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良質の羽毛布団側生地 S9100等に関して、今後の見通し 2022.3

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綿花相場が高騰しています

世界経済のネタ帳 より転載

2010~2011年に高騰した後に一時落ち着いたのですが、昨年後半から再び高騰しています。原因はアメリカが昨年の台風などの災害で作付けが減ったためといわれていますが、もう一つ中国の人権問題から、比較的にコストパフォーマンスが良い超長綿の新疆綿を回避する動きがあります。さらに、ロシアのウクライナ侵攻による影響がさらに出る可能性があります。原油価格の高騰によりコンテナ船の価格は高止まり、あるいはそれ以上という状況となっているようです。

円安でさらに原料高が加速

上のグラフはUSドルでの価格ですが、前回高騰した2011年は1ドル80円ぐらいという、非常な円高相場でした。ところが、その後円安に転じ、2022年6月に入り1ドル135円をにらむ急激な円安になっています。つまり、為替だけで1.6倍以上も上がっているため、円建てでの輸入原価はさらにアップしています。原料高×運賃高×円安という3重苦でさらに調達コストが上がる厳しい現状となっています。

S9100に使用する、インド超長綿マハールが入手困難との報告です

私どものオリジナル羽毛生地S9100(インド超長綿マハール100番単糸・平織・85g/㎡)はヨーロッパのメーカー並みの軽量で通気性の良い生地で、羽毛布団に最適な生地を目指してオリジナル加工をしています。この生地に使用する100番手のインド超長綿の糸が入手困難になったとの報告がきました。

昨今はエジプト綿の品質が低下していて、なかなか良い原料が手に入りにくいこと、新疆綿を回避する流れが強いことがあって、良質の原料はアメリカのスーピマ綿やインドのスビン綿などに引き合いが多いとのことで、超長綿の調達が難しくなっているとのメーカーの弁。

現在ある生機で当面の在庫は確保いたしましたが、原材料高騰と共に見通しが立ちにくい状態です。スーピマ綿などで同等品を作るとなると、現在の綿花相場の影響をまるごと受けてしまい、かなり価格が上がることが予想されます。

2023.7 在庫は残り200mを切りました。秋まで持たない可能性があります。

この記事を最初に書いた2022年3月は900mぐらい在庫があり、まだ余裕がありましたが、2023年7月現在で、残り200mを切りました。シーズンの秋まで在庫が持たない可能性があります。

当面は大丈夫ですが、この生地に組合せる430~450dpクラスのホワイトグースダウンが、これも値上がりをしています。この3月からポーランドグースは20%ほどアップいたします。

ロシアのウクライナ侵攻の影響は

あまり産地が表に出ることは少ないのですが、ロシア(シベリア)・ウクライナも羽毛の産地として有名です。シベリア産は白度が高く、品質も良いものが得られます。ウクライナは産地はあまり有名ではのですが、比較的コスパが良いので、サブで使われることが多い原料です。ベラルーシはあまり多くはないようです。

しかしながら今回の侵攻とそれに伴う経済制裁で、この2国の原料は基本的に新たな入荷が見込めません。あるとすれば、ロシア→中国→日本というルートでしょうか?

2020年の展示会でロシア産をサンプル購入しましたが、展示会で見たものより、実際に届いた原料は私の店の基準に達しなかったので、在庫処分しましたが、今となっては「ほっ」としております。

生地や羽毛原料だけではありません。輸送費、梱包費あらゆるものが今後上がっていくことは避けられない状況になってきました。

良質の羽毛布団をお考えの方は、お早めの購入をご検討ください

当店も6月1日から価格改定を行ないます。この秋、来春に良質の羽毛布団をご検討の方は、前倒しのご購入を検討なさってください。正直、見通しが出来ない状態です。

 

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