところが、街はきれいで荒れた様子もなく、人々の表情にも暗さを見ることはできなかった。観光地だから表面だけしか見ていないのだろうが、アンダルシアの民はが楽天的で明るいらしい。
一方わが日本。アベノミクスが本物かどうかはともかく、景気動向は上向きだが、気持ちはどうなのだろうか? 人生の余裕を削りながら、なんとか毎日をこなしている、そんな状態に陥っていないだろうか?
私は眠りを商いとしているが、どんなに良い布団や枕を用意しても、それだけでは解決しないことがある。まくらの高さの1ミリ2ミリを合わせるとか、そんなことよりも、実はゆったりした余裕のある気持ちを持っていただくことが一番。その上で、気持ちよさを実感できる寝具を使って欲しいのである。
「ぐっすり眠れるから幸せ」なのか、「幸せだからぐっすり眠れる」のか良くわからないが、ストレス社会にあって、ぐっすりと眠ることが幸せにつながるのだとすれば、布団屋もとい、眠り屋冥利につきることこの上ない。
日々頑張っていらっしゃるあなたへ、眠るときには至福の時を
それが私たちの願いなのである
ねむりはかせ 沢田昌宏