最近の金属コイルスプリングのマットレスで起こる問題

コイルスプリングマットレス

ボンネルコイルとポケットコイル

金属コイルのスプリングマットレスは、現在日本でもっともポピュラーなマットレスといえるでしょう。大きくは、ボンネルコイルというスプリングが連結したタイプと、ポケットコイルと呼ばれるスプリングが独立して身体を支えるタイプに分けられます。

ポケットコイルの方が独立して支えることができるため、一般にはポケットコイルの方が上級とされています。

ポケットコイル

以前のコイルスプリング・マットレスはシンプルだった

ポケットコイルマットレス

20年ほど前の西川のポケットコイルマットレスの断面図です。コイルの数も今よりは少なく、コイルをサンドイッチする層も実にシンプルでした。せいぜい2~3cmぐらいの厚みで、マットレス自体の厚さも18cmぐらいのものがほとんどでした。

低反発ウレタン登場後から多層構造になって厚さが増える

20年ほど前に低反発ウレタンが登場して、体圧分散が重要視されるようになってから、マットレスは従来の金属コイルスプリングの層に加えて、低反発ウレタンや高反発ウレタンなどの層を重ねるようにして肥大化していきました。

今日、ハイグレードクラスのマットレスの厚さは少なくても28cm以上、場合に寄ってはトッパーを加えて40cm以上にもなるマットレスが多くなっています。ちなみに、よく売れているというニトリさんのN-sleepを見てみましょう。

こちらはニトリの公式通販ニトリネット、超高密度構造ポケットコイルマットレス(NスリープComfortコンフォートCF1)のページです。店舗共通ニトリメンバーズカードでポイント獲得。

WEBのデータによると、このマットレスは全体が29cm厚。うちスプリングが20cmですが、その上にウレタンや綿などが何層にも8.8cmも重なっているとされています。確かにこの内容でこの価格は安いなぁと思います。他の有名メーカーの上位クラスはもっと価格が高いですが、基本的にポケットコイルスプリングの上に、ウレタンをはじめとする様々な層を組合わせているものが多いようです。

金属コイルはへたりにくいが、ウレタン層がへたる問題

先日お越しいただいたお客さまも、別のメーカー品でしたが同様の構造になっていて、最も体重がかかるお尻の部分がへたって、このお客さまの場合は、見た目でも変形がはっきりとわかる状態でした。

一般に金属コイルは昔に比べると密度も高くなっていて、ヘタリがでる要素は少ないのですが、その上のウレタン層がへたると、対応のしようがありません。金属コイルとウレタン層を別々にして、交換できるようになっていればいいのですが、一体になっていては、バラすか、裏返してクッションの無い面を使うか、極めてやっかいです。

ポケットコイルも昔は200本程度だったものが、600本前後のもあって非常に高密度になっています。その一方で価格は下がっていますので、コイル自体の品質が下がっている可能性はあります。(これについては、はっきりとはわかりません)

汗を吸うベッドパッドを使わないのも一因

マットレスにシーツだけしか使われていないケースが多いのも一因です。パッドを使っています・・・といっても、中身がポリエステルわたの吸湿力のないペラペラの敷パッドシーツではシーツと代わりがありません。特にウレタンは、汗をそのまま吸うと衛生的にも問題があるだけでなく、劣化が早く進むことになります。

私たちがウールのベッドパッドをおすすめするのは、直接マットレスに汗を吸わすのではなく、ウールのベッドパッドに吸わせて温度と湿度のコントロールを行なうためです。そのことで、快適に眠ることと、マットレスの劣化を防ぐ2つの目的を果たすことができるのです。

テレビのCMなどでも多いのですが、マットレスの上にシーツをかけて、そのまま使って下さいといわんばかりの映像をしばしば見ます。実際にお客様とお話ししていても、上の画像のような本当のベッドパッドと、同じように四隅がゴムになっていて、しば...

解体をするとなると、さらに一苦労

しかも、金属コイルスプリングは複合素材でできているため、リサイクルが非常に難しいのが現実です。自治体によっては、マットレスは引き取らないというところもあるようで、マットレスを分解するのに10日かかったというこの記事を読むと、びっくりします。

家のベッドのフレームとベッドマットを買い替えることにしましたが、自治体ルールによるとまさかのごみ回収不可。捨てるために10日かけて解体した私の記録です。 (ぬっきぃ)

私たちが天然由来のウッドスプリングを組合わせたマットレスをおすすめするわけ

ウッドスプリングを組合わせたマットレスの場合は、このようなことは起きにくいのです。たとえばRELAX社のナチュールフレックスウッドスプリングの場合

ナチュールフレックスウッドスプリング

  • 一番下層のウッドスプリング(8cm厚)で背骨と寝姿勢を調節し、
  • その上の8~10cm厚のマットレスで、体圧分散や反発の寝心地を決め、
  • 一番上の羊毛ベッドパッドで吸湿発散をはじめとする温湿度の調節を行なう

という3つそれぞれに役割をふっています。

ウッドスプリングは硬さの調節ができますし、もし長年使ってマットレスがへたってきたら(へたらないマットレスはありません)、この部分だけ買い替えたり、ハニカムシートで反発力を調節したりできます。

つまり、劣化した部分を買い替えていくことで、長く使えてムダになりにくいのです。さらに廃棄する場合も、基本的に天然素材由来なので、非常に楽です。ほとんどが土に還る生分解性のあるもので、環境に対する負荷は非常に少ないのです。