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ねむりの部屋 Vol.6 あたたかい布団にくるまって眠る

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秋本番。涼しさから寒さに変わるのがこの季節だ。あたたかい布団で気持よく眠りたい、そう思う方は多いだろう。それではこの「あたたかい」とは「暖かい」布団なのか「温かい」布団なのか、どちらなのだろう。

 

どちらでもいいじゃないか、といえばそうなのだが眠りのプロとしてはこだわってみたいところである。「暖かい」の反対は「寒い」で、「温かい」の反対は「冷たい」だ。「寒い」というのは保温力が不足していることを表しているし、「冷たい」は冷感寝具のように、夏には積極的な意味になる。いくら暑いからといって夏に「寒い」寝具を使いたい人はいないだろう。ということは「暖かい」が正しいのか?

 

ところが布団は暖かければ良いというわけではない。快適な寝床内は温度33℃湿度50%というから、保温性が向上した今日の住環境では、むしろ湿度のコントロールのほうが重要となる。保温性だけを考えれば、ポリエステルのふとんに、アクリルの2枚合わせの毛布で十分だが、これでは十分な吸湿性が得られないから、暖まってくると湿度が上がり蒸れて不快な寝具になってしまう。温度と湿度を快適に保つことができるのは、羽毛やウール、シルクなどの動物性繊維である。アミノ酸で出来ているそれらの素材は、ヒトの皮膚に近いからだ。

 

カシミヤの毛布を使い出した時に感じたのは、素材が持つなんとも言えない心地よさであった。母のお腹にいる胎児のごとく、五感に感じる気持ち良い温かさは、何にも得がたく、それは官能的ですらある。

 

数字で測れる暖かさ=保温力より、五感で感じる温かさは心を安らかにし、快適な睡眠へといざなう。確かにハイテク繊維は暖かいかもしれないが、私たちが質の高い天然素材にこだわるのは、心が温かくなる気持よさ故である。

 

眠りで癒されるのだとすれば、こういう布団によってではないだろうか?

 

ねむりはかせ       沢田昌宏

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