快眠のための掛ふとん選び

EASY-C6

掛ふとんに求められる基本性能とは

掛ふとんに求められる性能は、寝床内の理想温湿度である「温度33℃、湿度50%」をいかにうまく調節するかにあります。

1.周りの暖まった空気をを逃がさないこと(温度調節)

掛ふとんの基本役割は、身体の体温で暖まった空気を逃がさないことです。逆に初夏~夏など気温が高くなると、熱を適度に逃がす必要があります。この役割はふとんの嵩によって調節されてきました。熱伝導性が一番低い素材は空気なので、空気を沢山保つ嵩高いふとんは保温性が良いのです。
ところが、羽毛の量を入れすぎた掛ふとんだと、身体の表面でふとんがはねてしまい、寝返りする度に暖まった空気が逃げてしまい「過ぎたるは及ばざるがごとし」の状態になるのです。このことはポリエステル混の羊毛ふとんにも見られ、身体へのフィット性が悪いと、本体の保温力があっても、結果として保温性に問題が残ります。
眠りのプロショップSawadaの定番羽毛ふとんは5×6マスの立体キルトになっていますが、これは下図のように羽毛ふとんをトンネル状にして、中の暖まった空気が出来るだけ逃げないように工夫されているのです。一方で、それほど厚く作られていないので、通気性も良く、比較的幅広い温度や湿度の環境で使うことが可能になっています。

2.湿気を素早く吸収し、放出すること(湿度調節)

ヒトは睡眠に入ると深部体温を下げるためにも発汗が行われます。特に、最初の深いノンレム睡眠には大量の汗をかきます。不快にならない湿度50%を維持するには、これらの汗を素早く吸収し発散させることが重要です。
この時に重要になるのは、表側の通気性と、中わたの吸湿発散性です。中わたの吸湿発散性は羽毛・羊毛・シルクなどの動物性繊維が優れています。これらは、新しく乾いた空気が入れ替わることで、中の水分を発散します。木綿は吸湿性能は優れていますが、水分の発散性には難点があり、天日干しをこまめにすることが大切です。ポリエステルは透湿性はそこそこ優れていますが、素材本来には吸湿性がほとんど無いために、最初のノンレム睡眠時のような急激な発汗と、それにともなう大きい湿度変化に対応することが苦手な素材です。

側生地は通気性が最も優れているのは、ガーゼのような打込みの少ない生地で、吸湿発散性能もまずまずです。一方、羽毛ふとんはダウンプルーフという吹き止め防止加工を行っており、特に日本では生地からの吹出しを嫌いますので、通気性については弱点をかかえています。これはウールプルーフ加工を行った羊毛ふとん用生地でも同様で、逆にニット・トリコット生地は通気性に優れます。

3.軽くて身体に負担をかけないこと

羽毛ふとんが普及し始めの頃、お客様から「こんな軽いふとんではあかん、わしは重くないと眠れないんや」というお言葉を多くいただきました。それでも羽毛ふとんをお使いいただいたお客さまは「昔の重いふとんは、よう使わんわ」とおっしゃいます。
昔の記録を見ていたら、掛ふとんに木綿わたを一貫400匁も入れていました。一貫目=3.75kgですから、なんと5.25kgにもなります。最近ではポリエステルわたとのミックスわたにしますので、800~900匁(3~3.4kgぐらい)ですが、それほど昔のふとんは重たかったのです。

これに比べると標準的な羽毛ふとんの充填量は1.3kgぐらいですから、「重さは半分以下!」といいたいところですが、同じ羽毛ふとんでも側生地の重量によって性格がずいぶん異なります。一般的に羽毛ふとんの側は木綿わた用より重いのです。通常の木綿わた用サテンのふとん側はシングルサイズで約750g、一方、羽毛ふとんの平均的な超長綿60サテン側は1100gします。もちろんトータルすれば羽毛の方がずいぶんと軽いことは間違いありません。

同じ羽毛でも軽量の生地(85~95g/㎡)だと、側も750gぐらいになりますし、側が軽いと中身の量は少なくても十分嵩が出て空気の量も多くなるので軽量生地の羽毛の方が、より機能的には良いものになります。

重いとなぜ問題か? それは重量が身体の血管を圧迫し、心臓に負担をかけるからです。ですから重量が3kg以上にもなる2枚合わせの毛布もその意味では問題です。基本的な保温は本来は敷で十分確保するべき問題なのです。

掛布団の理想を突き詰めると羽毛布団になる

なぜ羽毛掛ふとんがベストなのか?

今日掛ふとんといえば、多くが羽毛ふとんとなってきました。25年ほど前は普及率が10%なかったので、急激な変化といえます。
掛ふとんの素材には 羽毛を始め、羊毛、木綿、絹(真綿)、麻、ポリエステルなど、さまざまな種類があります。それぞれに特徴がありますが、羽毛ふとんがベストとされる理由は
 1.軽量である
2.へたりにくい
3.再利用が可能である

この3点が大きなポイントと云えます。もちろん、暖かい、吸放湿性が良いという基本性能は当然としてですが、比較的長期にわたって性能変化が少なく、仕立直しが簡単にできるのが大きなメリットでしょう。

保温性 軽さ フィット感 吸湿性 放湿性 へたりにくさ 再利用性
羽毛
羊毛100%
羊毛混 ×
真綿(絹) ×
もめん(綿混) × ×
×

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