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睡眠環境を整える7つの観点と21の方法|光・寝具・習慣など全解説

眠る女性

「睡眠環境を整えて、朝までぐっすり眠れるようになりたい」

「朝起きて体が疲れているのが嫌だから、睡眠環境を万全にしたい」

 

多くの方が睡眠の悩みを抱えている現代では、「睡眠環境を整えたい」というニーズが高まっています

「睡眠環境を整える」とは、単発的な行動ではなく、睡眠の質の向上というゴールに向かって、快眠を妨げる要因となっているものを減らし、睡眠健康を増進する要因を生活の中に取り入れていくアプローチのことをいいます。

今回は、7つの睡眠環境の側面から、全部で21つのアプローチ方法を解説していきます。

「睡眠環境を整える」ための7つの鍵

❶寝床内
  • 寝床内の温度は33℃(±1℃)を目指す
  • 寝床内の湿度は50%(±5%以内)を目指す
❷寝室環境
  • 寝室の室温は17℃~28℃・湿度は40%〜70%に調節する
  • 寝室の色はブルー・グリーン・ベージュなどにする
  • 寝室の壁や床素材は呼吸する自然素材を使用する
❸寝具
  • 自分に合わせたストレスのない寝具を選ぶ
  • 自然な寝姿勢を保持できるマットレスを選ぶ
  • 温度33℃湿度50℃の寝床内環境を実現する布団を選ぶ
❹光
  • 寝室の照明の照度は100ルクス以下にする(就寝30分前から)
  • 寝室の照明の色温度は「電球色(3000K程度)」にする
  • 睡眠前にスマホやTVなどのブルーライトを浴びない
  • 朝目覚めたら太陽の光が入るようにする
❺音
  • 睡眠中の生活家電の使用はできるだけ控える
  • 睡眠中に音楽を流し続けるのをやめる
❻生活習慣
  • 就寝時間や起床時間を決めて規則正しい生活を送る
  • 寝る前の食事は2〜3時間前までに済ませておく
  • 起きているあいだ習慣的に有酸素運動を行う
  • 就寝の2〜3時間前に風呂に入って体を温める
  • 朝は太陽光を浴びて体内時計をリセットさせる
❼入眠前
  • 入眠儀式(寝る前の習慣)を決めて実践する
  • 心が落ち着くアイテムに触れながら眠る

1つだけ改善するのではなく、全部を達成して始めて「睡眠環境を整える」というミッションを達成するイメージです。少しずつ攻略していき、理想の睡眠環境を整えていきましょう。

この記事では、一つひとつのアプローチ方法について詳しく解説していきます。

「ぐっすり眠りたい」「朝しっかりと疲れがリセットされている状態にしたい」という方は、ぜひ最後までお読みいただき参考にしてください。

目次

1. 睡眠環境【①寝床内の環境】を整える

眠る女性

快適な睡眠のためには、寝床内環境を整えることがとても大切です。

「寝床内(しんしょうない)環境」というと聞き慣れない言葉かもしれませんが、要するに「布団の中の状態」のことです。

寝床内環境を整えることで、眠りに付きやすくなる効果や、ぐっすりと熟睡した状態を持続させることができます。

睡眠環境(寝床内)を整える方法
  • 寝床内の温度は33℃(±1℃)を目指す
  • 寝床内の湿度は50%(±5%以内)を目指す

1-1. 寝床内の温度は33℃(±1℃)を目指す

 

寝床内の温度は、33℃(±1℃)が最も快適な温度といわれています。この「温度33±1℃」というのは、布団そのものの温度ではなく、人が布団の中に入ることで温まった状態の温度(※)を示しています。

※厳密にいうと、敷寝具の背中の部分の温度を計測したものです。

「温度33±1℃」は、日本睡眠環境学会で報告された快適温度です。睡眠中にこの温度を維持することが、深くて質の良い眠りにつながります。

睡眠の始めから終わりまで「温度33±1℃」をキープするためには、まずは素早く「温度33±1℃」に達するための即暖性が重要となります。

最適な寝床内温度(33℃)に早く達するためのポイント

  • 速暖性その1:暖まりが早い素材を使う(カシミヤ毛布とアイダーダウンの羽毛布団が最強)
  • 速暖性その2:乾燥が早い素材を使う(ウールや羽毛、細番手の木綿など)
  • 速暖性その3:予め暖めておく(ふとん乾燥機や電気毛布などを活用)
  • 速暖性その4:暖まった空気を逃がさない(フィット感が大事)

さらに詳しくは、別記事「快眠のための寝具の温度+湿度の関係を考える」で詳しく解説しています。

2-2. 寝床内の湿度は50%(±5%以内)を目指す

一方で、寝床内の湿度は「50%(±5%以内)」がベストとされています。こちらも、日本睡眠環境学会で報告された最適な湿度です。

正しい眠りのリズムと発汗

眠っている間に人間は汗をかきますので、寝具の吸湿発散性が低いと、最適な湿度(50%±5%)を上回って多湿になってしまうので注意が必要です。特に、上記画像のように、睡眠の初期での発汗量が多いことが分かります。

最適な寝床内湿度(50%)を保つためには、毎日、寝具の湿気を取り除くことが重要です。前日の睡眠で溜まった湿気をリセットさせることで、理想的な湿度コントロールが可能となります。

具体的には、布団乾燥機や電気敷毛布を活用するのがおすすめです。

また、羽毛布団の側生地(外側に使う生地のこと)は、通気性の良い綿生地が最適です。

その他、さらに詳しくは、別記事「快眠のための寝具の温度+湿度の関係を考える」で詳しく解説しています。

2. 睡眠環境【②寝室環境】を整える

ベッドルーム

睡眠環境を整えるためには、寝床内環境のみならず、寝室の環境にもこだわることが重要です。寝室の環境を整えることで、安定して質の高い眠りを得ることができるでしょう。

睡眠環境(寝室環境)を整える方法
  • 寝室の室温は17℃~28℃・湿度は40%〜70%に調節する
  • 寝室の色はブルー・グリーン・ベージュなどにする
  • 寝室の壁や床素材は呼吸する自然素材を使用する

2-1. 寝室の室温は17℃~28℃・湿度は40%〜70%に調節する

寝室の室温の目安は17℃~28℃前後、湿度は40%〜70%に調節しましょう。以下の図のオレンジの線で囲まれた部分が、人間が快適に感じる快適ゾーンを示しています。

快適な部屋の温湿度

寝床内の温度や湿度を調節するのは難しいですが、寝室の室温はエアコンや暖房機器などで簡単に調節できますし、湿度も除湿機や加湿器などを活用して管理できます。

なお、冬の底冷えを避けたい場合には、床暖房リフォームするのもおすすめです。部屋全体を温めた方が眠りのストレスは少なくなります。

なお、寝室の湿度が高くてなかなか下がらないという場合には、「寝室 湿度高い」の記事もぜひ参考にしてください。

2-2. 寝室の色はブルー・グリーン・ベージュなどにする

寝室の「色」にこだわるならば、心を落ち着かせる効果がある「ブルー」や、自然の色でリラックス効果がある「グリーン」、緊張をほぐし落ち着いた印象の「ベージュやブラウン」などがおすすめです。

「快眠につながる色が何色なのか」という研究はまだそれほど進んでおらず、この色なら誰でも快眠できるかというとそこまでは言い切れません。上記の色をベースに、自分が落ち着く色を選ぶのがおすすめです。

2-3. 寝室の壁や床素材は呼吸する自然素材を使用する

寝室の壁や床素材には、珪藻土などの呼吸する壁や無垢の木材を使用するのがおすすめです。自然で安全な素材を選ぶことにより、質が高く快適な睡眠を得ることができるでしょう。

例えば、湿度を調整する効果を持つ「珪藻土」を寝室に使用することで、結露や乾燥を防ぐことができ、一年中、寝室を最適な湿度に保ってくれます。

寝室の床におすすめなのはコルクです。無垢のフローリングでもいいのですが、コルクの方が冷えにくく、吸湿発散性に優れているので調湿効果を期待できます。

寝室にこだわりの自然素材を使用することで、気持ちの良い空間の中でぐっすりと眠ることができるでしょう。

3. 睡眠環境【③寝具】を整える

マットレスの硬さ

睡眠環境を整えるためには、寝具にもこだわる必要があります。全ての人に合う寝具はないため、自分に合った寝具を見つけることがとても大切です。

いくら温湿度や暗さ、静かな環境などを整えたとしても、寝具が体に合っていなければ安眠することはできません。無理な姿勢で寝ていれば眠りは浅くなりますし、何度も覚醒しやすかったり、腰や肩などに痛みや違和感が出たりする原因となります。

寝具を整えることで、自然な体勢でぐっすりと朝まで深い眠りを得ることができます。

睡眠環境(寝具)を整える方法
  • 自分に合わせたストレスのない寝具を選ぶ
  • 自然な寝姿勢を保持できるマットレスを選ぶ
  • 温度33℃湿度50℃の寝床内環境を実現する布団を選ぶ

3-1. 自分に合わせたストレスのない寝具を選ぶ

睡眠環境を整えるために寝具を選ぶ際には、自分に合わせたストレスのない寝具を選ぶことが大切です。

万人に合う寝具というものは存在しません。「良く眠れる枕はありませんか?」と聞かれても、万能な枕などありえないのです。

例えば体格がガッチリしている人と細くて小柄な人では、合う寝具は異なってきます。体格の差だけでなく、暑がり・寒がりなどの体質、基礎代謝量の違い、生活スタイルや住んでいる場所、他の寝具とのバランス、素材や肌触りの好みなど、さまざまな要素によって最適な寝具が違ってきます。

自分に合わせた寝具を選ぶためには、専門家によるカウンセリングを行うことと、実際に体験(フィッティング)してみることが不可欠です。

3-2. 自然な寝姿勢を保持できるマットレスを選ぶ

正しい寝姿勢を保つ

寝具の中でも重要なマットレスは、自然な寝姿勢を保持できるものを選ぶことが重要です。

背骨は自然なS字カーブになっています。その自然なカーブを正しく支えて、無理のない姿勢を保てることがとても大切です。

柔らかすぎても硬すぎてもダメで、体格によって適切なマットレスを選ぶ必要があります。

3-3. 温度33℃湿度50℃の寝床内環境を実現する布団を選ぶ

1. 睡眠環境【①寝床内の環境】を整える」で解説した通り、寝床内の温度は33℃、湿度は50℃が快眠の条件となります。快眠するためには、この温湿度を実現できる寝具の組み合わせを選ぶ必要があります。

最近は住宅の性能が向上し、機密性や断熱性が高い住宅が増えたため、保温よりも湿度の調整が重要となっています。

具体的には、湿度が高くなりやすい条件でも「吸湿できること(湿気を吸う性能)」と「放湿できること(吸い込んだ湿気を外に逃がす性能)」が重要です。

軽さと保温性、さらに吸湿性・放湿性を両立するためには、掛け布団はやはり羽毛布団がおすすめです。側生地(外側の生地)の通気性も重視し、綿100%のものがベストです。

4. 睡眠環境【④光】を整える

睡眠環境を整えるために大切なポイント4つ目は「光」です。光を調節することで快適な入眠と熟睡をうながす効果があり、また、朝には太陽の光を受けることですっきりとした目覚めを得ることができます。

睡眠環境(光)を整える方法
  • 寝室の照明の照度は100ルクス以下にする(就寝30分前から)
  • 寝室の照明の色温度は「電球色(3000K程度)」にする
  • 睡眠前にスマホやTVなどのブルーライトを浴びない
  • 朝目覚めたら太陽の光が入るようにする

4-1. 寝室の照明の照度は100ルクス以下にする(就寝30分前から)

寝室の照明の照度(明るさ)は、就寝30分前から「100ルクス以下」に落とすことをおすすめします。

明るい光を浴びていると、人間を眠りやすい状態に導く「メラトニン」というホルモンが分泌されにくくなります。夜はメラトニンの分泌を妨げないような明かりにすると、良い眠りにつながります。

寝室の照明が常時100ルクスだと暗い、と感じる方は、調光できるタイプの電灯にして、就寝30分前からは100ルクス以下に落とすという方法がベストでしょう。

なお、勉強部屋・仕事部屋用に販売されている照明は、750ルクスと明るすぎます。寝室専用に100ルクス以下の電球を用意することをおすすめします。

4-2. 寝室の照明の色温度は「電球色(3000K程度)」にする

照明の色温度には電球色・昼白色・昼光色の3種類がありますが、寝室の照明は、温かみのある「電球色」がおすすめです。

2009年にパナソニック電工が色温度とメラトニンの関係を検証しました。この検証の結果、色温度が低いほどメラトニンが分泌されやすいことが分かっています。

参考:家電Watch|パナソニック、電球色の光が昼白色よりも眠りを誘うと検証

寝室の照明は、色温度が低い「電球色」を選ぶことをおすすめします。

4-3. 睡眠前にスマホやTVなどのブルーライトを浴びない

睡眠環境を整えるためには、睡眠前にブルーライトを浴びない(=スマホやテレビを見ない)ことも大切です。

実は、スマホやパソコンが発するブルーライトにはサーカディアンリズム(体内時計)をリセットする効果があるのです。

青色光源のメラトニン抑制

太陽以外の強い光(460nm以上の光)がまだ無かった大昔には、私たちがブルーライトを浴びるのは太陽が昇っている日中だけでした。しかしながら、現代では照明や電子機器により24時間ブルーライトを浴びています。これにより、現代人はサーカディアンリズム(体内時計)が狂い、睡眠の質が低下していると考えられます。

ブルーライトには、人を覚醒させる効果があります。そのため、質の良い睡眠を得るためには、できるだけ寝る前にブルーライトを浴びないことが大切です。少なくとも睡眠30分前からはスマホやパソコン、テレビなどの光を目に入れないことをおすすめします。

最近はブルーライトカットなどの機能も増えてきましたが、目に明るい刺激を与えること自体が睡眠の質を低下させます。

4-4. 朝目覚めたらカーテンを開けて太陽光を目に入れる

就寝前には暗くするのが効果的ですが、朝シャキっと目覚めるためには、太陽の光を浴びるのがおすすめです。すっきり目覚められるだけでなく、太陽光を浴びることで体内時計をリセットすることもでき、快眠につながります。

具体的には、起きたらすぐにカーテンを開けて、15秒ほど目に直接光が当たるようにするのがおすすめです。

なお、日当たりの悪い部屋などで太陽光を浴びるのが難しい場合には、太陽のように強い光を顔に浴びる方法でも代わりになります。

5. 睡眠環境【⑤音】を整える

睡眠環境を整えるためには、睡眠に最適な「音」の環境を整えることも大切です。静かな環境を作ることで、入眠しやすくなり、また、深い眠りを持続することができます。

具体的には、睡眠に入る時および睡眠中に、40dBA(40デシベルエー)以下の音環境を持続することが目標となります。久野和宏らの行った研究によると、50dBA以上の音環境の中で眠った場合、およそ半数の人に睡眠妨害が及ぶとされています。

参考:久野和宏, 林顕效, 池谷和夫. (1981). 睡眠中の音環境の実態とその分析. 日本音響学会誌 37(9), pp. 430-436

 

睡眠環境(音)を整える方法
  • 睡眠中の生活家電の使用はできるだけ控える
  • 睡眠中に音楽を流し続けるのをやめる

5-1. 睡眠中の生活家電の使用はできるだけ控える

睡眠妨害を避けて朝までぐっすり眠るために、睡眠中の生活家電の使用は控えましょう。

睡眠の邪魔をしない音環境は40dBA以下が目安となりますが、家庭用クーラーの室外機や換気扇は50dB、テレビや洗濯機、掃除機は60dBという騒音値が出ます。

※騒音値の目安は、日本騒音調査ソーチョーのサイトを参考にしました。

テレビや換気扇を付けたままで寝たり、寝ている間に洗濯機を回したり、別の人が掃除機をかけたりすると、睡眠が阻害される可能性があります。

もちろん、使用場所と寝室との距離が遠ければ問題ありませんが、近い場合には睡眠中に使用しないことをおすすめします。気になる方は、騒音測定器で寝室に実際どのくらいの音が届いているか測定してみると良いでしょう。

5-2. 睡眠中に音楽を流し続けるのをやめる

睡眠導入時に音楽を流しながら眠りに付いている、という方も注意が必要です。寝付いたところで音楽が止まれば良いのですが、流しっぱなしはおすすめできません。

「リラックスできる音楽を聴きながら眠りに付きたい」というニーズは多く、YouTubeを検索すると「ぐっすり眠れるBGM」のような音楽コンテンツが多数見つかります。

しかしながら、いくら心が癒やされるとはいえ、睡眠中に音楽が流れ続けるのはおすすめできません。音楽も騒音になってしまうからです。どうしても入眠時に音楽や自然音などを聴きたい方は、一定時間経つと自動で音楽が止まるアプリやプログラムなどを使うのが良いでしょう。

同様に、テレビやラジオをつけっぱなしにするのもやめましょう。就寝中はできるかぎりの音を遮断することをおすすめします。

6. 睡眠環境【⑥生活習慣】を整える

睡眠環境を整えるためには、日々の生活習慣を整えるということも不可欠となります。生活を睡眠に向けて整えていくことで、入眠しやすくなり、深く眠れるようになります。

睡眠環境(生活習慣)を整える方法
  • 就寝時間や起床時間を決めて規則正しい生活を送る
  • 寝る前の食事は2〜3時間前までに済ませておく
  • 起きているあいだ習慣的に有酸素運動を行う
  • 就寝の2〜3時間前に風呂に入って体を温める
  • 朝は太陽光を浴びて体内時計をリセットさせる

6-1. 就寝時間や起床時間を決めて規則正しい生活を送る

就寝時間や起床時間を決めて規則正しい生活を送ることが快眠につながります。なぜならば、規則正しい生活を送ることで「体内時計」を整えることができるからです。

体内時計を整える1日の過ごし方は以下のとおりです。

体内時計を整える1日の過ごし方の例

  • 毎日決まった時間に起きる(6時〜7時が理想)
  • 起きてから1時間以内に朝ごはんを食べる
  • 12時前後にランチを食べる
  • 15時〜19時の間に有酸素運動や筋トレを行う
  • 消化しやすい時間帯である18時〜19時に夕飯を摂る
  • 22時など決まった時間に眠りにつく

なるべく毎日決まった時間に起き、食事して、睡眠をとることで、体内時計を整えて、快眠を得ることができます。

6-2. 寝る前の食事は2〜3時間前までに済ませておく

寝る前に食事を取る場合には、眠りにつく2〜3時間前までに済ませておくのが理想です。例えば、23時に就寝ならば20時か21時までには食事を済ませておきましょう。

食事をすると胃の消化活動が活発に動くため、脳が興奮してなかなか寝付けなかったり眠りが浅くなったりしてしまいます。つまり、良い睡眠を得ることができません。

また逆に空腹のまま寝てしまうのもよくありません。空腹すぎる状態で寝ると脳が覚醒してしまい、眠れなくなってしまうからです。

なるべく消化しやすいものを選んで、眠りにつく2〜3時間前までに食事を採っておきましょう。

6-3. 起きているあいだ習慣的に有酸素運動を行う

国内外の研究により、運動習慣がある人には不眠が少ないことが分かっています。運動習慣があることで、寝付きが良くなり、深い睡眠を得られると考えられます。

激しい運動は逆に睡眠の邪魔となってしまう可能性があるので、運動の内容としては、歩いたり軽く走ったりする「有酸素運動」がおすすめです。

運動に適した時間帯は、寝る前の2〜3時間くらい前(夕方から夜)です。この時間帯に運動をすることで、布団に入る時の脳の温度が下がりやすくなり、快眠を得られやすくなるのです。

6-4. 就寝の2〜3時間前に風呂に入って体を温める

良い眠りに効果的な生活習慣として、就寝の2〜3時間前に風呂に入って体を温めるのもおすすめです。入浴で体温を一時的に上げることが、深い眠りに付くためのポイントとなります。

厚生労働省のe-ヘルスネットの情報によると、体温の上昇が0.5度程度でも寝付きが良くなる効果が認められているそうです。38℃のぬるめのお湯で25分〜30分程度、42℃の熱めのお湯ならば5分程度が目安です。

また、半身浴でも寝付きの効果が認められているので、好みや体調に合わせた入浴方法を選びましょう。

6-5. 朝は太陽光を浴びて体内時計をリセットさせる

朝起きたら太陽の光を浴びることで、体内時計をリセットすることができます。逆に言えば、日中にもかかわらず暗い部屋で過ごしてしまうと、体内時計がズレてしまい生活リズムが狂ってしまいます。

できれば遮光カーテンは使わず、朝起きたら窓から太陽の光が差し込むようにして、シャキッと目覚められるようにしましょう。

7. 睡眠環境【⑦入眠前の環境】を整える

精神面を整えることでリラックスを促し、睡眠環境を整えることができます。心が落ち着いた状態で眠りに入るため、入眠しやすく、深い眠りにつけるメリットがあります。

睡眠環境(入眠前の環境)を整える方法
  • 入眠儀式(寝る前の習慣)を決めて実践する
  • 心が落ち着くアイテムに触れながら眠る

7-1. 入眠儀式(寝る前の習慣)を決めて実践する

入眠儀式を決めて習慣づけることで、ストレスをリセットし、ぐっすり眠ることができます。

入眠儀式とは、毎日寝る前に行う「決まった行動」のことです。入眠儀式は決まったものはなく、自分に合った心地よいルーティーンを見つけることが大切です。

入眠儀式を行うことで、からだに対して「これから眠るよ」ということが伝わり、眠りへのスイッチを入れることができます。

例えば、ハーブティーを飲む、静かな音楽を聴く、落ち着く香りのアロマオイルを焚くなど、自分にとって心地よいものを入眠儀式にしましょう。

7-2. 心が落ち着くアイテムに触れながら眠る

心が落ち着くアイテム(眠り小物)を見つけて、それらに密着したり囲まれたりしながら寝ることで、安心して眠りに付くことができます。

例えば、ふわふわしたもの、肌触りがきもちいいものなどがおすすめです。例えば、抱きまくらやぬいぐるみ、毛布、タオルケットなどです。

これは子どもや赤ちゃんにも効果があり、いつも同じタオルやぬいぐるみを抱っこしながら眠ることで安眠できるなどの効果があります。

気持ちよさや安心感を感じるものを見つけて、安眠アイテムとして活用しましょう。

8. 睡眠環境①~⑦は取り入れられるものか取り入れよう

この記事では、睡眠環境を整える方法について、7つの側面・21個の対策方法を解説してきました。

今回解説した環境を全て整えるのはいきなりは難しいですが、できれば一つずつ整えて、最高の睡眠環境に近づけるようにしましょう

寝床内の環境や寝室環境、寝具の環境など前半で解説した内容から、自分にとって取り入れやすい項目から整えていくのがおすすめです。取り組むと良いでしょう。

特に、睡眠環境に直結する「寝具を整える」という部分は最重要項目となります。

体格や年齢、住環境、生活スタイルに合わせたカウンセリングを受けて、現在の睡眠環境の問題点を洗い出したうえで、フィッティングを行って自分に合う最適な寝具を整えていきましょう。

「どこでカウンセリングしたら良いか分からない!」という方は、当店が1日2組限定で行っている快眠カウンセリング寝具専門店「夢匠庵」(滋賀県長浜市)をぜひご利用ください。遠方の方は、Web上での快眠カウンセリングも行っているのでぜひご相談ください。

滋賀県長浜市の「夢匠庵」でカウンセリング

WEB上での無料快眠カウンセリング(眠りのプロショップSawada)

まとめ

本記事では「睡眠環境を整える方法」について解説してきました。

最後に、今回紹介した、睡眠環境を整えるための7つの観点と21のアプローチ方法を以下にまとめておきます。

「睡眠環境を整える」ための7つの鍵

❶寝床内
  • 寝床内の温度は33℃(±1℃)を目指す
  • 寝床内の湿度は50%(±5%以内)を目指す
❷寝室環境
  • 寝室の室温は17℃~28℃・湿度は40%〜70%に調節する
  • 寝室の色はブルー・グリーン・ベージュなどにする
  • 寝室の壁や床素材は呼吸する自然素材を使用する
❸寝具
  • 自分に合わせたストレスのない寝具を選ぶ
  • 自然な寝姿勢を保持できるマットレスを選ぶ
  • 温度33℃湿度50℃の寝床内環境を実現する布団を選ぶ
❹光
  • 寝室の照明の照度は100ルクス以下にする(就寝30分前から)
  • 寝室の照明の色温度は「電球色(3000K程度)」にする
  • 睡眠前にスマホやTVなどのブルーライトを浴びない
  • 朝目覚めたら太陽の光が入るようにする
❺音
  • 睡眠中の生活家電の使用はできるだけ控える
  • 睡眠中に音楽を流し続けるのをやめる
❻生活習慣
  • 就寝時間や起床時間を決めて規則正しい生活を送る
  • 寝る前の食事は2〜3時間前までに済ませておく
  • 起きているあいだ習慣的に有酸素運動を行う
  • 就寝の2〜3時間前に風呂に入って体を温める
  • 朝は太陽光を浴びて体内時計をリセットさせる
❼入眠前
  • 入眠儀式(寝る前の習慣)を決めて実践する
  • 心が落ち着くアイテムに触れながら眠る

いきなり全ての環境を整えるのは難しいですが、一つひとつ調整していって、理想の睡眠環境を整備していってください。

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