Q:金属コイルのスプリングマットレスはダメなのでしょうか?

A:ダメなわけではありませんが、環境への負荷が課題です

眠りのプロショップSawadaは金属コイルを使ったベッドのマットレスを扱っておりませんし、おすすめしていません。可能な限りメタルフリー(金属を使わない)の寝具を提供することをミッションの1つにしています。

金属コイルマットレスの利点と問題点

今なお、日本の市場において最も販売されているのは金属コイルのマットレスでしょう。これはアメリカの文化の影響が大きいものと思われます。私がヨーロッパに行きだした20数年前において、ヨーロッパでは金属コイルマットレスは少数派となっていました。

電磁波や地磁気に影響がでる

ヨーロッパのメーカーは電子スモッグという表現をすることがあります。高圧線の下は健康に悪いということは言われてきましたが、今日携帯やWIFIなど電波環境が増えています。金属コイルは構造上、電磁誘導が起きやすくなります。

あるいは金属コイルだと地磁気が乱れるという説明をするメーカーもあります。これはオーストリアProNaturaの説明にあるものです。

これが妥当なのかどうかはともかくとしても、金属を使わないで済んだ方が良さそうです。

廃棄時のコストや環境負荷が高い

今から10年ほど前だったと思いますが、東京都が金属コイルマットレスの処分をしないと伝えられたことがあります。金属コイルマットレスの多くは金属だけでなく、布や、ウレタン、わたなど、多くの種類の素材からなりたっています。これらをリサイクルしようとすると、まず素材別の分別が必要ですが、実際は困難です。また、コイルスプリングが破砕機にダメージを与えるということも聞いたことがあります。金属コイルは処分ためのコストやエネルギーが高いといえます。

西川産業のマットレスの構造を説明したもの かなり前のものですが、多くの素材がつかわれています。

これが、メタルフリー系のマットレスですと、まずラテックスは紫外線で自然分解し土に還ります(時間はかかりますが)。馬毛やウール等の天然素材も生分解性があります。また、ウレタン系はリサイクル(再利用化)が可能です。単一素材が多いので、分別しやすいのも特徴です。

利点:通気性が良く、へたりにくい

一方金属コイルマットレスにも利点があります。まず、多く、長く使われているために性能が安定していることが挙げられます。もちろん、金属コイルも玉石混交ですから、低品質のものはそれなりですが、しっかりしたものは、結構長持ちします。

また、マットレスの中は中空であるため、通気性が良いのが特徴です。ウレタン系のマットレスに比べるとカビが生えにくいのが特徴です。

金属フリー(金属を使わない)マットレスの利点と欠点

素材としてはウレタンが最も多く、高級品にはラテックスフォームが使われます。コイルスプリングのマットレスの欠点である、地磁気や電磁波の問題、廃棄の問題については利点があります。

軽い(特にウレタン系)

ラテックスフォームはある程度密度があって重量もそれなりにありますが、多く使われているウレタン系のマットレスは軽く、圧縮もきくので、流通コストやCO2の削減に有利です。

欠点:へたりやすい

ウレタンやラテックスフォームの耐久性テストとしてLGAの8万回テストがあります。たしかにウレタン等は変形が少ないのが特徴ですが、弾力性は低下してしまいます。弾性低下があってへたりがでやすいのが最大の欠点です。メーカーの中には10年保証などを付けているケースがありますが、変形保証で、弾性保証ではありません。特に形状変化が大きい低反発ウレタン系やエアウィーブなどモノフィラメントの網状マットレスなどは、へたりが顕著に出やすくなります。

マットレスに長期の保証がついている品がありますが、長期使用する敷寝具やマットレスにはへたりがつきものですが、長期保証は変形保証のみが多く、弾性保証はほとんどありません。マットレスのへたりと変形の関係について説明します。

これは金属コイルスプリングでも、上層に低反発・高反発ウレタンなどを重ねたタイプでは同じようなことが起きます。

ウレタンマットレスではカビのリスクが高い

ウレタン素材の場合通気性が十分に取れていないと、マットレス下面でカビが発生するリスクがあります。スノコベッドでも安心できませんので、吸湿シートなどの併用が必須でしょう。

ウッドスプリングとマットレスのダブルクッションで長く使う

ラテックスフォームの場合は、ウレタンに比べると密度が高い分、弾性変化は小さいものの一定のヘタリがでることは否定できません。

そこで、ウッドスプリングとラテックスマットレスを組合せることで、それぞれの形状変化を少なくし、合わせてウッドスプリングで部分的に硬さを変えることによって、性能の低下をできるだけ少なくすることが可能になります。眠りのプロショップSawadaが、ウッドスプリングの組合せをおすすめする大きな理由がこれなのです。

ナチュールフレックス・ウッドスプリング

そもそも毎日使うので、へたらないマットレスはない

金属コイルスプリングであれ、メタルフリーのマットレスであれ、全体重を1日7時間×365日支え続けるわけですから、へたらないマットレスはありません。ヘタリが出た場合は、ウッドスプリングの調整や下記のリンクにあるハニカムシートの利用などで、改善することが可能です。

ヘタリの無いマットレスはありません。ヒトはお尻に体重の44%の荷重がかかるので、どうしてもへたりがでてきます。対策は1:ウッドスプリングを併用してダブルクッションにすること、2:ハニカムシートでヘタリ部分を調節する簡易型の2つの方法があります。

ねむりはかせの紹介

この記事は店主である「ねむりはかせ」が執筆しました。

快眠寝具の探求者。快適な睡眠を実現するための寝具を研究し実践をつづける通称「ねむりはかせ」で眠りのプロショップSawada店主。133年続く老舗寝具店の4代目。上級健康睡眠指導士等、睡眠の専門家でもあると同時に、寝具への深い造詣を持ち、独自の寝具づくりに取り組んでいる。

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