子ども向けに量販店で羽毛布団を買ったのですが、直ぐに布団を跳ねてしまい、私たちの布団の方が気持ちが良いのか入ってきます。どうしたらいいんでしょうか?
原因は羽毛布団の側生地の通気性が悪いから
お問合せのあったお客様ご夫婦はご結婚の際に、当時で通気度2.0ccで93g/㎡という、軽くて通気性の良いエジプト超長綿の羽毛布団をご購入されていました。お客様曰く、「私たちの羽毛布団は気持ちがいいんですけど・・・」
羽毛には本来、温度や湿度を快適に調整してくれる機能があります。しかし、生地の通気性が悪いとその機能は活かされません。極端な話、羽毛布団の生地をビニールで作ったら、羽毛は一切呼吸できませんから、羽毛を使う意味がありません。
子どもは基礎代謝量が大人の2~3倍。汗をたっぷりかきますから、通気性の悪い生地を使っていると、たとえ羽毛布団であっても、蒸れて快適さが失われます。もちろん、ポリエステルわたの布団は汗を吸いませんから、それ以上に不快な布団となるのです。
羽毛の良さを活かすには通気性が非常に重要なのです。
ポリエステルわたのような吸湿性の悪いふとんは、さらに蒸れやすい
一方、丸洗いできる等のメリットを活かして、低価格のポリエステルわたを使った布団が多く出回っています。情けないことに、日本で最大のメーカーのベビー布団やジュニア布団はポリエステルわたがほとんどです。
しかしながら、ほとんどのポリエステルわたは、入眠時の急激な発汗に対応した吸湿性を得ることはできません。吸汗ポリエステル素材もありますが、汗を吸うのに時間がかかります。
吸湿性の無いポリエステルは乳児や幼児などのお子さんに使ってはいけないのです。
代謝量の大きな子どもに最適な布団とは?
吸湿性と保温性のバランスがとれた布団が必要です。例えば木綿わたは吸湿性が良いのですが、発散性があまり良くありません。木綿わたを使う場合はこまめに干したりふとん乾燥機をつかうなど常に乾燥した状態にする必要があります。
軽くて通気性の良い綿の生地を使った羽毛布団
当店のSB80生地は通気度2.6cc以上で軽量なため乾きやすいのが特徴で、コストパフォーマンスもいいので、こちらをおすすめします。
仕上げの厚さは中厚クラスで、場合によっては合掛けでも良いでしょう。このあたりの最適な仕上がり厚さは、住環境や性別等で異なりますので、ご相談下さい。
キルティングは5×6がベストです。キルティングが多いと、通気性も向上します。
ニット生地を使った羊毛100%の掛布団
ビラベックのように通気性の良いニット生地を使った羊毛100%の掛布団もおすすめです。吸放湿性は羽毛布団より上まります。そのかわり、へたりやすいのが欠点といえるでしょう。
ガーゼ生地を使った真綿布団
嵩はありませんが、真綿の場合はホコリが少ないのが特徴です。側生地もシルクサテンのようなものでなく、綿100%のガーゼ生地の方が真綿の良さをいかします。
パシーマの併用をおすすめ
ガーゼと脱脂綿でできたパシーマは、子どもたちには最適な補助寝具。ポリエステル寝具を買ってしまったという方も、パシーマを使うことで最低限の吸放湿性を確保することができます。
一番大切な育ち盛りだからこそ、子どもに良い寝具を
残念なことに、「すぐに大きくなるから」「おねしょをしたり汚すから」などの理由で、日本の子どもたちは人生の中でもっとも悲惨な寝具を使わされているというのが現状です。
しかし、特に乳児から幼児、そして少なくとも中学生までは、快適な寝具を使っていただきたいものです。
良質な睡眠が健全な脳と健全な身体を創る
脳を創るのはレム睡眠、身体を創るのはノンレム睡眠といいます。3つ子の魂百までといいますが、脳の大きな成長期は3歳ぐらいまでがピークでレム睡眠がポイントに、そして高校生まではノンレム睡眠時に分泌される成長ホルモンで、身体が育ちます。
快適な睡眠サイクルを得るには、特に蒸れにくい寝具を選ぶことが大切なのです。