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Q:子ども(乳児・幼児)を良く寝かすにはどうしたらいいでしょう?

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乳児や幼児がなかなか寝付かない、眠りが浅くてすぐ起きるので困っているというご質問です。

目次

解決の基本的な考え方:吸湿発散性の良い寝具を使う

乳児や幼児は非常に汗を多くかきます。これは基礎代謝量が大人の2~3倍あるためです。快適な睡眠環境は温度33℃湿度50%ですから、大人が考えている以上に暑がっていることが多いので、吸湿発散性の良い寝具を使うことが最も重要です。

動物性繊維のウールやシルクがベスト。綿はその次

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ケンブリッジ大での実験結果でウールふとんで寝かせた乳児の方が成長が早いとあります。この原因としてウールやシルクなどの動物性繊維の方がヒトに近いために温湿度調節が上手くいくこと、お母さんの肌と似たタンパク質アミノ酸なので赤ちゃんが安心するということから、よく眠れるのだと考えられます。

質の良い睡眠は成長ホルモンを多く分泌しますから、成長が早くなるという訳ですね。

ポリエステルやフリースはもってのほか

その次に吸湿性に優れているのは綿素材です。ただ綿は汗はよく吸いますが、ウールやシルクと違って自然になかなか放出しません。ですから、良く干して乾燥させることが大切です。お日様に干して乾燥した綿素材の気持ちよさは誰もが実感していることです。

ポリエステルやフリースなどの合成繊維は基本的に汗を吸いません。吸湿する繊維もありますが、睡眠時の急激な発汗には対応できないものが多いのです。巷に販売されているベビーふとんやジュニアふとんはほとんどがポリエステルわたで作られていますから、成長しなければならない子どもにとっては最悪の睡眠環境といえます。

丸洗いができるとか、ハウスダスト対策はその後に

ポリエステルわたの布団を選ぶ理由として「丸洗いができて清潔」「ホコリがでないのでハウスダスト対策に良い」といわれます。しかし、成長を阻害してしまっては元も子もありません。3歳までは脳と身体を育て上げる大切な時期ですから、できるだけ身体に優しい天然繊維を使うことをおすすめします。

アレルギー発症とハウスダストの量はあまり関係がない

しばしばアレルギーの発症を心配して、ハウスダスト対策の布団やカバーを使う方があります。典型はダニ防止といわれるミクロガードに代表されるポリエステル高密度織物のカバーです。たしかにダニの出入りは出来ませんが、ものすごく蒸れます。本末転倒の典型でしょう。アメリカの学会でもハウスダウトの要素とアレルギーの発症は相関性がないと発表されています。もちろん一旦アレルギーが出てしまえば、それなりの対処は必要です。その場合でも、吸放湿性の良い寝具を選ぶことが大切です。

ベビー寝具の選び方

ベビー布団のベストはウールです。ベビー布団はなかなか干せないので、乾燥の早いウールが素材として最も適しています。これにガーゼと脱脂綿で出来たパシーマなどのケットやパッドを組み合わせてください。

敷布団には湿気がこもりやすい反面、あまり干すことができません。ハニカムシートなどで敷布団下の通気性を確保することが大切です。

乳児と幼児の睡眠の特徴

これには大きく3つの要素があります

1.基礎代謝量が高い(よく汗をかく)
2.レム睡眠が多い
3.レム睡眠時に身体が動く

基礎代謝量が高い

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乳児や幼児の基礎代謝量は成人の2~3倍になります。その分多く汗をかきます。子どもが汗かきなのはこのためで、これは身体を成長させるためです。

身体を成長させる成長ホルモンはノンレム睡眠で分泌される

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成長ホルモンは睡眠初期の深いノンレム睡眠(徐派睡眠)時に分泌される、子どもにとっては文字通り身体を成長させる大切なホルモンです。眠りが浅いと成長ホルモンの分泌は少なくなりますから、深い睡眠を得るためには、快適な寝具や睡眠環境が必要となります。特に睡眠初期には発汗が非常に増えますから、その意味でも寝具の吸湿発散性が重要となるのです。

レム睡眠(脳を創る睡眠)が多い

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レム睡眠は脳に入ってきた情報を整理する睡眠で、脳を創る睡眠といわれています。このため、レム睡眠時にヒトは夢を見るといわれます。50代の大人がレム睡眠は15%しかないのに比べ、乳児や幼児は30~50%と非常に多いのも、さまざまな覚えることが多いからです。

三つ子の魂百までということわざは、この幼児期のレム睡眠で固定化される行動様式が一生影響を与えることを指しています。

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また、レム睡眠がないと学習結果が定着しないとう報告があるように、子どもにとってレム睡眠は非常に重要なのです。

レム睡眠時に身体が動く

子どもは寝ている間に身体がよく動きます。寝ぼけたりもします。これは大人ではレム睡眠時に遮断されている身体の運動機能をカットする機能が、十分に働かないためです。レム睡眠時は脳が働き、夢をみたりしますから、その通りに身体が動かないように運動機能を低下させるしくみがヒトには備わっています。

 

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