体質に合わせて羽毛ふとんのキルティング方法を選ぶ

自分に合った羽毛布団のキルティングとは?

暑がりの夫と寒がりの妻、同じふとんでいいのでしょうか?

一般に、男性は暑がりで、女性は寒がりの方が多いのです。これは基礎代謝量が違うからで、同様に子どもも体重あたりの基礎代謝量は大人をしのぎますから、暑がり、というか汗かきです。中には暑がりで寒がりという、ゼイタクな方もいらっしゃいます。
これにどのように対応するかというと、羽毛ふとんの場合は4つの要因があります

1.中の羽毛の保温力
2.羽毛の充填量
3.生地の通気度
4.キルティングの方法

実際はこれらの因子が複雑に絡みます。暑がりで寒がりの場合は、保温力の高い羽毛を選び(アイダーダウンやステッキーダウン)、量はそれほど入れずに、身体にフィットして、なおかつ通気性が上がるキルティング方法を選び(例えば5×6立体)、通気性の高い生地を選ぶということで、バランス良く対応できるのです。


アイダーダウン 8×10マス

地域や住居によっても、必要な厚さは異なる

当店は東京のお客様が多いのですが、東京のマンションあたりだと、あまりふっくらした仕上げの羽毛布団は不要というお客様が多いようです。

また、住宅の建築方法によっても変わってきます。伝統的な日本家屋の場合はどちらかというと保温性を重視する必要があります。一方、最近の高気密高断熱の住宅では、保温性より、湿気のこもりが大きな問題になってきます。湿度の調節がうまくいくキルティングや生地素材を選ぶことが大切なのです。

オリジナル羽毛布団は楽天市場店(羽毛ふとん売場)でもお求めいただけます

どのようなキルティングを選ぶか?
そのヴァリエーションを探る

まず基本。立体キルト と 直キルト

まずキルティングで最も大きな違いは立体キルトと直キルトです。
直キルトは、側の上地と下地をミシンで直接縫います。ですから、キルトのミシン目の部分は厚さが全くありません。初期の羽毛ふとんに見られましたが、現在では羽毛の充填量が少ない羽毛肌ふとん(シングルで0.2~0.5kg)で行われています。コストが安いのが長所ですが、羽毛を挟んでミシン掛けするために、縫い目から羽毛が吹き出しやすい欠点があります。
立体キルトは、上地と下地の間にマチ(2~11cmといろいろ)を入れて、一つのマスを箱状に仕上げます。現在の羽毛ふとんはこれが基本で、後はさまざまなバリエーションがあります。立体構造にすることにより、保温性が向上するのと、あらかじめ立体構造に縫製した側に吹き込んで製造するという形式のために、直縫いに比べホコリが少なくなります。縫製は複雑になるためにコストが高くなります。
立体キルトはマスの数やマチの高さによって、嵩高などの性格が決まります。

完全立体キルトがおすすめ

通常の立体キルトは、マスの四隅に羽毛を吹き込むための穴が空いています。その為、その穴を通して羽毛が少しずつ移動することがあり、長年使うと偏りがでます。完全立体キルトはその穴を無くした、特殊な縫製方法で、手間はかかりますが、羽毛が偏らないという利点があります。当店では S9100 TE200 TE270 AD900 の生地で肌ふとん以外は全て完全立体縫製で仕上げています。

立体キルト(4×5キルトの横断面)

直キルト

マスの数を増やすと、フィット性↑ 通気性↑ 保温性↓ 羽毛の偏り↓
代謝量の大きい、暑がりの方には5×6キルトがおすすめ。

立体キルトで一般的に出回っているのが、シングルの場合で4×5キルトです。その他に5×6マスや、3×5マス・3×4マスなどがありますが、それぞれどう異なるのでしょうか?

通常マスの数を増やすと、一つの箱の大きさが小さくなるために嵩は少なくなりますので保温性は下がりますが、羽毛が片寄りにくくなります。一方、キルトの幅が狭いので、身体にフィットしやすくなりますし、縫い目も増えますので通気性が向上します。羽毛の量は減ります。

マスを減らすとその逆で、嵩高になりますが、マスが大きくなると片寄り易くなります。それを防ぐために、充填量を増やさなければなりません。ただ、充填量を増やすとふくらみすぎてフィット性や通気性を損ねてしまいます。
もちろん嵩はマチの高さによっても変わってきます。

代謝量の多い子どもさんや若い男性などの暑がりな方や、都市部のマンション、最近多い高断熱高気密住宅などは5×6ぐらいの方がバランスがいいでしょう。

5×6キルトの横断面

3×5キルトの横断面

5×6キルトはフィット性が良さから、ふとんそのものの保温性は低くても、身体の周りの暖まった空気を逃がしにくいという長所がある。

標準的な厚さで、身体へのフィット性をアップした
変形5×5キルト

一般に最も多く使われている標準タイプは4×5キルトです。長年使われてきましたが、このキルティングの欠点は身体の中央部に縫い目が来るために、保温性が損なわれるということです。

そこで、眠りのプロショップSawadaでは横のマスを1/2にして両側に配置する変形5×5キルトを標準採用しています。これにより身体の中央部に縫い目が来ることなく、さらに上図の5×6と同じような身体へのフィット性を高めることができます。

  

4×5マスは中央にキルトが来る  変形5×5マスは身体にフィットする

保温性とフィット性を上げるために二層式キルト
寒がりで、肩が空きやすいという方にベスト

保温力を上げるには、嵩を上げる必要がありますから、マチの高さを高くしますし、一般的にはふっくらさせるために、マスの数を減らします。また、羽毛を入れすぎるとふくれあがってしまい、反って身体へのフィット性が悪くなったりします。また縫い目の交差点部分はどうしても薄くなってしまいます。そこで、保温性とフィット性、さらに羽毛の片寄りを防ぐのを両立させるために、二層構造の立体キルトが考案されました。これは上部と下部のキルティングピッチを変えることによって、均一で保温性の高い羽毛ふとんに仕上がります。

一般的に多いのは、シングルで上部3×4マス・下部4×5マスですが、最近は縦を5マスにして上と下が完全に中央で互い違いになって偏りを減らしたCON二層キルトが出てきました。こちらの方が安定的なので、現在ではこのタイプをおすすめしています。

暑がりの方にはおすすめできません

このキルトは上部の生地と下部の生地の間にもう一枚生地が入ることで、肌にあたる下部の生地がより身体に添うようになるのが特徴です。その反面間に生地が1枚入るため通気性はかなり低下しますので、暑がりや汗かきの方には向きません。当店の定番品の場合は間の生地をメッシュにしていますので、通気性の低下を抑えています。

これを三重にしたトリプルキルトなども出ていますが、あまり行き過ぎると通気性と保温性のバランスが取りにくくなります。

CON二層キルト(3×5-4×6)の横断面

ツインキルト(3×4-4×5)の横断面 縦方向が4マスなので偏りが出やすい

年間を通して快適に眠るというなら
2枚を組み合わせるという考え方がベスト

一枚でオールシーズンは無理があります

かつて、羽毛ふとんが普及し始めの頃、多くのふとん屋のセールスマンが「これ1枚で夏も冬も使えますよ」と横着な売り方をしていました。もちろん、当時の羽毛ふとんは今のように厚手ではなかったので、あながち嘘でもなかったのです。ただ、機密性・断熱性の高い住宅が増えた今日、高級品でほぼ100%採用されているツインキルトが本当に良いのかというと問題です。

代謝量の少ない高齢の女性や冷え症気味の方ならまだしも、代謝量の多い若者や男性、子どもには向きません。「厚すぎて=暑すぎて11月の末にでもならないと使えない」という声を良く聞きますが、これでは温湿度を快適に調節する羽毛の良さが生きてきません。

そこで、おすすめしたいのが「中厚の掛ふとん」+「薄い肌掛ふとん」を組み合わせて、オールシーズンを使うという方法です。通気性の良い生地と、保温性の高い羽毛を組み合わせるとさらに効果的です。

眠りのプロショップSawadaのオリジナル羽毛ふとんは、シングルサイズで厚手は5×6キルトを、薄手は6×7キルトにして、二枚重ねた時にキルティングが重ならないようにして、空気の層を含むように作っています。

ただ、他に見られるようなボタン止めは行っておりません。単独使用の場合にボタンやホックが気になるのを避けるためで、カバーにある8カ所のひもを一緒に掛けていただくというシンプルな方法で解決しています。

この時、冬に2枚重ねで使う時は、上図のように厚手の方を下に(肌側に)使った方が効果的です。

ハウスダストが気になる方に熱融着ノンキルト。ただし通気性は低下する。

最近ではハウスダストなどに敏感なアレルギーの方も増えています。そのためには、もちろんホコリの少ない良質な羽毛を使うというのが大前提です。それでも、縫い目にファイバーと呼ばれる小さなホコリが溜まってしまうのは避けられません。

そこで、特殊なバインダーを使って熱融着で縫い目を出さないという、縫製方法があります。これだとホコリが縫い目から出てきたり、溜まったりということがありません。

ただ、そのために通気性が犠牲になっていますので、アレルギーの度具合で判断すべきでしょう。高密度カバーなどにも見られますが、あまりにホコリを出さないことを重視しすぎて、通気性が落ちたために蒸れがひどくなり、反って汗疹などがひどくなるということも考えられます。バランスが大切だということです。

キルティング方法を一覧で見ると

4×5立体キルト 最もポピュラーなキルティング 保温:●●●●○


一般に使われている標準的なキルトです。数が出ていますので、価格的に安いものが多いのが特徴です。身体の中央部に縫い目が来るために、熱が逃げやすいのが欠点といえます。
一般的にマチ高は7~8cmぐらいです。

5×6立体キルト 中厚でフィット性に優れる  保温:●●●○○

マス目が多いので、中厚の掛ふとんになます。通気性は良好で、身体の中央部に縫い目が来ないのと、身体へのフィット性が高く、布団と身体に隙間ができにくいので、保温力も悪くありません。代謝量の多い暑がりの男性、もしくは十分断熱された太平洋側の暖かい地域向けといえます。

6×7マスの肌ふとんを組み合わせると保温性もよりアップし、年間使いやすいのでおすすめです。マチ高は2~8cm標準的な羽毛充填量は4×5を100とすると 90ぐらいです。

変形5×5立体キルト 4×5の欠点を克服 保温:●●●●○

中央部に縫い目が来るという4×5マスキルトの欠点を、1マスを2つに分け、1/2マスずつを両サイドに付けることで解消した新型のキルティングです。身体へのフィッテインングは5×6キルト並で、ベッドにも最適です

マチ高は基本は7cm 一部でふっくらタイプになるように11cmを採用しています。

3×5立体キルト 保温:●●●●○+α

横を3マスにすることにより、4×5キルトより中央部の保温性を高めています。一マスが大きくなるので、嵩もツインキルト並に出やすく保温性を重視したキルティングといえます。羽毛を充填しすぎると、フィット性が落ちるのが欠点でしょう。最近は少なくなりつつあります。標準的な羽毛充填量は4×5を100とすると110ぐらいですね。

3×4-4×5 ツインキルト 保温:●●●●●

側の両面の生地の間に、薄い生地を入れ、上面3×4、下面を4×5とキルティングをずらすことにより、フィット性と保温力を高めているキルトです。2層構造なので羽毛の片寄りがしにくいのも利点といえます。逆に通気性は低下するので、保温力重視の場合におすすめ。

標準的な羽毛充填量は4×5を100とすると 110~120。

3×5-4×6 CON2層キルト 保温:●●●●●

ツインキルトの発展型です。表面のキルトと裏面のキルトが完全に中央で交錯するようになっていて、厚さの均一性がアップします。さらに、ツインキルトだと上面でみられる羽毛の片寄りが極めて少ないのが特徴です。

標準的な羽毛充填量は4×5を100とすると 110~120