テレビのCMなどでも多いのですが、マットレスの上にシーツをかけて、そのまま使って下さいといわんばかりの映像をしばしば見ます。実際にお客様とお話ししていても、上の画像のような本当のベッドパッドと、同じように四隅がゴムになっていて、しばしば「汗取りパッド」といった名前で量販店等で販売されているものを混同される方が少なくありません。
ベッドパッドは布団、敷パッド(パッドシーツ)はシーツ
ベッドパッドと汗取りパッドは、同じパッドという名前、形もよく似ていますが、実はベッドパッドは布団の一種であり、汗取りパッドはシーツの一種と、機能が異なるのです。ですから、ベッドパッドはシーツをかけて使いますし、汗取りパッドはそのまま直に使って丸洗いします。
敷パッド(パッドシーツ)は直に使って、皮膚近くの温湿度を調節します。ベッドパッドを使って基本的な機能を満足させた上で、さらに季節に合わせて、夏なら麻などの熱がこもりにくいものを、中間季節ならパイルやガーゼなどの、表面の吸湿性が良いものを、冬ならウールなど保温力を高めるものを選びます。
温度と湿度を調節するために必須なのがベッドパッド
ベッドパッドは敷布団の延長です。一晩に200~400ccといわれる発汗・不堪蒸散の湿気を吸い発散させて、快適な温湿度を調節するのが役割です。
ウールの場合、ベッドパッドだとシングルサイズで1.5kgの羊毛わたが必要とされます。一晩に発散される汗や水蒸気を吸うにはこれぐらいの量が要るのです。敷パッドシーツでは薄いので、汗の吸湿発散が不十分です。
つまり、ベッドパッドは敷布団なので必なる必要なものであり、敷パッドはシーツとして補助的に使用するものなのです。
快適な睡眠環境-温度33℃湿度50%を実現する
なぜか?まず、マットレスに必要な機能をもう一度おさらいしてみて下さい。
この中で、快適な睡眠環境である温度33℃湿度50%を維持するには、汗を素早く吸って発散し、適度に温度を調節することが求められています。
通気性の悪い低反発ウレタンは特に蒸れる
例えば、そう低反発ウレタンのマットレスを例にしてみましょう。低反発ウレタンは、ウレタンの中でも通気性があまり良くありません。しかも、特に夏場だと柔らかくなって身体にフィットしますから、体表面からの発汗を十分に吸い取ることも、その汗を発散することも苦手です。人は一晩にコップ一杯、夏ならその2~3倍の汗を通常は不堪蒸散という、水蒸気の状態で発散します。吸湿発散の悪いウレタン素材では、身体が蒸れて不快になり、睡眠は阻害されるのです。
ウールのベッドパッドがベストです
ですから、身体とマットレスの間には、汗を吸収発散させ、適度に温度を調節してくれる、ウールのような素材を使ったベッドパッドが必要なのです。ここで重要なのは素材です。吸湿発散性に最も優れて、蒸れのない快適な睡眠を得るにはウールが最適です。ベッドパッドの中にはポリエステルわた入りというものもありますが、ポリエステルわたでは発汗を吸いきれませんから、本来の機能を得るためには要注意です。木綿わたは、水分の発散が苦手です。
快適な肌とマットレスの状態を作るには、このようなベッドパッドは必ず必要となります。時にその中でもおすすめなのがビラベック社のウールベッドパッドとウール敷布団。理屈抜きで快適です。
お手頃価格でウォッシャブルタイプのウールベッドパッド、ウール敷ふとんも用意しています。
汗取りパッドといっても、中わたはポリエステルなのがほとんど
一方、汗取りパッドはシーツの代わりと考えてください。しかし、これも中わたにはほとんどポリエステルが使われています。何度も言いますが、ポリエステルは汗を吸いませんし、熱がこもりやすくなるという欠点があります。中には中空繊維で吸汗タイプと呼ばれるものもありますが、ノンレム睡眠初期の急激な発汗には対処できないのがほとんどです。
中わたに天然素材(麻や綿)を選ぶことが重要
中わたが脱脂綿や麻などの汗取りパッドにしましょう。それでも、ベッドパッドをした上でのプラスアルファの要素としてです。
質の高い睡眠は天然素材から生まれる
眠りのプロショップSawadaでは、ウールのベッドパッドや敷布団をおすすめしています。夏には、さらに涼感を高めるためにも熱伝導率が良く、熱を逃がす麻生地と麻わたの本麻クール敷パッドを、冬にはウォッシャブルウールの敷き毛布やムートンシーツと組み合わせて、季節に応じた自然素材を選んでいただくようにしているのです。