ねむりの部屋– category –
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ねむりの部屋 Vol.10 起きて半畳寝て一畳 90センチの不思議
ちょっと前のことだが、ドイツのメーカーにベッドを注文する際にシングルと指定したら90センチ巾のものが届いて慌てたことがある。ゲルマン人は非常に体が大きいのだが、ドイツで用意されるベッドの巾はほとんどが80㌢、90㌢、100㌢センチのいずれかで、標... -
ねむりの部屋 Vol.9 幸せを眠りではかるとすると
毎年1月には羽毛や毛布・生地の買い付けのためにヨーロッパの展示会に行き、ついでにあちこちの街を旅することにしている。昨年にスペイン・セビーリャに行った時のことだ。金融不安と不況で若者の失業率は50%を超えるとのことだったから、もともとスリ... -
ねむりの部屋 Vol.8 上質であること
先般、日本睡眠環境学会の学術大会に参加した時のこと、発表の中で「快適な睡眠には、上質な寝具を使うことが必要だ」という意味の文章があって、はたとそこで考え込んでしまった。 実は私も「上質な眠り」とか「上質な自然素材を使って」という言... -
ねむりの部屋 Vol.7 冷えは下から
先日、木之本の想古亭源内さんで、来春から始まる黒田官兵衛博覧会の実行委員長でもある店主の林さんから賤ヶ岳合戦の話を聞く機会があった。北ノ庄城を出たのは新暦の4月らしいが、雪もまだ多く残っていたそうである。冷えは睡眠に、いや体にとって大敵... -
ねむりの部屋 Vol.6 あたたかい布団にくるまって眠る
秋本番。涼しさから寒さに変わるのがこの季節だ。あたたかい布団で気持よく眠りたい、そう思う方は多いだろう。それではこの「あたたかい」とは「暖かい」布団なのか「温かい」布団なのか、どちらなのだろう。 どちらでもいいじゃないか、といえば... -
ねむりの部屋 Vol.5 リネンを求めてリトアニアへ
リトアニアといってリネンをイメージする人は少ないだろう。バルト三国の中で最も南のこの国との関係は、第2次世界大戦の際に本国の訓令に逆らって通過ビザを発行し何千人ものユダヤ人の命を救った当時のリトアニア総領事・杉原千畝が有名で、首都ヴィリニ... -
ねむりの部屋 Vol.4 ひかりとあかりー眠らない子どもたち
「蛍の光、窓の雪」-蛍雪の功といっても知らない世代が増えている。受験勉強は現代の問題だけではなかった。中国では古くから科挙と呼ばれる官僚登用試験があり、進士への及第を目指し、寝る間も惜しんで苛烈な勉強を行ったという。蛍雪とまでは言わない... -
ねむりの部屋 Vol.3 夏が来れば思い出す
その昔、夏になると布団の仕立直しをするというのが主婦にとっては大きな行事であった。といっても私自身それを見たことは無く、お客様とのお話しに出てきたことだから、せいぜい昭和40年ぐらいまでのことである。 布団の側を解き、綿を打ち直す。... -
ねむりの部屋 Vol.2 夢(ゆめ)か、現(うつつ)か、夏の夜の夢
日本の夏は蒸し暑い。湿気が多いから不快指数はぐんぐん上がる。夜はなかなか寝付けない。寝付いても眠りは浅く、意識は夢と現実を行き帰りする。気がつくと朝で、褥は汗でびっしょりとなる。頭はぼーっとして、寝たのやら寝てないのやらはっきりしない。... -
ねむりの部屋 Vol.1 抱き合って眠るの
かつては、結婚するときに揃える布団やベッドはダブルが当たり前という時代があった。それは神田川の三畳一間の延長にある二人の世界を象徴していたのだろうか?それは一方で、6畳の部屋に婚礼箪笥を入れると、ダブルしか使えないという現実的な事情もあ...