マザーグース、マザーダックという偽装の疑惑

グース8

そんなに多くマザーグースやマザーダックがいるのかという疑惑

さて、フランス産羽毛表示なのに中国産が使われていたなどの産地偽装は、前々から行われてきたわけですが、今回の新聞報道によって表に出てきました。もう一つやっかいな表示偽装の疑惑があります。

マザーグースやマザーダックという表示があります。卵を産むために質の良い鳥が親鳥として選別されます。これらの鳥は体格も優れていて飼育期間も長いので、採取された羽毛は非常に良質であるという説明がなされています。この説明自体は確かに正しいのですが、それでは日本国内で出回っている結構な量のマザーグースやマザーダックは本当なのかというとかなり疑わしいというエントリーを先日行いました。

Q:マザーグースとかマザーダックって本当に良いんですか?
2016.4.27 2016.12.23 追記 マザーとは卵を産む親鳥のことです 羽毛にマザーグースとかマザーダックという表示がしていて、親鳥だから羽毛が良いと説明されているケースがかなりあります。しかし、眠りのプロショップSa...

正直申し上げて西川(西川産業、西川リビング、京都西川、昭和西川それぞれの会社は別会社ですが西川の一統です)の商品ラインアップにもマザーグース(あるいはエッググース)という表示があります。

これらは、幅広い羽毛布団のラインアップの中でもトップクラスに位置づけられています。しかし、あまりに多いマザーグースという表示。西川に限らずほとんどのメーカーの製品にマザーグースやマザーダックという表示を見ることができますが、やはり、これらも通常のグースやダックに対して高品質な上位商品とされています。

けれども、こんなに多くマザーグースやマザーダックがいるとは考えられません。上のエントリーにも述べたように、ライブプラッキング(生きた状態で羽根の生え替わり期に手で採取すること、ハンドプラックング、ハンドピックとも呼ぶ)が禁止された今日、親鳥から羽毛を採るとすれば、と殺した後に得るしかありません。過去なら毎年2回採取できたものが、通常3~4年育てる親鳥から羽毛を得るチャンスは一度しかないはずです。

もちろんライブプラッキングをすればマザーグース・マザーダックを手に入れることはできますが、特にヨーロッパでは鳥に残酷なことをしない、健康な状態で育てるということが求められている以上、高品質なダウンにおいてライブプラッキングをしているとすれば、モグリの業者としか言えない状況です。

2016/5/13補足 さらに追記

河田フェザーから、原産地証明書が送られてきました。もともとシルバーグース用のものですが、そのインボイスの中で同時入荷した羽毛リストの中にHUNGARIAN MOTHER GOOSE DOWN と書かれています。河田フェザーさんなので、へんな業者からは買っていないはずなので、このMOTHER GOOSE DOWNがいかなるものか確認中です。(ここまで午前中)

先方からの指摘で、よくよく見ればMOTHER GOOSEとか HARVEST(ハンドプラッキング)の表示があったのは2011年の分でした。2013年のにはありませんでしたので、ちゃんとなっているということだと理解しました。引き続き調べています。

2016/10/25 さらに追記

別の情報から、ポーランドではマザーグースはライブプラッキング(ハーヴェスティングと言っています)を行っているようです。これは伝統的に行われていて、羽毛の生え替わり時期に負担をかけずに行っているからということで、政府が認めているのだという情報です。

これらの羽毛がダウンパス承認を得られるのかというと、これも不明です。

2016/12/23 さらに追記

河田フェザーさんが来られて、現状の説明をいただきました。結局マザーグース農場においてはハーヴェスティングと呼ばれるライブプラッキングは行なわれているということです。それ以外は、と殺後のプラッキングです。それでも実際にマザーグースの量は非常に少ないということでした。

市場ではマザーグース表示を行いたいという要望が強いらしく、この1月からの価格表にはマザーグースが復活しました。もっとも、同じ440dpで通常のグース表示とマザーグース表示、もちろんマザーグース表示の方が価格は高いんですが、意味があるのかというと・・・どうなんでしょうね。

プレミアムグースと表示すればいいだけではないのか

ごく一部であるがマザーグースは存在するとは思います。ただ、それが存在し良質であるなら440dp(ダウンパワー)以上(プレミアムゴールドラベル)は必要でしょう。しかし、マザーグースでなくても440dp以上ある羽毛は少なくありません。別にマザーグースと表示しなくてもいいのではないでしょうか?

また、マザーグースであることの証明をどうするのでしょうか?(餌もDNAも同じですので、検査で調べることは非常に難しいのではないかと思います)

良質なダウンをマザー云々と表示するより、例えばグースなら440dpのプレミアムゴールドラベルクラスならプレミアムグースと表示すれば良いだけなように思います。

そうすれば400dpでマザーグースというばからしい表示をする業者も減るでしょう。

私どもが仕入れている河田フェザーさんも、かつてはポーランドマザーグースという表示をされていました。その原料を仕入れていましたので、私どもも「ポーランドマザーグース」という表示をして販売してまいりました。しかしながら河田フェザーさんが、トレーサビリティを確保するために、マザーの表示は止められました。

本来そうあるべきだと思います。

追記 西川産業さんへ

このままでは西川がマザーグースを偽装していると誤解をうけそうな部分もあるので、西川の名誉のために補足します。西川のなかでも西川産業(東京西川)は、一番真面目に製品作りをしているメーカーだと日常感じています。特にカタログに載るような定番品については、毛布やカバーなども非常にしっかりした高品質なものづくりで、この価格でこの品質をよく実現している、と思うことも少なくありません。

偽装報道で5/9にTBSの番組「ひるおび」にコメンテーターとして出演した際にも、CMの間に、もし迷ったら西川産業の製本されたカタログに載っている製品の中から購入したら選んでいただいたらいいでしょう、と他のコメンテーターの皆さんにお伝えしたぐらいです。

このことを考えると、西川産業は本当のマザーグースを使っているのかもしれません。しかし他の3社の中には430dpでマザーグースを称しているケースもあるなど、「本当かいな」と思われる部分もあります。消費者からみれば「西川」は一緒ですから、「うちはちゃんとやってる」といっても、一緒にされてしまう危険性があります。

ならば、マザーグースというリスクの高い表示をしないように、グループで足並みをあわせるようにすればいいのではないかと思うのです。業界の健全な発展のためにも。

これをきっかけに、ダウンパスの取得をなさったらいいのではないですか?