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Q:カビを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?

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寝具のカビは1~2月に多いのはなぜ?

毎年1~2月に、特に敷寝具やマットレスからカビが生えたとご相談を受けることが多くあります。ご購入時には、カビ防止については念入りにご説明させていただいているのですが、それでも対策をうっかり忘れてというケースが多いようです。

カビの発生というと蒸し暑い梅雨時期などのイメージがありますが、寝具の場合は厳寒時期に多く発生します。冬は乾燥しているはずなのになぜ?と思われる方も多いと思いますので、そのメカニズムを説明しましょう。

気温が低いと結露しやすく、カビ発生の原因になる

相対湿度と絶対湿度のしくみを理解する

湿度には相対湿度と絶対湿度があります。一般に天気予報などで使われる湿度は相対湿度で%で表示されます。

一方、絶対湿度は空気中の水蒸気量をg/㎥で表します。飽和水蒸気量というのはある温度における空気が含むことができる最大の水蒸気量で、この状態が湿度100%といえます。

湿度がこの飽和水蒸気量を超えると結露をすることになります。この飽和水蒸気量は温度が高いほど大きくなります。つまり、同じ湿度でも温度33℃と温度10℃では飽和水蒸気量が4倍も違うのです。

布団が結露して、カビがはえやすくなるしくみ

下図をみてください。ヒトの体表面温度は32~33℃、つまり寝ているときに布団の温度は33℃に近くなります。この時に快適といわれる湿度50%だとしますと、その状態での絶対湿度は0.016となります。起きて布団の温度がさがってくると、約21℃で湿度が100%つまり飽和水蒸気量一杯になります。さらに10℃まで下がると飽和水蒸気量は0.008になりますから、その差が結露、つまり液化して、布団が湿気るのです。

カビが生えやすくなるのは湿度80%以上。つまり気温が低い冬ほど、結露や湿度が高くなりカビが生えやすいのです。特に背中からの発汗が多いので、この部分は要注意です。

湿気が多い布団は入眠しにくい

さて、そのままの状態で夜になったとします。布団は湿度100%近く+布団の中に湿気があります。この状態で布団に入ると、ヒトの体温で徐々に温まってきますが、湿気が多いために、湿気を水蒸気化することに身体の熱量を奪われます。なかなか暖まりません。

眠りのしくみから、入眠するには最初に布団や身体は暖かい方が良いこと、最初の眠りで多く発汗することが分かっています。このことから湿気が多いと布団が暖まりにくく、発汗する汗を吸湿することが難しくなり、結果寝床内の湿度が上がって不快指数が高くなります。

布団を乾かすことが大切

上の図で、仮に乾燥機等を使って湿気を半分以下にしたとします。この時10℃で湿度は90%程度と仮定すると、寝具は快適ゾーン(寝室の温湿度)を通りながら33℃近くまで暖まります。つまり、湿気がこもったままの状態の布団とは、快適さがまったく違うのです。

有効なのは布団乾燥機です。最近は簡単にノズルだけで乾燥できるものが増えています。また、敷寝具の下に電気敷き毛布を使い、寝る前に温めて湿気を取り除く方法もあります。この場合、入眠と共に電気毛布は切るか、低温にします。

天然素材と天然素材が接する部分も要注意

天然素材は吸湿性があるため、眠りにとっては非常に有効な素材ですが、逆に素材が湿気を含むために天然素材と天然素材が接する部分はカビのリスクが上がります。通気性を十分確保することが大切です。

カビを発生させないためには

1.できるだけ高い位置で寝る(ベッドがおすすめ)

部屋の温度は床面が最も低く、上になるほど高くなります。冷たい床面に直接敷寝具を敷いて寝ると、湿気やすくカビが生えます。特に、水分の逃げどころの無いフローリングに密着度の高いウレタンマットレス、綿の敷布団などは顕著です。ベッドのように床面から上げることで結露しにくくなります。

2.体表面で汗をできるだけ吸湿発散をする

マットレスだけで床に寝ている方に多いのですが、水分がそのまま床へ行ってカビが生えやすくなります。吸湿発散性に優れたウール100%の敷ふとんやベッドパッド、脱脂綿でできたパッドシーツ(パシーマやピュアコットン)を組み合わせることで、体表面から発散される発汗をできるだけこの層で受け止め、同時に発散を図ります。

3.床、あるいはベッドの床面と敷寝具の間に空気の層を作る

ナチュールフレックス

例えば上のように、中が空気層になったウッドスプリングは効果的です。当店オリジナルの3レイヤーマットレスⅡも内部構造が3層になっていて

一番下の部分は空気層の多い素材を使っているため、湿気のこもりがすくなくなります。

ハニカムシートなども空気層を作ってくれますので有効です。

すのこも良いのですが、木の面積が大きい物はスノコでもカビが生えますので要注意です。

4.吸湿素材を敷と床の間に敷く

吸湿機能のあるシートを、床の上に敷いて、その上に敷寝具を載せます。上のハニカムシートと同じような使い方で、湿気が多い部屋は併用した方がいいでしょう。

このような吸湿パッドはセンサーが付いていて、色が変わると目一杯吸ってしまったので、干すことが必要です。これを忘れると吸湿パッドいえども、機能を果たせません。

上の画像の場合、画像通り使う場合と、その下のマットレスとベッドの間に使う場合の2種類あります。どれが良いかは、お使いになる敷寝具やマットレス等によって異なりますので、ご相談下さい。

5.ふとん乾燥機、電気敷き毛布を使う

最近は簡単にノズルだけで乾燥できるふとん乾燥機が増えています。また、敷寝具の下に電気敷き毛布を使い、寝る前に温めて湿気を取り除く方法もあります。この場合、入眠と共に電気毛布は切るか、低温にします。

自前に布団を暖めておくと入眠もしやすくなります。

6.サーキュレーターをベッドの下に使う

昨今の住宅は高気密高断熱、ということは湿気が逃げにくい構造になっています。カビが生えやすい状況は、部屋の位置によっても異なってまいります。湿気やすいと思ったら、ベッドの下にサーキュレーターを使って、空気を循環させるようにしてください。夜うるさいと思ったら、昼間だけでもいいです。これは、冬だけに限らず年間試みてください。

 

カビ対策は何重にも慎重に

カビは一度生えてしまうとなかなか取れません。できるだけ、こまめに点検して、上記の対策を何重にも行ってください。見えないけどカビが生えていて、2~3日で一気に増殖するというケースもあります。

 

 

 

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