羽毛布団の取り扱いとメンテナンス

羽毛布団に使われる羽毛は、良い品質であれば50年ぐらい十分に使うことができます。しかし、靴を想像して下さい。どのように良いモノでも、手入れが不十分だったら長く使うことはできません。

羽毛布団の使い方

必ずカバーをかけて使い、カバーを定期的に洗うこと

カバーをかけて使うことです。当たり前のように思われていますが、カバーは布団の汚れを防ぎ、長く使うためには必ず必要です。また、カバーはこまめに洗いましょう。あまり洗っていないカバーをかけた羽毛布団を見ることがありますが、カバーの汚れが羽毛布団に移って、かなり汚い状況になります。

カバーの種類で使い心地、睡眠の質が変わる

一口にカバーと要っても、その材質や織り方などによって、使い心地は一変します。冬なら、起毛タイプや多重織りのガーゼなどが暖かいですし、夏はリネンなどの麻素材や、ボイルなどの通気性が良く軽いモノが適しています。

逆にポリエステル混や重い風合いの悪いカバーは寝心地を損ねます。

羽毛布団の側生地とカバーの関係

眠りのプロショップSawadaはこう考えます。1.羽毛の良さを最大限に活かす、軽量で通気性の良い生地を使うこと 2.人の肌にふれるところは、体質や季節に合わせた、官能評価の高いカバー素材を使うこと この組合せで、快適な睡眠環境を実現することができるのです。

裏表、上下があるものは方向を確認して使う

羽毛布団の中には、裏表があるもの、上下があるものがあります。例えば、ふっくら仕立てとなる二層式のCONキルトは裏表が決まっています。

眠りのプロショップSawadaは、この場合3×5マスとなる面を上(表)に使うことで、身体にフィットするように、それぞれのマスに入れる羽毛の量を調整しています。逆に使うと、本来の良さが活かされません。(CONキルトは上下の区分はありません)

上下、つまり襟元が決まっているキルティングもあります。ただ、最近では少なくなりました。逆に通常の羽毛布団は定期的に上下を入れ替えて使うようにした方が、汚れが偏りません。

毛布は天然素材を肌側に、重い毛布は使わない

昨今の高断熱住宅では、毛布を使用する方も減ってきていますが、冬の補助寝具としてまだまだ使われています。しかし、正しい使い方をされているケースが多いのです。

Q:毛布は布団の上ですか?下ですか?
テレビで毛布は布団の上に掛けるといわれたが あるテレビ番組で毛布は布団の上に掛けるものだと紹介されていました。つまり上の画像のように布団の上に掛けるということになります。 しかし、かつては毛布は布団の内側に掛けるものでした。つま...

羽毛布団の場合は、ウールやカシミヤ、シルクなどの動物性天然素材を肌側に使うことをおすすめします。綿毛布でも構いませんが、保温力が低下し、羽毛の湿度調整機能を損ねるケースがありますので、動物性繊維の方が優れています。

羽毛布団の干し方

「羽毛布団は陰干しで」と云われてきました。私たちも羽毛布団普及の黎明期には、そのようにお話をしてきました。それは、当時木綿わたのふとんを毎日のように干すということが一般的だったからです。今日では、羽毛布団に含まれる湿気を減らすためにも、日干しをおすすめしています。

カバーをかけたまま日干しをする(両面各30~60分)

日干しは月に1~2度、天気の良い日にカバーをかけたまま片面30~60分、両面かけてください。カバーをかける理由は、昨今では花粉やPM2.5などアレルゲン物質が多いため、それが布団に付着することを防ぐためです。布団を干した後にカバーを洗って下さい。もちろん、布団たたきは厳禁です。

ふとんの干し方
ふとんを干す目的は除菌でなく乾燥 除菌スプレーのCMで、「まるで日光に干したよう」な表現がありますが、これは大きな間違い。ふとんを干す第一の目的は乾燥です。もちろん、日光に当てることにより殺菌される作用がありますが、干した布団が気持ち...

日干しには、布団側の湿気を取り除いて、殺菌をするという役割もあります。

日干しができない場合は、陽当たりの良い室内に拡げて干してください。この場合はカバーは不要です。

ふとん乾燥機を使う

日干しがしにくい冬はふとん乾燥機がおすすめです。できれば、就寝直前の1時間で乾燥機を使うことをおすすめします。

これによって布団が乾燥するだけでなく、暖まりますので、寝付きが良くなります。得に冷え性の方にはおすすめです。

最近は、バルーンを使わず温風を直接送る、手軽なタイプのふとん乾燥機が出ていますので、このようなタイプがおすすめです。

象印商品を紹介しているページです。

ときどき掃除機を軽くかける

羽毛の品質にもよりますが、低級品の羽毛はダウンファイバーと呼ばれる羽毛ゴミが多く含まれます。ダウンであっても、使用しているうちに壊れてダウンファイバーになっていきます。羽毛の縫い目にはこのようなゴミがたまりやすくなりますので、定期的に掃除機をかけてください。ブラシを付けて縫い目に沿って掃除機をかけ、ふとん用ヘッドで軽くかけます。

ダニは羽毛布団の生地を通過できない

しばしばダニが問題になりますが、羽毛布団に使われる生地ではダニの出入りはできません。ということは、出ることも入り込むこともできないのです。従ってダニ対策とかUV対応などの布団掃除機は羽毛布団には不要です。どうしても殺菌が必要であれば、布団を干す前に、除菌クリーナーなどを噴霧してください。

寝具のプロから見ると、そこまでする必要はあまり認められません。それより、こまめにカバーを替えて清潔にする方が大切です。

羽毛布団の収納と保管

乾燥させてから収納する

夏になって冬の布団を片付けるときは、一度日干しをして乾燥をさせてから、付属の通気性の良い羽毛布団用袋に収納して下さい。

シングルは3×3、ダブルは4×3に折って専用袋に

羽毛布団の収納の方法は、シングルは横に三つ折して、縦方向に三つ折します。ダブルの場合は横に四つ折して、縦方向に三つ折です。中の空気を抜いて、羽毛布団用袋に入れてください

圧縮袋は可能な限り避ける

ふとん圧縮袋は羽毛を圧縮するために、本来はおすすめできません。収納スペースが原因で使わざるを得ない場合でも、少し空気があるようにしてください。

通気性の良い場所で保管する

保管場所が湿気が多いと、カビや臭いの元になります。押し入れやクローゼットでは上の方にいれるようにしてください。長期的に使わない場合は3ヶ月に1度は、出して干してもらうのがベストです。

臭いがあるばあいは

羽毛特有の臭いがある場合や、新品で臭いが残っている場合は、日干しのあと、風通しのいいところに干してください。それでも取れない場合は丸洗いに出して下さい。羽毛の臭いの原因は、羽毛の洗浄不足です。国内で洗浄している場合は、ほぼあり得ませんが、中国などの粗悪業者だと、洗浄不足で臭いが取れてないケースが多く見られます。

ダックはグースよりも臭いやすいので注意

特にダックダウン(アヒル)はグースダウン(ガチョウ)に比べると油脂分が多く、同じように洗浄しても臭いやすい性質があります。中古羽毛が混入していると酸素計数が高く臭いの原因となります。また、飼育環境が劣悪だと、臭いが強い羽毛になります。何度洗濯しても、臭いが取れない場合は粗悪品です、残念ながら諦めていただいた方がいいでしょう。

良質な環境でじっくり育てられたグース(ポーランドで)

羽毛布団の洗い方と仕立て直し(リフォーム)

3~5年に一度、専用の丸洗いを

いくらカバーをかけても、毎日使う羽毛布団は側や中身が汚れてきます。そのままにしておくと、汚れが羽毛にこびりついてしまい、リフォームをする場合に羽毛の汚れがとれずに、元へもどりにくくなります。

画像は当店でお買上いただいた羽毛布団で、元々が440dpのトップクラスのポーランドマザーグースでした。しかし14年間手入れがなされていないので、側の汚れ以上に羽毛が汚れていて、リフレッシュ洗浄しても元通りにはなかなか戻りません。定期的に丸洗いすることで、羽毛の汚れを洗っておけば、リフォームの際に元通りになりやすいのです。

丸洗いするリスク-羽毛の吹き出し

市場に出回っている羽毛布団のほとんどは、丸洗いに対応していません。例えば蔭山の60サテンは通気度は1.3ccですが、丸洗いすると、ダウンプルーフという吹き止め加工が取れてしまい、通気度が3.7ccになります。中身の羽毛がゴミが少ない良質のモノなら問題はすくないのですが、サテンで通気度3.7ccとなると、ダウンファイバーのようなゴミが吹き出しやすくなります。眠りのプロショップSawadaの定番で扱っている無地は基本的に丸洗いに対応していますが、スポットで入荷する柄物は対応していないものが多いのです。

シルク素材は丸洗いを避ける

シルクやシルク混の生地は基本的に丸洗いはできません。丁寧に押し洗いをすれば可能ですが、通常の乾燥工程では生地にかなりな負担をかけます。リフォームで対応するのが基本です。

丸洗いするなら専門業者への依頼を

最近は布団が洗えるコインランドリーが増えてきました。これらは安い価格で丸洗いする業者と同じ方法です。温風で回転させながら乾燥させるタンブラー乾燥は、生地に負担をかけます。できるだけ専門の業者におまかせすることをおすすめします。眠りのプロショップSawadaでも取り扱いをしているのでご相談下さい

緊急時の対処方法

嘔吐したなどの緊急時は、汚れた部分だけを風呂場などで水洗いして下さい。必要に応じて洗剤を使っても構いませんが、その場合はすすぎを十分にすることが必要です。

洗う範囲が広い場合は、脱水してください。そののちに布団を拡げて形を整え干します。非常に日差しが強い場合は、自然乾燥でも構いませんが、羽毛布団は仲間でうまく乾燥させることが難しい素材です。ドライヤーを使い、ぬれている部分に温風を当てて乾燥させてほぐしながら、全体を乾燥させます。布の近くに当てると、焦げる場合もあるので注意して下さい。

汚れがひどい場合は、とりあえず水洗いをした上で、丸洗いに出して下さい。

10年経ったら、仕立て直し(リフォーム)を

10年以上使った羽毛は 1.側生地が汚れてくる 2.側生地が弱ってくる 3.羽毛が汚れて嵩が減る 4.羽毛が壊れて嵩が減る などの状況になります。表の側生地はそれほど傷んでいないように見えても、中の羽毛は汚れが進み、仕様とともに羽毛が壊れてゴミが増えます。

羽毛布団のリフォーム(仕立て直し)は、古い羽毛を解体し、直洗いと除塵によって羽毛をリフレッシュし、リフレッシュによって減った羽毛を足して、新しい側に吹き込んで羽毛布団を文字通り新品のように再生させます。

このように汚れへたってきた羽毛布団がリフォームすることで甦るのです

羽毛ふとんのリフォーム(仕立直し)
長く使うことが究極のエコ 10年経ったら羽毛布団はリフォーム(仕立直し)を 増えてきたとはいえ、羽毛ふとんのリフォームは認知度がまだまだ低いようです。木綿の布団が打直しできるように、羽毛ふとんも仕立直しをすることによって、さらに長く使う...

買う方が安いのではないかというお声もありますが、少なくともグースダウンであれば、リフォームした方がいいでしょう。

Q:羽毛布団のリフォームと新品購入、どちらがいいんでしょう?
羽毛布団のリフォーム(仕立て直し)とは 羽毛布団のリフォーム(仕立て直し)にはいろいろな方法がありますが、10年に一度ちゃんとした方法できれいに行うのなら「プレミアムダウンウォッシュ」という方法が望ましいのです。(詳しくは下記のリンク...