
なぜ羽毛布団が掛布団として優れているのか?
吸湿発散性と保温性にすぐれ、快適な睡眠環境を得られる素材だから
水鳥の羽毛は、吸湿発散性と保温性に優れています。特に吸湿発散性は動物性の天然素材の最大の特徴であり、保温性の良さも相まって、理想の寝床内の環境である温度33℃湿度50%を保つことができる素材です。
軽いので、体に負担がかからない
ふんわりと軽い素材で、空気をたっぷり含みます。「重い方が落ち着く」という意見もありますが、重い布団は体に負担をかけて、血行を阻害する原因ともなります。軽い方が体を圧迫せずに良いのです。
へたりにくく、羽毛は再利用することで長く使える
羊毛・シルク・木綿・ポリエステルなど、他の繊維に比べ嵩が減りにくいために、保温力が長くもちます。さらに10年ごとぐらいにリフォーム(打直し・仕立直し)することで、最も長く使えます。
天然素材ですから、最後は土に還る生分解素材です。SDGsの考え方からもサスティナブルな素材といえます。

羽毛布団の欠点は?
他の素材に比べて高価であるというのが欠点といえましょう。羽毛は鳥の種類や飼育方法などによってピンキリで、価格差も100倍ぐらい異なるのです。そのため、本当に良い羽毛布団を見分けるのが難しいということがあります。
良質な羽毛は、丸洗いやリフォームなどの手入れをすることで30~50年ぐらいは使えます。購入時にはそれなりの価格になっても、長く快適な眠りを得ることができるのであれば、コストパフォーマンスは悪いとはいえないでしょう。
羽毛の違いはどこにあるのか?アイダーダウン・グースダウン・ダックダウン 大きくこの3つ

ダウン・スモールフェザー・フェザーの違い
一般に羽毛といえば、タンポポのような胸毛のダウンを指します。スモールフェザー(小羽根)は5cm以下の小さな羽根のことで、フェザー(ラージフェザー)はそれ以上の大きな羽根があります。
羽毛は ダウン90%スモールフェザー10%というように、ダウンとスモールフェザーの混合率で表わされます。ダウン率が50%以上のものを「羽毛布団」、50%未満のものは「羽根布団」と呼びます。今日流通しているのはほとんどが羽毛布団です。
フェザー(ラージフェザー)は枕やクッションなどに用いられますが、掛布団として使われることはありません。
試験場においては、もっと細かな8種類に選別されます。実際に使うと、羽毛の飼育日数(成熟度)によって耐久性が大きく異なります。
主にアイスランドで得られるアイダーダウンは絡みが強く、最高級の羽毛

アイダーダウンの特徴は、羽毛が相互に絡みついて、暖まった空気を逃がさないことでしょう。アイスランドやグリーンランドなど極北地域で得られますが、年間産出量が少ないため、最も高級な羽毛となります。

体長が大きく、優れたダウンボールが得られるグースダウン(鵞鳥)

ポーランド・ハンガリーを中心とした東欧や北欧、中国やロシアなどでも飼育されるグース(鵞鳥)は、ダック(家鴨)に比べると、身体が大きく長期飼育されることもあり、より良質な羽毛が得られます。
グースダウンの中でも、卵を産むためだけに飼育されるマザーグースは、通常のグース(主に16週間飼育)に比べて、良い卵を産むために選ばれたグースで平均4年間飼育されます。得られる量は少ないのですが、グースの中でも最上質の羽毛が得られます。

マザーグースのような良質の羽毛のなかから、絡みの強い羽毛だけを選別したものがステッキーグースです。ステッキー(粘りやすい)という名前の通り、アイダーまではいきませんが絡みが強く保温性に優れ、ゴミの少ない長持ちする羽毛が得られます。

お手頃価格のダックダウン(家鴨)

手軽に飼育されているのがダック(家鴨)です。飼育日数も6~8週間と短いため、良質な羽毛とは言えませんが、比較的に安価です。
ダックにもチェバリー種、マスコビー種、その2つの掛け合わせのミュラー種などの種類がありますが、ミュラー種はチェバリー種に比べると身体が大きいので400dpクラスの良質なダックダウンが得られます。
価格競争のあおりをうけて、飼育日数が1ヶ月ほどしかないダックや、フェイクダウンを混ぜたものなどが横行しやすいのも、ダックダウンです。

羽毛の良し悪しは、鳥の種類・飼育日数や飼育状況などによって異なる
- 羽毛の品質と価格はほぼ正比例 アイダー>ステッキーグース>マザーグース>グース>ダック
- 身体の大きい鳥ほど、飼育日数の長い鳥ほど良質の大きなダウンボールが得られる
- 飼育日数が短いダウンは、未成熟なので耐久性が悪い+羽毛ゴミも多い
- 羽毛の洗浄が不十分だと、最初から匂う(特にダックは油脂分が多いので匂いやすい)
- 羽毛の嵩高性はdpダウンパワーの数値で表わされる。400dp以上がおすすめ
- ダウンパワーはドーピングできるので、数字だけで判断しない方が良い
- 羽毛の清浄度は1000mm以上あれば十分
羽毛布団に使う生地によって、快適度が大きく異なる
生地の選び方のポイントは 素材・生地の重量・通気度
羽毛布団には、通常ダウンプルーフという吹き止め処理をした側生地が使われます。生地の素材には、綿が主流でしたが、最近はリヨセル(再生セルロース繊維)や、安価なものにはポリエステル、ポリエステル・綿混などのものが増えました。
もし側生地が通気性のないビニールであれば、羽毛の持つ良さは全く活かされません。生地は羽毛の快適度を決める大きな要素です。

生地の素材は綿100%がベスト
これは生地の吸湿発散性や、通気性に関係してきます。ポリエステルやポリエステル・綿混、リヨセル・ポリエステル混など、合成繊維を多く含む生地は、吸湿性が悪いだけでなく、通気性が悪いものが多いのです。
このような生地では快適な寝床内温湿度は得られにくいので、綿100%がおすすめです。シルク(絹)は、内側に吹き止めの布を二重にすることが多く、耐久性もないので避けた方がいいでしょう。
生地は軽いほど、羽毛の特性を活かすことができる
生地の重量は、綿100%の場合、軽いものだと69g/㎡(TE270) 重いものだと136g/㎡(660サテン)と倍近く重量が異なります。生地が重いと羽毛を押さえつけてしまうので、空気を含みやすい軽量の生地が望ましいのです。
通気性の良い生地が、より快適である
羽毛の最大の特徴である、吸湿発散性を活かすには通気性の良い生地が必要です。一般的な60サテンの通気度は1.5cc/sほどですが、当店オリジナル国産生地はSB80が2.6cc/s、SB100は3.6cc/sと倍以上です。
さらにドイツ製のTE200は5.0cc/s、TE270は6.0cc/sというように、さらに通気性に優れています。
一方ポリエステルなど合成繊維系の素材は軽量ですが、通気性が悪く(概ね1.0cc/s未満)蒸れやすいという欠点があります。

側生地の縫製方法の違いや、仕上げの厚さに合わせたキルティング
キルティングマスの数字はシングルサイズの場合です。セミシングル・セミダブル・ダブル・クィーン・キング・ワイドキングの場合は異なります。
使う人の体質や、寝室環境によって、10段階から最適な厚さを選ぶ
伝統的な日本家屋から、昨今の高気密高断熱住宅まで、寝室の環境は大きく変わりました。また、暑がりや寒がり・冷え性などの体質によっても、必要とされる保温力が変わってきます。
春・初夏・夏・初秋・秋・冬・厳冬 と季節に合わせて、羽毛布団の厚さを選ぶことが大切です。
厚さ10:保温力を重視で、偏りの少ない最厚CON二層キルト
保温力を重視して選ばれる二層キルトは、表地と裏地の間に生地を入れ、ほとんどが上部は3×4マス、下部は4×5マスでキルトパターンを変えて厚みを出します。ところが、このキルティングでは、マス目の偏りが出やすく、襟元がうすくなりがちです。
CON二層キルトは上部を3×5マス、下部を4×6マスにして、偏りを出にくくすると共に、間の生地を通気性の良いメッシュにして蒸れをへらしています。

厚さ8~9:身体の中央部に縫い目がこない、普通厚変形5×5キルト
主に秋冬向けの従来からの標準的な厚みです。一般には4×5マスが標準となっておりますが、このキルティングは身体の中央部に縫い目が来るため、熱が逃げやすいという欠点があります。
変形5×5キルトは、中央部に縫い目がなく、ベッドでの使用でも、より身体にフィットしやすいキルティングです。
厚さ6~7:高気密高断熱住宅や暑がりの方向け、中厚5×6キルト(7cmマチ)
冬でも室温が17℃をキープできるような高気密・高断熱住宅(都市部のマンション含む)では、従来のような保温力は不要な場合がほとんどです。子どもや若い男性のような基礎代謝量が大きく暑がりの方には、中厚と呼ばれる、少し薄目の厚みの方が適しているでしょう。
マス目が小さな分、身体にフィットします。
厚さ5:ちょっと暑くなってきた初夏に最適な、合掛5×6キルト(4cmマチ)
4月中旬から、冬向きの掛布団では暑く、かといって肌布団ではまだ寒いという初夏にぴったりなのが、合掛け布団です。羽毛の量でいえば厚さ8の約半分強の量です。
厚さ4:ちょっと冷え性気味の方への、肌掛5×6直キルト
寒がりや冷え性の方向けの、通常より少し厚めの肌掛ふとんです。羽毛量は厚さ7の半分ぐらいです。立体キルトではなく、直キルトなので通気性は向上します。
厚さ2~3:夏でもエアコンを使いたい方への、肌掛6×7直キルト
蒸し暑さを感じる梅雨~夏にかけて使う肌掛布団です。最近は猛暑の為、夏でもエアコンを使うことが主流となりました。通常の肌掛布団より、さらに細かな6×7マスで、通気性も確保しています。
厚さ1:暑がりの方の、夏向け肌掛7×9キルト
暑がりの方の夏向けに、更に細かな7×9マスの直キルトを用意しました。羽毛量は200gと厚さ4の半分です。さらっとして眠るには、リネン麻や近江ちぢみの麻カバーがおすすめです。


