快眠のためのまくら選び

201509

まくらはフィッテイングで選ぶ

枕の決定版はありませんし、枕だけで睡眠の改善は解決しません。

枕の選び方はある意味いちばんやっかいです。それは一般的には頚椎の高さと気道の角度で合わせるという基本があるのですが、実際には個人差が大きく、しかも体調によって高さの好みも微妙に異なるという傾向があります。さらにヒトはずっと仰向けで寝ているわけではありません、寝返りしながら横向けに寝る場合もあります。女性に多いのは横向け寝ですし、うつぶせで寝るひともあります。それぞれの寝姿勢や好みに合わせて最適なまくらを選ぶには、靴選びと同じで実際にフィッティングを行うことが大切です。
「よく眠れる枕ありませんか?」枕を替えれば睡眠が改善する、決して否定はしませんが、枕だけで解決するものではありません。特に敷寝具との連携性が重要な要素になります。

お読みください「失敗しないMy枕選び(PDF)」

枕は敷寝具の一部なので連携して考えることが必要です。

下の図を見てもらえば一目瞭然なのですが、敷ふとんの固さや寝姿勢の保持能力によって、最適な枕の高さは変わってくるということがまず第一です。固い敷ふとんの上で枕を最適に合わせたとしても、それよりソフトな敷やマットレスを使っている場合には、家に帰って使うと高く感じてしまいます。そのために、さわだでは枕のフィッテイングを行うときには、できる限り現在使っていただいている敷ふとんの固さにあわせるようにしています。

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仰向けの場合は頸椎の高さと気道の角度を合わせます

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、あごが少し上がる感じで気道の確保をしやすいように、頸椎の部分を少し高めにセッティングすることが多いのです

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横向け寝は肩の高さの確保が基本+寝返りのしやすさ

上の枕の説明は仰向けですが、実際には横向け寝をされる場合もかなりありますし、寝返りしながら仰向けと横向けを繰り返していることも多いと思います。仰向けで枕の高さを合わすと、横向け寝では肩の部分の高さが必要になってきますから高さが合いません。逆に横向け寝で合わすと、仰向け寝は高すぎるということになります。横向け寝の場合、敷ふとんやマットレスはさらに重要になります。というのも、硬すぎる敷ふとんやマットレスでは肩が大きく圧迫されてしまい、肩こりの原因にもなるからです。

一般の枕は中心部は仰向け寝用、両サイドは高くなって横向き寝用となっているものが多くなっています。また、寝返りのしやすさも大きなポイントです。枕を選ぶ時は仰向け、横向け両方を検討いただくことが必要です。

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自分に合った敷ふとんを選んでから、まくら選びをする

よく「枕を幾つも代えたんだけど、どうしてもぴったり合うのが無い」というお客様がいらっしゃいますが、よくよく聞いてみると敷ふとんやマットレスがちゃんと機能していなかったり、合ってなかったりすることが実に多いのです。まくらを選ぶ前に「敷ふとんの選び方」や「ベッドの選び方」をチェックして、自分に合った敷になっているかをご相談ください。理想的には、まず敷ふとんを合ったものを選び、それから、その敷ふとんにあわせて枕選びをするのがおすすめです。「敷ふとんまではなぁ」という場合も、1枚敷→2枚敷にするなどで、機能向上が図れますのでご相談ください。

まくらの実際の選び方

STEP1: まず、眠りの質や現在の寝具の状態からカウンセリング

最初に現在の睡眠の問題点やお使いの寝具の状態などをお聞きします。たとえば通常は仰向け寝の方でも、いびきが大きいなど睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合は、睡眠外来での受診をおすすめすると同時に、横向け寝をおすすめします。上にも書いたように、この時点で敷に問題がある場合は、その対応もあわせて考えます。このように寝姿勢を確認させていただくと同時に、枕の固さについてのお好みもお聞きします。

STEP2: まず直立状態で、頚椎高の測定する

店頭のベッドで横になっていただき、頚椎の高さを測定します。このとき、ベッドの固さはできるだけ現在お使いの状態に近い固さに調整します。敷ふとんやベッドを同時にお買い上げの場合は、その品物の上でチェックを行います。頚椎高の高さはあくまで目安でしかありません。横になっていただいたときに、頚椎や肩の状態、自然な寝姿勢を得られる角度と高さを確認します。

STEP3: 実際にまくらを合わせてフィッティングして決定

頚椎の高さとカーブの状態、硬さのお好みをもとに、いくつかのまくらを実際に使って寝心地を試していただきます。オリジナルのまくらの場合だと、中身を3種類から選べるのとともに、上部はふわっと、下部はしっかり支える、といったご要望にお答えするために、ダウンと麻の感覚調整用アッパーユニットが選べます。まくらの表面の感触や固さ沈み込みのスピードや反発力、そして高さ、など自分が気持ち良いと思える素材の組み合わせと、仰向け時や横向け時それぞれの寝心地も合わせて自分にぴったりのまくらを決めていただきます。
ただ、高さに関しては店頭で良くても、自宅ではあわないというケースもありますので、高さ調整が可能なものがおすすめです。

眠りのプロショップがおすすめするまくら

上でも述べたように、まくらはフィッティングをしないと、それぞれに合ったものはわかりませんので、おすすめといっても比較的に人気高い枕を紹介します。

オリジナル安眠まくらⅣ
(ウールノップス、竹炭パイプ、活性炭エラストマー))

頸椎の高さ、気道の角度、横寝時の高さをそれぞれ調節することができるオリジナル枕です。2012年よりさらに新バージョンⅣになりました。その特徴は

1.中身の量を調整する5つの出し入れ口にカバーを付けて素材の出し入れを容易にしました
2.横寝をしてもたっぷり支えることができるようにワイド70cmにしました
3.マチの厚さを2種類にして、さまざまな高さに対応できるようにしました
4.リネン生地と麻わたのキルティングパッド付の外カバーをセットして、よりソフトな寝心地と冷却吸湿を実現しました
5.ハニカムシートを2枚内臓、高さを変えたり、通気性を高めたり調整が簡単になりました

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中身も新たなバリエーションを増やしました。
1.程よい弾力性と吸湿性を持つウールノップス
2.しっかり硬め目の寝心地である竹炭入ポリエチレンパイプ
3.硬すぎず、しかもしっかり 活性炭入エラストマーパイプ

これによって、さまざまな硬さや高さのご要望に応えられるようになっています。
さらに
・調節や再フィッティングは無料で行います
・高さ調節をするための中身をお付けしています。

エンジェルフロートまくら(エンジェルフォーム)

一世を風靡した低反発枕ですが、実際にはいろいろと問題があります。それは温度によって固さが著しく変わってしまうという低反発ウレタン特有の問題と、低反発といいながら反発がないわけではないので、最初は良かったんだけどという声が少なからずあります。その欠点を克服したのがエンジェルフォーム。名前通り天使のほっぺのような柔らかさと風合いは非常に高い評価を得ています。形状も仰向け寝の中央部はソフトで、横向け寝の場合の両側は二重構造になっていて、肩の部分のスペースをしっかりとサポートします。高さは3種類あります。

オーストリア・ムースブルガー社のオリジナル枕。

独特の形状は仰向け寝でも横向け寝でもほどよくフィットします。高さ調整機能は付いていないのですが、なぜかフィットする、しっくりくるという方が多い不思議な枕です。ロースハーまくら(馬毛・牛毛)

ムースブルガー社はオーストリア・ブレゲンツに近いまちにある家内工業的な会社で、一つ一つが丁寧に手作りされるために社長曰く「沢山注文をもらってもこまる。丁寧に販売してほしい」とのこと。メインは馬毛ですが、コストが安い牛毛につよいカールをかけたものを中に使っています。よりシンプルなBタイプもあります。

マリオット2まくら(エアーブレス+パイプ)

通気性が抜群のエアーブレスを特殊成形、それをベースにパイプを使い、ドライメッシュ素材で仕上げたマリオット2まくら。仰向け時の頸椎高を3cmとし、自然な寝姿勢をサポートします。

ジェルトロンまくら

体圧分散性と通気性が抜群で丸洗いもできるジェルトロンを使用したまくらです。中にウレタンシートが入っていて高さを調節することができます。頸椎をしっかり目でサポートするセラピー枕、低めで通気性の良いスーパーピローなどの種類があります。

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まくらの環境負荷性能(グリーン購入基準)

まくらはウレタン系以外は、比較的に分別が可能で、持ちも良いので環境負荷性能は良いものが多いといえます。

環境負荷性能にも対応したオリジナル安眠まくら

眠りのプロショップSawadaのオリジナル安眠まくらの開発は、快眠できることももちろんですが、環境への負荷も少なくできるように企画しました。
まず、表地の側はテキサス州オーガニックコットンの生地を採用。表地は汚れやすいので、後で表地だけ交換することも可能です。中身はウールの粒わた(ウールノップス)とカテキン入りパイプ、備長炭入りパイプで、ウールは生分解可能、中身を足したり入れ替えたりすることができるので長期間の使用が可能です。アッパーユニットのダウンまくらは汚れやすいので、丸洗いも可能な高通気度綿素材を使用しました。

素材 長期使用性 再利用性 生分解性 分別性
ウールノップス
パイプ ×
エンジェルフロート × ×
天然ラテックス ×
低反発ウレタン × ×
ソバ
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