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当社オリジナルの羽毛布団用生地 SB100とSB80の秘密

目次

理想の羽毛布団を作るため、軽くて通気性が良い、ヨーロッパの生地をめざす

快適な眠りを得るために、眠りのプロショップSawadaは羽毛布団の本場、ヨーロッパと同等の生地を目指しました。

日本の羽毛布団生地の主流はサテン織

日本の羽毛布団に使われる生地の中で、綿100%の場合、ほとんどがサテン織生地です。

今から40年以上前の羽毛布団普及期、平織の生地だと風合いがゴワゴワしてしまうので、ドイツ製のサテン生地が高級品に使われました。

サテンは経糸が表に出て光沢があるため、高級感があることから、日本ではサテン生地が主流となったのです。

サテン織生地の長所(風合いが柔らかい)

光沢があり、柔らかく仕上がることが最大の長所です。羽毛布団はダウンプルーフという吹き出し防止の加工を行うため、どうしても硬く仕上がりがちです。サテン生地にすることで、ガサガサ音がしなくなりました。

サテン生地の短所(生地の安定性が悪い、通気性が悪い、重い)

糸の交差が飛ばし飛ばしになるため、洗濯した場合などに生地の安定性が悪くなります。例えば60番手のサテン生地の場合、標準状態の通気度は1.6㏄ですが、洗濯後は3.7㏄まで上がります。

メーカーが羽毛布団は洗えないとしているのは、この理由が大きいのです。洗うことで、通気性は上がって快適にはなりますが、その一方でダウンファイバーなどのゴミが吹き出しやすくなるからです。

洗濯後で通気度4㏄以下にするという規格を守るために、サテン生地はダウンプルーフを強く処理して仕上げます。

生地が重くなるのも欠点です。80番手の平織生地は94g/㎡なのに、サテン生地になると114g/㎡と20%も重くなります。

ヨーロッパの羽毛布団の生地の主流は平織(バティスト)

一方、ヨーロッパにおいての主流はバティストと呼ばれる平織生地です。

サテンも使われますが、少数派です。

平織(バティスト)の長所(軽い・安定性が良い・通気性が高い)

平織の最大のメリットは軽いことでしょう。シンプルな織構造で、使う糸の量が少ないためコストも安く仕上がります。

経糸と緯糸が交互に交差するので生地の安定性が高いため、洗濯した後の通気度変化が少ないため、サテンより通気度を上げています。80番手サテンは通気度1.7㏄程度が多いのですが、80番手平織K9800は2.1㏄と良いのです。

平織(バティスト)の短所(音がしやすい)

平織の短所は、経糸緯糸の安定性が良い高い反面、生地が硬くしあがって、ガサガサというペーパーノイズが出やすいことです。

つまり、軽くて、安定性が良く、通気性が高くて、音がしにくい生地が理想

結論的にいえば、平織で、ペーパーノイズがでにくい柔らかい仕上げであれば、理想的な羽毛布団側になります。

SB100は 軽量(85g/㎡) 高通気度(3.6㏄)+椿オイルソフト加工

SB100は、蔭山(株)の定番平織生地K9100の生機を使い、当社オリジナルの仕上げをした生地です。インド超長綿の100番手という細番手の糸を経糸180/緯糸170 合計で350本の打込みで仕上げています。生地重量は85g/㎡です。

オリジナルのK9100は通気度が2.0㏄で仕上がっています。悪くはないのですが、一番の難点はペーパーノイズでしょう。結構ガサガサ音がしてしまいます。この生地はヨーロッパ並みの軽量生地をということで、メーカーが仕上げたものですが、こちらの希望のスペックまでは至りませんでした。

そこでオリジナルの仕上げをしてもらいました。SB100(旧S9100)はカムフィット加工というソフト加工を2回、さらに、椿オイルで仕上げることで、通気度3.6㏄と国内規格の上限を目指しました。

ただ通気度をぎりぎりまで上げたので、ダウンファイバーの多いダックダウンや低級なグースダウンを使うと、吹き出しのリスクがあります。実際に吹き出すことは少ないのですが、当社では400dp以上のホワイトグースダウンを最低基準にしています。

現在のロットの通気度は3.6cc、ソフト加工と椿オイル加工の良さもあり、非常に柔らかい仕上げになっています。

SB80は 軽量(94g/㎡) 高通気度(2.6cc)+シルクプロティン加工

一方、SB80は、同じ蔭山(株)の定番平織生地K9800の生機を使い、当社オリジナルの仕上げをした生地です。

オリジナルのK9800は通気度が2.1㏄で仕上がっています。超長綿の80番手という細番手の糸を320本の打込みで仕上げています。生地重量は94g/㎡で、綿100%の国産品では最軽量クラスですが、これも仕上がりが硬めでガサガサとしたペーパーノイズが気になります。

そこでSB100同様、もう少し通気度を上げ、柔らかく仕上げる加工をしました。リフォームやダックダウンでも使えるように、通気度2.6㏄と抑え気味にしました。その一方で、シルクプロティン加工を施すことにより、現在のロットではほぼ音が気にならないレベルに仕上がっています。

通気度はバランスが大事。上げすぎると問題も多い

生地の通気度は、今までほとんど語られてきませんでした。ただ、これだけポリエステル混生地が増えると、通気度が1ccに満たないものも覆う、蒸れが非常に気になります。

一方、通気度を6㏄とヨーロッパの高級生地(当店のTE270は6㏄、TE200は5㏄)並みに上げると、問題も出てきます。

通気度を上げると、羽毛の吹き出しリスクが上がる

大塚家具のダウナ羽毛布団でしばしば起こる問題です。ダウナの生地はドイツのサンダースというメーカーの生地ですが、もともと打ち込みが甘い(295本)上に、ヨーロッパ並みの通気度を上げているため、ダウンファイバーの吹き出しが多く報告されています。

一般にはアイダーダック、ステッキーホワイトグース(絡みの強い手選別ダウン)、マザーグースなどの高級羽毛であれば、ダウンファイバーは非常に少ないので、出てもあまり目立ちにくいのですが、ダウナはおそらくロットによるのでしょうか、ダウンファイバーが多いものがあり、吹き出して困ってらっしゃる方も少なくありません。

通気度を上げると、汚れやすい

これは、通気性が良く湿気を素早く吸って発散させるという機能があるため、汗などの汚れが付きやすいのです。

快適性のための必然ともいえる現象です。そのため、3~5年に一度の丸洗いを強くお勧めしています。定期的な洗いを行うことで羽毛の汚れを取り除き、羽毛布団をリフォームして長く使うことができるようになるのです。

和雲さんの通気度6.5㏄の生地はおすすめか?

SB100と同じ生機を使い(推定)、ダウンプルーフ加工をかけないことで通気度6.5㏄の生地を使った羽毛布団を販売しているメーカーがあります。

一方で眠りのプロショップSawadaは、ダウンプルーフを弱くかけて3.6㏄に仕上げています。

どちらも正しいのです。国内の仕上げではダウンプルーフには化学薬品を使います。これを嫌うと、ダウンプルーフ加工をかけないという選択肢になります。確かにダウンプルーフをかけない方が、より快適です。

しかしながら、羽毛の品質によっては大塚家具のダウナ羽毛布団のように羽毛の吹き出しが目立ちます。特に使い始めでは出なくても、使っているうちに出るリスクも高いのです。6.5㏄というのは、かなり羽毛のグレードを要求する生地です。間違ってもダックダウンに使うべきではないと考えます。

眠りのプロショップSawadaは、SB100(100番手平織)生地は中級~上級用の生地として位置づけしているため、通気度は4cc以下にしています。

さらに最上級の生地として、ドイツWeidmann社のTE200(110番手平織 75g/㎡ 通気度5cc)やTE270(120/150番手平織 69g/㎡ 通気度6㏄)の2種類を用意しています。

この生地はダウンプルーフ加工に化学薬品を使っていません。SB100よりさらに軽いので、アイダーダウンやステッキーダウンのような絡みの強い羽毛、手選別でダウン率98%とぎりぎりまでゴミを減らしたプレミアムダウンなどは、こちらの生地の方が合うでしょう。

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