先日テレビ通販を見ていたら、有名メーカーの羽毛布団が出ていた。説明していたそこの社員さんが、羽毛の嵩が10%しか違わないのに倍以上違うかのように見せている。一流メーカー自身が酷い情報操作をしていたので、怒り心頭でブログに書き連ねたのだが、落ち着いてみると実は情けい話である。自分自身で羽毛布団を三千枚以上手作りしてきたので余計に思うのだが、プロの矜持はどこへ行ってしまったのだろうか。
そんなこともあり、理想の羽毛布団とはどういうものなのか、を改めて考えてみた。この命題を突き詰めると①羽毛の質と②側生地と仕立て方法の2つの問題にぶち当たる。実は羽毛布団の使い心地は80%側生地と仕立て(羽毛の量も含む)で決まることはご存じだろうか?例えば最高級のアイスランド・アイダーダウンを使ったとしても、側生地がビニールみたいな側生地では、羽毛自身が呼吸できないので、羽毛の良さが活かせない。実は一番重要なのは生地の通気性と重量なのである。
結論から言えば、軽くて通気性の良い生地が望ましい。突き詰めると綿100%の平織となる。実は羽毛布団の本場ドイツではほとんどがそうなっている。日本で多いポリエステル混の生地は、ドイツでは一番安い品であってもほとんど使われることはない。ポリエステルが混ざると通気性がどうしても悪くなる。特に湿度の高い日本では、蒸れて不快感が増すのであまりおすすめできない。
そして、通気性の良い生地には、ホコリの少ない、特に手選別でより分けられた羽毛が必要となる。なぜかというと・・・残念ながら紙面が尽きてしまった。続きはブログをご覧いただければと思う。羽毛布団に限らないが、良質の天然素材を使って真面目に丁寧に作る、というのが使って気持ちの良い快適な布団を得ることになるのである。
ねむりはかせ 沢田昌宏