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ネットで安く販売されているマザーグース羽毛布団は大丈夫なのでしょうか?

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お客様からお問合せがありました。「ネットでマザーグース羽毛布団が安く販売されているけど、大丈夫なのでしょうか?」とのこと。

amazonで探してみました。いくつかあります。

その1:ハンガリー産マザーグース羽毛布団ダウン95% ダウンパワー440 1.1kg 二層キルト  57,222円
その2:有名メーカー マザーグース羽毛布団 ダウン 93%  ダウンパワー420 1.1kg 立体キルト 83,900円
その3:ポーランド産マザーグース羽毛布団ダウン95% ダウンパワー440 1.2kg 二層キルト 59,999円

その1とその2は側生地がポリエステル85%綿15%で、その3は綿100%ですが、少し重い60番手サテン生地です。

結論めいた話をすると「羽毛より生地にもっとコストをかけるべき」

快適さを決める生地がとてつもなくプアーです。マザーグースを謳う羽毛布団に綿15%ポリエステル85%の生地を使うなど、羽毛布団を冒涜するかのような行為だと思っています。60番手サテンも明らかに役不足。最低でも綿100%の80番手のサテン生地を使うべきでしょう。

当店の場合だと、100~110番手の生地を使うことが標準です。そうでないとマザーグースの羽毛を活かすことができないからです。

日本製?中国から側生地と羽毛を輸入して、日本で吹込み仕上げをすると「日本製」

コストを下げるためには仕方がないのかもしれませんが、今日、日本製を謳う低価格の羽毛布団は、側生地が中国製で、縫製も中国製、羽毛もヨーロッパ産といいながら中国で洗浄したものを輸入して、日本で羽毛を吹き込んで仕上げるのがほとんどです。自動羽毛充填機を使うと、コストがほとんど変わらずに「日本製」表示ができるからです。

中国製が全て悪いわけではありません。ただコストを抑えようとすると、それに見合ったモノしかできてこないのが現状です。

本当にこの表示と価格が正しいのであれば、この羽毛布団を購入・解体した方が安いよね

その1 と その3 ダウンパワーが440で、マザーグースであれば、マザーグースの原料を購入するより、製品羽毛を解体した方がはるかに安いという結果になります。

その2は大手メーカーですが、ダウンパワー420dpであれば、マザーグースを名乗るのはおこがましいです。このメーカーのマザーグースの基準は430dp以上だったと思いますし、以前わたしどもが扱っていた430dpの本当に良いグースダウンと同じ原料を使ったものにマザーグース表示をしていたので(当時原料屋さんに確認済み)、本当の意味でのマザーグースではないのであろうと推測します。

私どもでは羽毛を直接に原料メーカーより仕入れて、それを自前のダウンラボで仕立てて販売しています。そのため、マザーグースという表示をする以上はダウン率95%、ダウンパワー440dpを最低基準としています。原料価格は毎年のように値上がりしています。

例えばドイツのPeter Kohl社からは、ダウンパワー470dp フィルパワーFP1000という最高級のマザーグースを仕入れていますが、この原料、現在では手に入りません。本当に良い原料は数量も少ないし、価格も非常に高いのです。1kgの原料だけの販売価格で20万円以上します。

現在、世界最高級のアイダーダウンは10年前の4倍の価格になっています。良い羽毛ほど買い手が多く、値段がつり上がります。このような安い価格で出てくるとは考えられないのです。

工業製品なら大量生産してコストダウンすることは可能です。ところが、良質の天然素材を得るには、良い環境で愛情をもってじっくりと育てることが大切です。羽毛にかぎりません。綿、羊毛、シルク、カシミヤ等々 最高級クラスの天然素材は原料そのものが少ないのです。

もともとマザーグース自体がポーランドの場合全体の約2.5%です。通常の原料価格から考えて、この価格はあり得ません。通常のグースだとしても無理があると考えます。

実際にこれらの羽毛布団にどのような羽毛が入っているかは確かめていないのでわかりません。推測にしかすぎませんが、本物が入っているとは考えられないのです。

本物は安くありません。それは天然素材では当然のことなのです。

カシミヤ毛布を求めて中国内モンゴル自治区の工場を訪れたときのこと、「もっとレベルの高いカシミヤはありませんか?」と聞くと、「本当に良い最高級品は一部のカスタマーにしか回りません」とのこと。有名ブランドの生地の製造を行なっている工場ですから、しっかりした工場です。おそらく最高級品はオートクチュール用の原料に使われるのでしょう。

プロの矜持にかけて、本物だけをお届けします。

偽装されているのじゃないか?というところから、有名メーカーの既製品を仕入れるのではなく、自分たちで生地と羽毛を選び抜いて、製造直売という形で羽毛布団をお届けするようになりました。

原料屋さんには、「とにかく品質が良い原料をお願いします」と伝えています。「残り10kgぐらいしかないとか、そういう訳ありはさらに歓迎です」 丁寧に一枚一枚を仕立てますから、大量には作りません。というか作れません。そんな多くの原料は要らないのです。

あと30kgを残すのみとなったPST95Nポーランド手選別ステッキーホワイトグースもそういう羽毛です。非常に良い原料だったのですが、原産地証明が取れないためにデパートなどで販売できない羽毛です。

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