良いマットレスを買ったとしても、何年か経つと腰の部分がへたってしまうことがしばしばあります。そうすると腰が落ち込み、寝姿勢が崩れて腰痛などの原因になります。
へたらないマットレスはない、という事実
かつて日本のマットレスは非常に硬かった時期があります。硬いほど腰の落ち込みが少なく健康に良いとされてきたのです。通常のスプリングマットの上にコンパネを敷いて普通の布団を敷くという例も少なからずありました。
テンピュールに代表される低反発ウレタンがでてきてから、今度は体圧分散が大事であると喧伝されるようになりました。その一方で、低反発ウレタンには「へたりが早い」という問題がつきまといました。
マットレスには全体重が1日6~7時間かかります。そのストレスたるや非常に大きく、当然のことながらマットレスがへたるのはある意味当たり前のことです。下図のように、体型に合わせてある程度変形するマットレスを考えた場合はさらにです。
世の中には××年保証といって、長期間使用できるかのように説明するマットレスもありますが、保証の年数長く使えるわけではありません。
長く使う方法1:質の高い素材のマットレスを選ぶ
これもある意味当たり前ですが、低コストで作ったマットレスは、低コストの素材を使うので、へたりやすいのは事実です。
高価であれば良いというわけではありませんが、手間をかけて作られた上質の素材は、快適性もさることながら、耐久性にも優れていることがほとんどです。
長く使う方法2:ウッドスプリングで変形圧力を分散させる
上の図で、変形が大きいのはCとEです。特にEは元の状態の半分ぐらいに変形しています。変形が大きいと、弾力性が低下し、同じ体重をかけても沈む=つまりへたります。
ウッドスプリングはマットレスの変形を少なくする
解決の有効な方法としてはウッドスプリングとマットレスを組み合わせがあります。
上図はRELAX2000ウッドスプリングの例ですが、ウッドスプリングが大きく変形して身体を支えるために、上部のマットレスは変形が少なくなります。その結果、マットレスの弾性低下が少なくなる=へたりが少なくなるのです。
ウッドスプリングの多くは、硬さを調節することができるようになっていますので、使用年数とともに硬さを調節することで、寝姿勢の変化が少なくなります。
こちらはミルフィエレメント・ウッドスプリングです。ナチュールフレックス・ウッドスプリングも基本的には同じです。上の板を、ラテックスフォームでできたサスペンションで支え、その巾を調節することで、体格や寝姿勢に合わせた硬さにできるのです。
3:パーツのローテーションや交換が可能である
フロアタイプは最低限三つ折タイプを
多くのマットレスが一枚物です。エアウィーヴ、AiR、快圧ふとん等々・・・

西川 AiRマットレス
密度のしっかりした素材が使えるベッド用はともかく、フロアー用は手軽に片付けることができるように、ウレタン等の軽量素材を使うケースがほとんどです。当然、へたりに対しても弱くなります。
このような一枚物を長く使い続けるとどうなるか。当然のことながら、最も重量がある臀部に負荷がかかり、へたりが進行します。それを防ぐために、しばしばハードタイプが用意されているケースもありますが、結局お尻が当たる部分だけがへたり、それ以外はしっかりしたままという、情けない結果になったりします。
これを三つ折タイプにすると、3つの中身をローテーションすることができます。3ヶ月に一度ほど中のパーツをローテーションすることで、一カ所に負荷をかけず、素材を休ませることができます。三つ折タイプを選ぶことによって、長持ちするマットレスが得られるのです。
パーツ交換もできる2レイヤーマットレス
さらに眠りのプロショップSawadaオリジナルの2レイヤーマットレスでは、弱った素材部分を交換することができます。数年前にムアツふとんがリニューアルする際にメーカーにパーツ交換できるように提案したのですが、取り入れてもらえませんでした。そこでオリジナルについてはパーツ交換が最初からできるように作っています。
嘔吐やおねしょなどで、洗えないような状況でもそのパーツだけを買い替えできるのです。
これは、廉価版の一層式であるAirPad2も同様で、外側からは1枚もののように見えますが、内部は三分割されて、ローテーションや交換ができるようになっています。
パーツ交換できるジェルトロンマットレス
ジェルトロンマットレスも中は3分割になっていて、6種類のユニットを選べるようになっています。へたったときや、古くなった場合に買い換えができます。