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金属コイルスプリングのマットレスで起こるへたりの問題

コイルスプリングマットレス

目次

なぜ、耐久性があるはずの金属コイルスプリングマットレスでへたりの問題がでるのか

眠りのプロショップSawadaでは、廃棄時の環境負荷を低減するためと、電磁波等の問題で金属スプリングは基本的におすすめしておりません。しかしながら、金属コイルスプリングをお使いの方から、へたってきたのでどうしたらいいのか?というご相談を受けます。

まず、15年経っている金属コイルのマットレスは寿命です
お買い替えをご検討ください

一般に上質のマットレスでも、寿命の基本は10年が目安です。15年以上経っている場合は買い替え時期を過ぎていますので、新しいマットレスの検討をお願いいたします。

もちろん15年経っても「問題ない」と感じてらっしゃる方もいらっしゃるでしょう。それでも、素材の劣化は間違いなく来ています。

最近のマットレスでへたりが出て・・・という相談があります

ここ10数年で顕著ですが、どうもマットレスメーカーは金属コイル単独では十分な寝心地が得られないと判断したらしく、金属コイル(多くはポケットコイル)の上に、10cm、あるいはそれ以上のウレタン等の層を作って、寝心地を改善するタイプが増えました。

つまり、金属コイルマットレスメーカー自身が、金属コイルだけでは良い寝心地ができないのだと白状しているようなものです。なぜそうなるのでしょうか?

金属スプリングのマットレスにはボンネルコイルとポケットコイルがある

金属コイルのスプリングマットレスは、現在日本でもっともポピュラーなマットレスといえるでしょう。大きくは、ボンネルコイルというスプリングが連結したタイプと、ポケットコイルと呼ばれるスプリングが独立して身体を支えるタイプに分けられます。

ポケットコイルの方が独立して支えることができるため、一般にはポケットコイルの方が上級とされています。

ポケットコイル

以前のコイルスプリング・マットレスはシンプルだった

ポケットコイルマットレス

20年ほど前の西川のポケットコイルマットレスの断面図です。コイルの数も今よりは少なく、コイルをサンドイッチする層も実にシンプルでした。せいぜい2~3cmぐらいの厚みで、マットレス自体の厚さも18cmぐらいのものがほとんどでした。

低反発ウレタン登場後から多層構造になって厚さが増える

20年ほど前に低反発ウレタンが登場して、体圧分散が重要視されるようになってから、寝心地を良くするために従来の金属コイルスプリングの層に加えて、低反発ウレタンや高反発ウレタンなどの層を重ねるようになりました。

その傾向はますます顕著となり、今日、ハイグレードクラスのマットレスの厚さは少なくても28cm以上、場合に寄ってはトッパーを加えて40cm以上にもなるマットレスが多くなっています。

下記の画像はニトリさんのNsleepの構造の一種です(ホームページより画像リンク転載)コイルスプリングの上に9.5cmのウレタンやわたの層があります。

下の画像はあるメーカーのマットレスです。コイルスプリングの上にウレタン層が何層にも重なっています。

金属コイルはへたりにくいが、ウレタン層がへたる件

一般に金属コイルは昔に比べると密度も高くなっていて、ヘタリがでるリスクは少ないのですが、問題の多くは、体荷重が44%もかかる臀部のウレタン層がへたることで起きているようです。金属コイルとウレタン層を別々にして、交換できるようになっていればいいのですが、一体になっていては、バラすか、裏返してクッションの無い面を使うか、極めてやっかいです。

ポケットコイルも昔は200本程度だったものが、600本前後のもあって非常に高密度になっています。その一方で価格は下がっていますので、コイル自体の品質が下がっている可能性はあります。(これについては、はっきりとはわかりません)

先日お越しいただいたお客さまも、別のメーカー品でしたが同様の構造になっていて、最も体重がかかるお尻の部分がへたって困ってらっしゃいました。このお客さまの場合は、見た目でも変形がはっきりとわかる状態でした。

汗を吸うベッドパッドを使わないのも一因

マットレスにシーツだけしか使われていないケースが多いのも一因です。パッドを使っています・・・といっても、中身がポリエステルわたの吸湿力のないペラペラの敷パッドシーツではシーツと代わりがありません。特にウレタンは、汗をそのまま吸うと衛生的にも問題があるだけでなく、劣化が早く進むことになります。

私たちがウールのベッドパッドをおすすめするのは、直接マットレスに汗を吸わすのではなく、ウールのベッドパッドに吸わせて温度と湿度のコントロールを行なうためです。そのことで、快適に眠ることと、マットレスの劣化を防ぐ2つの目的を果たすことができるのです。

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私たちが天然由来のウッドスプリングを組合わせたマットレスをおすすめするわけ

ウッドスプリングを組合わせたマットレスの場合は、このようなことは起きにくいのです。たとえばRELAX社のナチュールフレックスウッドスプリングの場合

ナチュールフレックスウッドスプリング

  • 一番下層のウッドスプリング(8cm厚)で背骨と寝姿勢を調節し、
  • その上の8~10cm厚のマットレスで、体圧分散や反発の寝心地を決め、
  • 一番上の羊毛ベッドパッドで吸湿発散をはじめとする温湿度の調節を行なう

という3つそれぞれに役割をふっています。

ウッドスプリングは硬さの調節ができますし、もし長年使ってマットレスがへたってきたら(へたらないマットレスはありません)、この部分だけ買い替えたり、ハニカムシートで反発力を調節したりできます。

つまり、劣化した部分を買い替えていくことで、長く使えてムダになりにくいのです。さらに廃棄する場合も、基本的に天然素材由来なので、非常に楽です。ほとんどが土に還る生分解性のあるもので、環境に対する負荷は非常に少ないのです。

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おまけ:金属コイルスプリングを解体をするとなると、さらに一苦労

金属コイルスプリングは複合素材でできているため、リサイクルが非常に難しいのが現実です。自治体によっては、マットレスは引き取らないというところもあるようで、マットレスを分解するのに10日かかったというこの記事を読むと、びっくりします。

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