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Q.睡眠のために、電気毛布は使用してもいいのでしょうか?

Q:部屋が非常に寒く、冬は電気毛布を使っているのですが、喉がかわくのと、身体がなんとなくだるいのですが、電気毛布は使ってもいいのでしょうか?

目次

電気毛布は基本的には使わない方がベター。使わなくて済む対策をしましょう

睡眠時には体温を下げて身体を休ませるため、必要以上に熱を与えない方がいいため。

まず睡眠時の体温のしくみを理解することが重要

眠る前には、体温を上げる必要がある

上の眠りのリズムをご覧ください。ヒトは入眠する前に体温が上がります。これは、赤ちゃんや子どもに顕著ですね。

眠るということは、身体の体温を下げて休ませるということです。そのため、眠る前には体温を上げ、血液の循環を良くします。内臓の温度(深部体温)を血液を使って、末梢血管から身体の外へ放出することで、体温を下げる訳です。自動車に例えると、ラジエーターが末梢血管で、冷却水が血液です。

冷え性だと、入眠が悪くなる理由

冷え性など血行が良くない人は、このメカニズムが効きにくいため、入眠しにくいという症状が出やすいのです。

そのため、入眠の60~90分前に入浴して血行を促進させる、入浴剤を使う(柑橘系は血行促進に良いといわれています)、カプサイシン(辛子)成分を食事で摂取するなど血行を促進させることで、改善が見込まれます。

あんかや湯たんぽなど、血行不良になりやすい足の血行を促進するとも、おすすめの方法です。

入眠すると、体温を下げて代謝を減らす

入眠すると体温が下がります。体温を下げることによって、代謝量を減らし、身体を休めます。このとき、睡眠ホルモンといわれるメラトニンは最大になります。

このような身体と入眠のメカニズムから解るように、夜半に向けて深部体温は1~2℃ほど下がり脳と身体を休めるのです。「草木も眠る丑三つ時」という言葉がありますが、入眠から4~5時間で最も低い体温になります。かつて泥棒が入るのもこの時間、討ち入りもこの時間、事故が起きやすいのも、この体温が下がる時間です。

寝る前に食べるとダメな理由

寝る前に食事をすると、それを消化して熱が発生します。睡眠時には本来体温を下げて、休息しなければならないのに、これでは身体が休まりません。受験勉強の夜食などは、十分に注意しましょう。睡眠の質が悪いと、記憶効率も下がるとされています。

起床へ向けて、体温は上がる

夜半からメラトニンは減少し、代わりにコルチゾールが増えます。コルチゾールは抗ストレスホルモンであり、体温を上げて、起床に向けて準備を始めるのです。

電気毛布を使うと、体温が下がりにくく良い睡眠が取れない

入眠時には悪くないが、入眠後は眠りを妨げる

睡眠のしくみから考えますと入眠前に身体を暖めるには良いのですが、敷布団の保温性が悪い場合、温度を高めに設定しがちです。特に、木綿わたの敷布団だと、敷布団を暖めるために身体の熱量が多く奪われるので、布団があたたまりにくいのです。

入眠時に高めの温度設定のままにしておくと、入眠した後に身体は温度を下げたいのに、電気毛布で暖めるために体温が下がりません。すると身体は、発汗というメカニズムで体温を下げようとします。電気敷き毛布を使うと皮膚が乾燥してカサカサする、喉がかわくというのは、このためです。身体も休まりません。

最悪の組合せ=薄い敷布団に電気敷き毛布

「せんべい布団は身体に良い」とお考えなのか、薄い敷布団を使い、寒いので電気敷き毛布を使うという方が少なくありません。仮に床の温度が冬に5℃まで下がるとすると、体温との差は30℃もあります。薄い敷布団では保温性が得られないため、体温は敷からだだもれで逃げて行きます。

敷寝具が薄いと、熱は床に多く逃げてしまい、保温性が確保できない

このような使い方は、良質な眠りを妨げます。健康のためにも、敷寝具を2枚敷にするなど,敷の保温性を十分確保しましょう。どうすればいいかは次をご一読下さい。

電気敷き毛布を使わない保温の基礎

1.敷布団の保温性を上げる(2枚敷が基本)

1枚敷では、敷に体温が奪われます。少なくとも2枚重ねをして、保温性をアップすることが重要です。下記のリンクを参考になさってください。

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2.ベッドにする、ウッドスプリングを使うなどして、床からできるだけ上げる

同じ部屋でも、上にいくほど暖かくなります。ベッドにするのが一番で、床に敷く場合でもウッドスプリングのように、浮かせる工夫をすることによって保温力が上がります。

3.一番上に即温性の高い敷き毛布を使う

遠赤外線の効果のあるものなどでもかまいませんが、天然素材でもっとも優れているのはウール、キャメル、カシミヤなどの獣毛です。羊毛敷布団に、ムートンシーツ、あるいは毛足が長めのウール敷き毛布を組合せるのが最適です。

アクリルやポリエステルなどのファータイプの敷き毛布も暖かいのですが、吸湿性がないために暖まって33℃近くまでなると、蒸れやすくなります。ウールなら、吸放湿性に優れているために、快適な温湿度を調節するのが容易です。

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正しい電気毛布の使い方

1.直接身体を暖めるのではなく、布団を暖める

快適な睡眠環境は温度33℃湿度50%。身体を直接暖めるのではなく、布団を暖め間接的に快適な温度に保つことが必要です。低温やけどを防ぐにも有効です。最初はもの足らないかもしれませんが、健康のために敷布団の下に使い、間接的に暖めることをおすすめします。

2.寝る前に比較的高温で暖めておいて、入眠時に温度を下げる

まず眠る前に電気毛布で布団を暖めます。そうすると入眠しやすくなります。ふとんの中に入る時には温度を下げ、適度な温度に保てるようにします。

敷布団の保温性が悪いと、明け方に冷えが気になります。次にあるように、敷寝具本体の保温性を十分に確保してください。

3.上に羊毛敷布団を組み合わせて、寝具の保温性を上げる
ウールなどの敷き毛布をその上に使う

ニット生地の羊毛敷布団は、最も即温性が高い敷布団です。マットレスの上や敷布団の上に組み合わせることで、保温性と即温性を高めることで、電気毛布の出番を減らします。それでも部屋が寒いなど、温度をキープすることが難しい場合は31℃ぐらいの設定で、マットレスと羊毛敷布団の間に電気毛布を使います。

前述したように、その上にウールやキャメルなどの敷き毛布を使うとさらに保温性が向上します。これによって電気敷毛布が不要になったという方も多いのです。

4.電気掛け毛布はできるだけ避ける

皮膚に近いところで使うことから、掛け毛布はおすすめできません。

冷え性の方には、温熱電位敷布団を

冷え性で、どうしても身体が暖まりにくいという方は、遠赤外線ヒーターで暖める温熱電位敷布団をおすすめします。

電気敷き毛布はオーブン、温熱電位敷布団は電子レンジ 中から暖まる

温熱電位敷布団は身体に浸透性が高い遠赤外線を使っているため、血行がより促進されます。オーブンのように、表面はカサカサだけど、中は生焼けということがありません。特に冷え性でなんとも困るという方にはおすすめです。

温熱電位敷布団には、羊毛敷布団を必ず組み合わせること

温熱電位敷布団を利用するほとんどの方が、シーツのみ、あるいは敷毛布程度で使用されているケースが多いのですが、眠りのプロショップは羊毛敷布団を上に重ねて使うことを強くおすすめしています。

これは、温熱電位のヒーターが身体中央から脚にかけて全体の2/3しか入っていないことと、表面が硬いために体圧分散が悪く身体との間に隙間が出ます。特に肩の保温に問題がありますので、ビラベック社製羊毛敷布団のような、3~3.2kg程度の羊毛敷布団を組み合わせて、やはりこちらも間接的に暖めた方が身体に負担が少ないのです。

自然な暖かさを得て、快適に眠るためにはカウンセリングを

できる限り、電気毛布は使わずに、自然の温かさで眠ることが大切だと考えます。ただし、寝室の環境や、体質など人ぞれぞれにさまざまな事情があります。

快眠カウンセリングは、自分に合わせた寝具選びをするためのしくみです。ぜひ、ご相談なさってください。

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