春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ 周防内侍
「春眠暁を覚えず」という詩文もあるように、春と眠りはしばしば関連付けられて、しばしば登場する。春はぐっすり眠るというより、うつらうつらと眠る傾向があるのは、春になると交感神経に比べて副交感神経の動きが強くなるという説がある。いずれにせよ、この時期は花粉症などの影響もあって睡眠が浅くなる傾向があるので注意したい。
花粉症などで鼻が詰まると、どうしても口呼吸が多くなる。口呼吸は鼻呼吸に比べると呼吸の効率が悪く、口内が乾燥して喉に雑菌が付きやすくなるので、風邪などの原因にもなりやすい。このような時には横向き寝を試すのも一つだ。横向き寝をすると、上側にある副鼻腔が通じやすくなる。鼻呼吸もし易くなるし、横向き寝では気道閉塞がおこりにくいので、睡眠時無呼吸症候群にも有用だとされている。
横向き寝する時に困るのが肩の圧迫だ。肩の出っ張りをうまく受け止めて、横から見て背骨が真直ぐになる姿勢が理想的だ。理想的に支えるには、ヨーロッパに多いウッドスプリングを使うのがおすすめだ。
もう一つはホコリ。こちらは掃除機の出番だが、CMに出ているふとん専用掃除機はあまりおすすめではない。吸引力が弱く殺菌効果もあまりないからだ。普通の掃除機に、ふとん用ヘッドをつけて、丁寧に吸うのが一番。付け加えるが、抗菌ミストを振りかけて干したつもりになっていただいては困る。ふとん干しの最大の目的は、除菌ではなく、ふとんを乾燥させることにあるからだ。テレビの情報には要注意・・・である。
ねむりはかせ 沢田昌宏