睡眠中は体を休息させるために体温は低下する
睡眠中は脳や体を休息させるために、代謝量を減らすために体温が低くなりま。この深部体温は1.5~2℃ほど低下しますが、その体温を下げるために入眠前には毛細血管を通じて、体内の熱を外へ逃がします。赤ちゃんや子供のほっぺや手足が暖かくなると眠いというのは、このしくみからなのです。
逆に冷え性などで手足の血行が悪いと、深部体温がなかなか下がらないので、寝つきが悪くなります。寝付きを良くするためには、睡眠前から睡眠への体温の温度勾配を上げることが1つのポイントです。例えば、軽い(汗をかかないほどの)運動をする、熱すぎない風呂に入る(入浴剤で血行を促進する)、血行を促進する食物(カプサイシン等)を摂るなども対策の1つです。
最初のノンレム睡眠時に最大の発汗&成長ホルモンの分泌
体の修復や疲労回復をつかさどる成長ホルモンは最初のノンレム睡眠時に最も多く分泌されます。このときに深部体温を下げる意味もあり、発汗が一番多くみられます。通常発汗は睡眠深度に比例しますのが、発汗に対して十分な吸湿性がないと寝床内の不快指数が増大し、睡眠が十分に得られません。その結果成長ホルモンの分泌も抑えられることになるといわれます。
睡眠にはいると、体温は均等になる
通常体温は、体や頭の部分が高く手足は低いのですが、睡眠に入ると深部体温が下がるために体や頭の体温が下がる一方で、末梢にあたる手足の温度が上がります。結果的に、足のムレ感が出やすくなります。
つづき
体内時計のしくみと睡眠
ヒトは間脳の視床下部にある視交叉上核が生体時計の働きをもっています。目から入った光の信号は、視神経→視交叉上核→上頚部交感神経節→松果体に達します。
夕刻から夜間にかけて松果体で産生されるメラトニン量が増大すると...
睡眠教育ハンドブック「睡眠教育のための生活指針」滋賀医科大学睡眠学講座・滋賀大学教育学部発行
「快眠ライフと睡眠学」滋賀医科大学睡眠学講座発行 より引用・抜粋