眠りのプロショップSawadaの羽毛工房 ドイツLORCH社の羽毛リフレッシュマシン(店頭設置は日本で2台だけ)
羽毛布団のリフォーム(仕立て直し)や羽毛工房についてはこちらをお読みください。
羽毛布団のリフォームには3通りの方法がある
日本羽毛製品共同組合が定める羽毛のリフォームは次の2種類に加えて側交換の3種類です。
1.プレミアムダウンウォッシュ仕上げ 羽毛を解体し、個別に専用の洗浄機で直洗いで洗浄します
2.ダウンウォッシュ仕上げ 多くは羽毛布団のまま、あるいは解体後に袋に入れたまま洗浄します。
3.羽毛側交換 スチームや除塵だけで洗浄はせず、側だけを交換します。
今から30年ほど前に、最初に羽毛リフレッシュマシンを導入したときは、3.スチーム洗浄による羽毛リフォームでした。当然ながら、羽毛の汚れがちゃんと取れるわけもなく、ホコリがとれたかな、という感じでした。今日では論外だと思います。
判りにくいのが プレミアムダウンウォッシュ と ダウンウォッシュ の違いです。
プレミアムダウンウォッシュは羽毛を直洗いするのでキレイに洗える
プレミアムダウンウォッシュはまず、羽毛布団を解体し、羽毛を専用の洗浄機に入れます。
そのあと羽毛を直に洗浄します。通常、洗剤を使った選択1回、すすぎを2回行い脱水すると下図のようになります。
当然のことながら、直洗いした方が、手間はかかりますが、水が羽毛に浸透してキレイに洗うことができます。1枚1枚ずつ洗うので、他の羽毛が混ざることもありません。
ダウンウォッシュは布団のまま、解体して袋に入れて洗う
一方ダウンウォッシュは、古い羽毛布団のまま洗うか、1度解体して袋に入れたままの状態で洗います。何枚かまとめて洗いますので、低コストですみます。
ただ、プレミアムダウンウォッシュのように羽毛を直洗いするのに比べると、汚れが取れにくく、直洗いの場合は脱水時(通常2回)に羽毛のごみも抜けていきますが、袋に残ったままでせす。また、まとめて洗うと他の羽毛の汚れが付くこともあります。
実際に洗い方でどのように違うのか?
たまたま、布団の丸洗いを行った後に、生地の劣化でリフォームをするということがありましたので、同じ条件で比較できることになります。
まず、これは丸洗い後の羽毛布団を解体した後です。これがダウンウォッシュ相当と考えてください。
良い羽毛なんですが、羽毛がころころと丸くなっているのがわかるでしょうか?羽毛は長年使うと、しっかりしたダウンは汗や汚れなどでこのように丸くなります。一方、弱いダウンは分解してファイバーと呼ばれるゴミになってしまします。
わかりやすいように、上の羽毛の塊から一部取り出してみました。ふとんごとの丸洗い(ダウンウォッシュ)をしても、羽毛は開いていません。つまり、洗浄が十分にいきわたっていないことと推測されます。
一方こちらは、その羽毛を、当店のドイツ・Lorch社の洗浄機で洗いリフレッシュ(プレミアムダウンウォッシュ)したものです。こちらはきれいに羽毛が開いています。
10年に一度のリフォームはプレミアムダウンウォッシュがおすすめ
羽毛布団のリフォーム加工代は決して安くありません。その中でも側生地代が占める割合が多いのです。10数年に一度のリフォームだからこそ、羽毛をきっちりと洗うことが必要です。眠りのプロショップSawadaは日本羽毛製品協同組合には加盟しておりませんが、確実に、きれいに洗えるよう、羽毛は直洗いをしています。
追記:生地によって使い心地が大きく変わるので注意
羽毛布団をリフォームする上でもう一つ大切なことがあります。それは生地の質です。
昨今はコストを抑えるために、中国製のポリエステル混の羽毛布団側生地が多く使われるようになりました。ところが、リフォームをする羽毛布団は綿100%(場合によってはシルク混も)がほとんどです。ポリエステル混の羽毛布団生地でリフォームすると、軽くはなるのですが、通気性ががた落ちになってしまいます。つまり、蒸れやすい布団になってしまうので、生地選びも慎重に行うことをおすすめします。