もともとの、お客様からのご質問は
Q:センベラのウッドスプリングにボディドクターのラテックスマットレス(レギュラー)を組み合わせたいんですが、どうでしょうか?
センベラのウッドスプリングというのは上の画像のように、反らした木を重ねた板を両サイドのエラストマー素材で支えるタイプのもので、日本でも最近増えてきました。
ヨーロッパでは最もポピュラーに使われているタイプで、価格も手ごろです。マットレスの下に弾力性のある支持層を作り、いわばダブルクッション効果で体を支えるしくみです。
一方ボディドクターは、日本のラテックスマットレスの草分け的存在です。品質は安定していて、価格もリーズナブルです。レギュラータイプはラテックスの厚さが7.5cmです。
結論から言うと、あまりおすすめできません
寝心地と耐久性に問題があるからです。理由は次の2つから
1.十分な寝心地を得ることが難しい
このタイプのウッドスプリングに組み合わせるには最低でも10cm以上の厚みのマットレスが必要です。
マットレスの厚さが十分でないと、ウッドスプリングの凹凸が直接感じられてしまうので、寝心地としては問題があるといわざるを得ません。おすすめとしては15cm以上の厚さが欲しいところです。
2.ウッドスプリングへのストレスが多く耐久性に不安がある
センベラタイプのウッドスプリングは、両端でマットレスや身体の荷重を支えます。身体の凹凸はあるていどマットレスで吸収した上で、肩の部分を柔らかめにしたり、腰の部分の硬さを調整したりできるようになっています。
両端のみで支えるために、スラット(板)への負荷が大きくなり、あまり耐久性は期待できません。薄いマットレスでは、ウッドスプリングへの負荷がよりダイレクトになってしまい、最初は上へ湾曲するように反っているスラット(板)が、反りがなくなっり弾力性を失って、正しく身体を支えられないようになります。
結局長期にわたっての使用を考えると、センベラタイプのウッドスプリングは7~8年で交換するのがベストであり、その上に厚みのないマットレスとの組合せは耐久性をさらに下げる可能性が高いのです。
最低12cm以上の厚みのあるマットレスをおすすめします
スノコに比べると通気性が良いので、通常の厚さのマットレスと組み合わせるには悪くありません。ただ、硬さが調節できるといっても、身体のカーブを調整して支えるという機能は限定的です。
また、ウッドスプリングがどの程度上下の動きを受け止めることができるかという点については、十分なストロークが得られません。センベラのウッドスプリングを組み合わせるときは、耐久性も考えて、最低12cm以上の厚み、できれば15~20cmの厚みが望ましいのです。
参考:ラテックスで支えるタイプのウッドスプリングは耐久性が高い
オーストリアRelax社のナチュールフレックスや、スイス・HueslerNest社のリフォーマエレメントのように、ラテックスフォームを使って、両端だけでなく中央部でも板を支える構造のウッドスプリングは、より耐久性があります。一般的には15年、ラテックスフォームの交換を行うことで、さらに寿命を延ばせます。
Q:ナチュールフレックスやリフォーマエレメントにゲルテックス等のマットレスを組み合わせはどうでしょうか?
今度は逆の質問です。通常ナチュールフレックスやリフォーマエレメントなど、板に反りがなく、両サイドおよび中央部で板を支えて調節する上級タイプのウッドスプリングに、一般の15cm以上の厚さを持ったマットレスを組み合わせた場合です。 結論から言うと、厚みのあるマットレスでは上級タイプのウッドスプリングの良さを活かせません
マットレスの厚みは8~12cmぐらいが調整が容易
この画像はミルフィエレメント・ウッドスプリングの例です。このタイプのウッドスプリングは、板を支えるサスペンションユニットの巾によって硬さを調節します。この場合上に組み合わせるマットレスは5cm~14cmぐらいのものがほとんどです。 15cm以上のマットレスを組み合わせると、マットレスの厚みによって身体のカーブを細かく調節することができなくなります。
身体の寝姿勢・背骨のラインを正しく保つことが目的
ウッドスプリングの最大の役割は、体の寝姿勢・背骨のラインを保つことにあります。そこで、硬さを調節できるようになっている製品が多く、仰向き寝・横向き寝など寝姿勢に合わせて調節を行います。
身体の重量をマットレスとウッドスプリングの両方で受け止めるダブルクッション効果があるので、板やスノコに比べるとマットレスへの負荷が少なくなり、性能の低下が少なくなって寿命が長くなる効果があります。