真綿羽毛布団についてお客様より、ご相談がありました。
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真綿でサンドイッチした羽毛布団
真綿羽毛布団は羽毛布団の外側に真綿を使って仕立てられたものです。(上図のような構造)
現在では、特許の関係でロマンス小杉のロマンスナイトが流通しています。
真綿羽毛布団の長所は
手触りや肌沿いがソフト
一般に羽毛布団に使われる側生地はダウンプルーフという吹き止め加工を行なっています。また、通常の側生地の1.5~2倍高密度に織られています。
そのため超長綿を使用していても、どうしても生地が硬めになりますが、真綿を外側に使っているために、通常のサテン生地を側にしている製品が多く、ガサガサ音がありません。
真綿羽毛布団は手触りがやわらかく、真綿の特徴である身体へのフィット感に優れています。
保温性が高い
布団が真綿層-羽毛層-真綿層と3層構造をしているために、保温性は非常に優れています。
真綿羽毛布団の欠点、問題は
重量が重い
シングルサイズの場合 羽毛が1.0kg、真綿が0.3kg×2 で中わただけで1.6kgある上に、中に素材を区切る側生地が2つもあるので、側生地重量がばかにならず、総重量は木綿ふとんより重くなります。
健康のためにはできるだけ軽い布団にした方がいいので、重量が大きな欠点となります。
通気性が悪い
真綿や羽毛の素材自身はともかく、外側を含めると四重の生地になります。通気性は期待できません。
洗うことができない
真綿は一般的に洗うことができません。従って、丸洗いはドライクリーニングにするしかありません。中の真綿についた汚れは落ちないのです。
真綿が偏る
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最初の画像は15年以上お使いになった真綿羽毛布団で身体に当たる部分の真綿は完全にすり切れています。
真綿が残っている左側は通常使われない両サイドのものです。中央部は、真綿がほとんど残っていません。無いのであれば、そもそも真綿の機能は期待できないわけです。
次のは10年使用された真綿羽毛布団のリフォームを行なう際に両サイドのマスから取りだしたものです。最初のよりは少しマシですが、右側はすり切れて真綿がありません。
これらの側は中国で真綿を手引きして縫製されているものがほとんどです。(国内で羽毛を充填すれば日本製表示になってしまうので・・・)
残念ながら、中国の手引きはもともとムラが大きく、使用しているうちに中わたが偏るものが多いのですが、このケースも同様と思われます。
リフォームができない、できても高価
リフォーム(仕立て直し)はさらにやっかいです。真綿羽毛の側はコストが高いために、へたすると買うほどかかる可能性があります。特に昨今は真綿の高騰によって、以前に比べるとかなり高くなってしまいました。
また、通常の羽毛布団にリフォームするには、もともとの原料が少ない(通常1.3~1.4kgのところ1.0kgしか入っていない)ために、足し羽毛が余分に必要です。
眠りのプロショップの評価:おすすめできません
私たちの結論は、現在では一部、つまり布団は重くないと困る、という方以外にはおすすめできません。最大の理由は重量と通気性です。
快適な睡眠環境を考えると重い布団を選びません。重い布団は身体に負担をかけ、血管を圧迫して血行を損ねます。
丸洗いやリフォームのメンテナンスがやっかいなのも、大きな問題です。特に真綿羽毛が出始めたころの品物は、羽毛の質があまり良くありません。
羽毛布団の普及期には一定の役割を果たす
いまから30年前、羽毛布団の普及期には、羽毛布団の軽さがたよりないといわれた時期がありました。そのような方には、羽毛布団を違和感なく試していただくことができたため、当店でもそこそこの数を販売いたしました。
しかし今日、睡眠環境の整え方のルールがはっきりしてきていますので、このような重い布団は役割を終えたような気がします。
軽量羽毛布団と薄手の真綿を組み合わせて使う
複数の素材を一緒にしてしまうところに無理があります。当店オリジナルのような軽量の生地に良質の羽毛800g程度を入れた中厚掛ふとんと、真綿500gで表を綿のガーゼにした真綿ふとんを組み合わせて使いましょう。
冬は一つのカバーの中に入れ、春・秋~夏はそれぞれ別々に使えば、盛夏を除くオールシーズンで使い回しができ、メンテナンスも容易になります。
この場合は真綿でなく、ニット生地のキャメル肌ふとんや軽量の羽毛肌ふとんと組み合わせても同様の良さが得られます。真綿の価格を考えると、カシミヤ毛布を使った方がより快適で、肩口が空きにくいです。
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