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不眠の改善:快眠のための寝具や睡眠環境の条件とは

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目次

ヒトは本来眠るもの-ストレスを減らすことが快眠の条件

「この寝具を使えば快眠できますよ」 睡眠の勉強を始めたころは、このような寝具ができるのではないかと思っていました。しかし、睡眠の仕組みを知れば知るほど、このようなものは難しいということがわかってきました。睡眠の問題を解決するには、さまざまな問題に対し総合的に取り組むことが求められます。

ヒトはなにもなければ(=ストレスがなければ)、ちゃんと眠ることができる生物です。体内リズムにはいろいろありますが、24時間、一月、一年など天体の運行によってそのような体内リズムが作られてきたのだと考えられます。つまり、本来夜になれば眠り、朝になれば起きる生物です。疲労が蓄積したり、病気などで身体が弱れば、睡眠によって回復を図るようにできているのです。

さまざまなストレスが睡眠を妨げる
睡眠を改善するには睡眠習慣と寝具の改善が必要

ところが現実の世の中には睡眠を妨げるいろいろなストレスがあります。特に現代社会においては夜の活動が増え、睡眠の時間が確保できなくなるほか、心理的なストレスも増えてきます。

ストレスには、暑い・寒いなどの温湿度による要因、うるさい・まぶしい・くさいなど外的な環境要因、痛い、気道閉塞などの身体的要因、不安・恐怖などの精神的要因などがあげられますが、実際にはこれらの不快情報が絡み合って、自然で正常な睡眠を妨げることになります。

睡眠を改善するには、これらのストレスを一つずつ取り除くこと、と考えていいでしょう。脳の睡眠中枢に作用して睡眠を促す睡眠薬を除けば、ヒトの睡眠メカニズム合わせた生活習慣とストレスの少ない睡眠環境を整えていくのが、質の高い睡眠を得るための第一歩であると考えます。特に睡眠時間に身体にもっとも近い寝具の改善は重要です。

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ストレスの少ない寝具とは

それでは、ストレスの少ない寝具とはどのようなものでしょうか?大きく考えると3つの要素に分けられます。

  • 快適な寝床内温湿度33℃50%の実現
  • 正しい寝姿勢の保持と、重力による身体へのストレスの緩和
  • 官能情報の高い素材による精神的ストレスの緩和

他にもないわけではありませんが、突き詰めればこの3点に集約されるでしょう。そして、実際にはこれらの性能を長期間維持していくための品質やメンテナンスが必要とされるのです。

快適な寝床内温度33℃湿度50%の実現

日本睡眠環境学会によると、ヒトが快適に眠ることができるのは温度が33℃湿度が50%といわれています。ヒトの深部体温は36~37℃ですが、表面温度は32~33℃ぐらいですので、温度が33℃というのは皮膚の表面温と均衡している状態といえます。この時に寝床内の保温性が足らずに熱が逃げると、寒いというストレスになります。

また、ヒトが入眠するときには一時的に体温が高くなりますので、冬の寝具には即温性の高いものが求められます。寝具を暖めるのに身体の熱を多く奪うような=なかなか暖まらない寝具は入眠を損ねます。一方で、入眠後は体温が下がりますから、電気毛布のように熱を与え続けることは、身体が休まらないことにつながります。

湿度は50%前後が理想とされていますが、多湿の日本ではこの湿度のコントロールが非常に難しいのです。夏に暑くて寝苦しいのは、温度が高い(昨今ではそれも理由になりますが)よりも、湿度の高さによるものです。それゆえ伝統的な日本の家は高床式で、保温より湿気を逃がすことを重点としてきたのです。

最近は高気密・高断熱住宅が増えています。寝具も保温性よりは、湿度調節が重要になってきているのです。

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正しい寝姿勢の保持と、重力による身体へのストレスの緩和

宇宙空間なら重力のストレスはありませんが、地上では身体に負担がかからないような寝具が必要になります。掛ふとんは軽い方が身体への圧迫が少なくなりますが、特に身体を支える敷寝具(敷ふとん・マットレス等)は睡眠の質を大きく左右します。

最も大切なのが背骨です。健康の基本ともいえますから、自然な姿勢で眠ることができるような敷寝具選びが重要になってきます。

仰向き寝は背骨のS字カーブを正しい姿勢で支えることが必要です。下図のようにC,D,Eの支えがポイントです。A,Bは枕ですが、先に背骨のC,D,Eを調整してからでないと、枕だけ調整しても限界があります。

横向き寝の場合は、横から見て背骨が真っ直ぐになっていることが必要です。肩や臀部つまりC,D,Eのカーブが大きいので、特に出っ張りの多いCをうまく支えるしくみが必要です。仰向き寝に比べるとA,Bの枕はより高くすることが必要となります。

敷寝具は、背骨のS字カーブを自然な姿勢の状態で支えることと、体重による身体の部分への圧迫を和らげるように、適度な体圧分散が求められます。時に横向き寝の場合は、肩や腰の出っ張りをうまく受け止めて、出っ張った部位が圧迫されないようにすることが必要です。

また、適度な寝返りをスムースに行えるようにすることも重要で、これらのバランスをうまく取ることが大切で、その意味からも敷寝具は睡眠にとって非常に重要となります。

官能情報の高い素材による精神的ストレスの緩和

これは単純に「気持ちが良い」と身体が感じる素材を使うということです。硬かったり、音がしたりする不快な情報の多い素材は、睡眠を妨げます。

天然繊維と合成繊維を比較すると、天然繊維の方が身体に近い素材なのでストレスが少ないといわれます。実際、絹や上質な綿素材、カシミヤなどはは、触っているだけで心地よく感じられるからです。そのことが、眠りを促進します。

3拍子揃った、自分に快適な寝具を選ぶこと

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