基本的には必要、特に横向き寝の場合は必須
私は眠るときに枕を使っていませんが、必要でしょうか?
時々このようなご質問をいただきます。基本的な考え方としては枕は必要だと考えています。その根拠を下図で示してみましょう。
枕は頸椎を正しい姿勢で支え、呼吸のしやすい気道の角度を支えることが大きな役割です。頸椎のカバーを支えるには、ある程度の高さが必要となります。この図は頸椎高をデフォルメして作っていますが、実際はそれほど高さが必要な方は少ないというのが実感です。
仰向き寝の場合、敷寝具によっては、枕は不要な場合がある
ところが、頸椎高が3cmぐらい(割と女性に多いですね)で、敷寝具が体圧分散性の良い柔らかいマットレスなどの場合は、必ずしも枕が不要か、あってもバスタオルを畳む程度で済む方が一定いらっしゃいます。
オーダーメイド枕を作ったものの、実際に家に帰って使うと合わないという原因は、敷寝具の硬さが変わると、身体の沈み込みぐあいも変わるというのが理由であることが多いのです。
このように沈み込みがあると、必要とされる頸椎高が少なくてすみ、人によっては枕が不要なのです。逆にオーダーメイド枕を作るときに硬い敷寝具に合わせて作ると、実際に使うときに高く感じてしまいます。
横向き寝の場合、枕は必要
ところが横向き寝の場合は、肩の高さ分を支える必要があります。横向き寝に求められる背骨の線を真っ直ぐにするには、肩幅が出っ張る分を支える高さの枕が必要です。
枕の多くは、仰向き寝と横向き寝に対応している
今日市場に出回る枕は多くが、中央部が仰向き寝用に頸椎高を低くして、両サイド部は横向き寝に対応して高めになっているなったものが多いのです。
眠りのプロショップSawadaオリジナル安眠枕Ⅴの場合
これは、オリジナル安眠枕Ⅴの中のユニット部です。中央部は3つのパートに分かれて、仰向き寝用に頭を支えます。一方両サイドは厚めに仕上げていて、2つのパーツの分かれ目のところに耳が来るようにして、横向き寝に対応しています。

敷寝具(マットレス等)に合わせて枕の高さを調節するべし
このように、寝姿勢は脊椎(背骨)を正しく支えることが第一で、それに合わせて枕の高さを選ぶことになります。つまり、自分に合わせた敷寝具を選ぶことが大切なのです。
仰向き寝は背骨のS字カーブを正しく支えることが基本
AとBが頸椎を支える枕、C、D、Eが背骨を支える敷寝具です。背骨が正しく支えられていないと、枕だけ合わせても、睡眠の問題が解決しないことが分かります。
横向き寝は肩の出っ張りをうまく受け止める
横向き寝はCの肩の部分の出っ張りが多いので、十分に受け止めることができるマットレスが望ましいのです。
この画像のように、厚みがない、あるいは硬いマットレスの場合は、背骨の線が真っ直ぐにならないばかりか、肩の出っ張りが十分に受け止められていないため、下になった肩の部分に圧迫がかかります。このような場合は、肩の周りの筋肉が緊張を強いられるため、肩こりの原因などにもなります。