21世紀に残された最大の謎「睡眠」
「睡眠は21世紀に残された最大の謎の一つで、たとえばノンレム睡眠とレム睡眠はなぜあるのか、そうしてスイッチされるのかさえまったくわかっていません。20年前にこの研究を始めた時、20年後には一山越えると思っていましたが、まだ小さな山を越えただけで、これから何十年かかるかわかりません。(中略) 睡眠の異常というのは、この10年から20年の間に認識されてきて、文明社会の5人に1人、あるいは4人に1人は睡眠に問題があるといわれています」(滋賀医大ニュース2006年発行第9号巻頭対談で大阪バイオサイエンス研究所理事長 早石修先生の発言から引用)
日本の医学界の重鎮といわれる早石先生がこうおっしゃるのですから、一介のふとん屋がえらそうに薀蓄をたれるようなことではないのかもしれませんが、睡眠に関する情報はまだまだ多くが知られていません。さらに、そういった睡眠科学の知識をどのように生かしていくのか、快眠できるための睡眠環境づくりをどのようにするかは、一部大手の松下電工やダイキン工業などでは取り組みをなされていますが、全体としてはまだまだです。寝具にいたっては幼稚園を卒業できたかな、というレベルではないでしょうか。
睡眠と睡眠環境に関する研究
大きく分けると睡眠医学系と睡眠環境工学系の2つに分けることができると思います。
日本睡眠学会は睡眠医学の立場からの研究が多く、医学者がほとんどです。日本睡眠教育機構の宮崎教授も睡眠学会の主要メンバーをなさってます。また、日本生理人類学会や日本心理学会等のいくつかの学会でも取り組みが行われています。
一方、日本睡眠環境学会は人間工学的に睡眠環境を考えようというアプローチです。睡眠と寝具や寝室との関係、寝具の性能評価などが研究されています。