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低反発 vs 高反発 一言で言うと
低反発ウレタンの特徴=ソフトで体圧分散が優れているので、硬い敷ふとんの上に敷くと楽になる。その一方で、身体を支える力が弱いので寝姿勢がくずれやすく、寝返りがうちにくい。通気性がなく蒸れやすいので特に男性には不向き。変形が大きいのでへたりやすい。
高反発ウレタンの特徴=表面は硬めで跳ねる感じ。寝姿勢はくずれにくく、寝返りは打ちやすい。体圧分散性能は素材によって異なる。一言で言えば従来の硬質マットレスの延長で素材を改善したもの。
使う人によって評価は異なって当たり前
どちらが良いか、という問題は「使う人にとってどちらが良いか」ということですから、人によって評価は異なります。それぞれの素材には長所と短所がありますから、特徴を踏まえながら実際に試して選ぶのがベストです。
低反発タイプは体圧分散が良いが・・・蒸れて寝返りがしにくい
避けた方が無難
このような、体圧分散図はどちらかというと低反発素材に多くみられます。確かに特定の部位に圧力がかかるよりは分散したほうがいいのは事実です。低反発ウレタンはNASAの宇宙開発の中で生まれた素材ですので、打ち上げ時などの荷重Gがかかる場合に、ヒトにかかる負担を軽くするなどの目的で開発されたのだと思われます。
通気性は良いと喧伝されますが、身体に密着して蒸れやすく、冬硬くなるので寝返りがうちにくくなります。基本的には避けた方が無難でしょう。
高反発タイプはあまりに種類がいろいろ、ひとくくりできない
低反発以外のマットレスはひとくくりにして高反発マットレスと呼ばれることも多く、実に多くのバリエーションがあります。エアーウィーブやブレスエアーなどの網状立方体も高反発マットレスに類されることもあり、高反発マットレスだから良いという単純なものではありません。大切なことは、「自分に合ったマットレスやベッドパッドなどとの最適な組合せを選ぶ」ということです。
低反発に比べると高反発は体圧分散の面からは劣るのですが、しばしばマットレスのPRで、高反発素材でも体圧分散が良いと喧伝されます。実際のところ、表面が柔らかい布団なら体圧分散は改善しますので、これだけで優劣を判断するわけにはいきません。
マットレスの正しい選び方
快適な睡眠を得るための、寝具の選び方を理解する
まず、快適な睡眠を得るための知識が必要です。その上で、寝具の選び方を理解しましょう。
マットレス選びに必要な3つの要素を理解する
次に、マットレスを選ぶ上で重要な3つの要素を理解しましょう。全ての基本はこの3つにあると言っても過言ではありません。。
- 背骨を自然なカーブで正しく支えること(仰向け寝・横向き寝)
- 適度な体圧分散と寝返りがしやすい適度な反発性
- 寝床内温度33℃湿度50%をキープする
まず快眠カウンセリングから
性別、体格、体質(寒がり、暑がり等)、寝姿勢等によって最適なマットレス選びは変わってきます。まず専門のカウンセリングを受けることで、問題点を洗い出し、解決の方向性を見いだします。
眠りのプロショップSawadaでは、WEB快眠カウンセリングサービスを無料で提供しています。
決してマットレス単独で良し悪しを論じない
ベッドパッドやウッドスプリングなどを組合わせて評価をする
マットレスの良いところだけを、どこのメーカーさんも一生懸命話をされます。テレビ通販などでも、このマットレスさえ使えば全ての問題は解決するといわんばかりです。
しかし、本当にいいかどうかはベッドパッドやウッドスプリング等を含めて総合的に評価することが大切です。使い始めの評価は高くても、へたりが早いというマットレスもあります。耐久性も重要な評価ポイントです。
ビラベックの羊毛ベッドパッドや羊毛敷布団は、これ一枚で寝心地が変わる、とお客様より非常に高い評価をいただいていますが、これも厚みとマットレスとの組合せで最適な組合せは変わってくるのです。
重要なことは全体のバランスです。単独の素材を評価しても限界があるのです。
ウッドスプリングを使って正しい寝姿勢を得る
ウッドスプリングはヨーロッパ生まれ、硬さを調節する機能があるために、自然な寝姿勢を得ることができます。マットレスの下に使って組合わせます。
快適なマットレスは実は単独だけで使うより、寝姿勢を整えることができるウッドスプリングと組み合わせた方が機能的です。仰向け寝、横向き寝に合わせて部分的な硬さを調節することでストレスの少ない寝姿勢に整えることができます。
厚手のマットレスを1枚にするより、ウッドスプリングと8~12cm位のマットレスを組合せた方が良いと眠りのプロショップSawadaは考えます。
マットレスの耐久性もアップする
さらに体重の負荷がマットレスとウッドスプリングに分散されます。後から部分的な硬さを調節することができるため、寝心地の変化が少なく、耐久性もアップします。
マットレスは寝心地と耐久性で決める
マットレスを決める一番重要な要素は、硬さや反発力などの寝心地です。これは人によって好みがことなります。一方、できるだけ快適に長く使うためにも、耐久性も重要です。
密度が低いウレタンなどの一枚物のマットレスは、へたりやすいので注意
既存の敷ふとんやマットレスの上に敷くという3~5cm厚程度のマットレスがしばしば登場します。オーバーレイマットレスと呼ばれます。このタイプに限らずウレタンなどを使った比較的軽量なマットレスは一枚物であることが多いのですが、実際に使うと密度の低い素材の一枚物マットレスは「へたり」のリスクが高いのです。ラテックスのような密度の高い素材の方が寝心地も耐久性もおすすめです。
上図のように、臀部には全体重の半分近くがかかります。つまり、使っている内にこのお尻の部分が一番へたりやすくなります。低反発ウレタン・高反発ウレタン、ブレスエアー、エアーウィーヴやE-coreのようなポリエチレン系素材等、密度の低い素材は、どのようなものでもへたってしまいます。一度中央部がへたってしまうと、寝心地は元に戻りません。正直ラテックスなどでも一定のへたりはでるのです。
低密度素材はローテーションができる三つ折タイプにする
一枚物のマットレスは中央部=臀部がへたってしまうと、機能を果たさないという大きな問題があります。私どものオリジナルマットレスである、3レイヤーマットレスⅢは中を三分割にして、ローテーションやパーツ交換によって長く使えるようにしています。
ムアツふとんや整圧ふとんも三つ折タイプを選びましょう。3ヶ月ほどでローテーションすることで、寝心地を保ち、長く使えるようになります。Air・エアウィーヴ等にみられる一枚物は、数年単位で買い替えるのでなければ、できるだけ避けた方がいいでしょう。
羊毛のパッドか敷布団を使って温湿度を調節する
マットレスの上にシーツだけということはありません。高反発でも低反発でも、多くのマットレスの説明ではマットレスの上にシーツを敷いて直接眠るという説明がなされます。しかし、そこがマットレス選びの最大の問題なのです。
ヒトは背中に最も汗をかきます。最適な睡眠環境温度33℃湿度50%を実現するには、この汗を素早く吸収し発散することが求められます。そして何より大切なのは、肌が気持ちが良いと感じられる素材であること。だから、マットレスの性能もありますが、実際には温湿度をうまく調節できるベッドパッドの質が睡眠の質を大きく左右します。
眠りのプロショップSawadaでは羊毛ベッドパッド、羊毛敷ふとんの使用がベストだと考えています。
パットシーツでは汗を吸うことができない
「よく売っている四隅にゴムが入っている汗取りとかのパッドシーツでいいんじゃないの?」という方がいらっしゃいますが・・・一般によくあるパッドシーツは中わたがポリエステル100%がほとんどで吸湿性は期待できません。たまに綿や麻が入っていることがありますが、それでもコップ1杯、夏なら2~3杯という汗を吸うことは到底むりなのです。吸湿性の良いウールでも1.5㎏程度の中身は必要だと考えます。
素早く吸って、発散することで湿度をコントロールする
素早く吸って、素早く発散。このために最も適した素材はウール それと 麻です。生地も吸湿発散性を素早くするためにニット生地のほうが、10倍以上通気性が良く、素材の良さを生かします。
これらを極めていったのが、片面にリネン麻を付けた当店オリジナルのドイツ・ビラベック社の羊毛ベッドパッド、羊毛敷ふとんです。ビラベック社は世界で初めて羊毛布団を作ったドイツ屈指の伝統あるメーカーですが、当店オリジナルバージョンは夏は麻面で熱を逃がし、冬はニット面で体をやさしく包んで保温力を高めます。実際、お使いいただいたお客様の評価が非常に高く、リピート率も非常に良いベッドパッドです。
もちろんシーツは必要です。綿100%か、汗かきの方はリネン麻をおすすめします。
麻敷パッドを使って、蒸し暑い日本の夏を快適に
夏は熱伝導性が高く、吸放湿性の良い麻が最適です。さらっとした寝心地になります。
低反発ウレタンの長所と短所
低反発ウレタンはテンピュールやトゥルースリーパーなどに代表されます。アメリカNASAの宇宙船の研究から生れたヴィスコエラスティックフォームを使ったマットレスです。特徴は体圧分散性が良いことです。
蒸れやすく、寝返りがうちにくく、へたりやすい
欠点は重いことと、通気性が悪く蒸れやすく、寝返りが打ちにくい傾向にあるということです。低反発ウレタンはメモリーフォームともいわれるように、身体のラインに従って変形します。この結果、身体に密着することになり、身体から発散される汗の吸湿発散が著しく妨げられるために蒸れが大きく寝苦しくなりがちです。
カタログには、しばしば「オープンセル構造で通気性が良い」と表示されています。確かにオープンセル構造は通気性が良いのは事実ですが、かといって風が通るようにさらっと爽やかか、というと随分違います。実際にはウレタン系は通気性は弱いと考えてください。この点に関しては、中が中空の金属コイルに対する最大の欠点です。
また、低反発ウレタンは温度で硬さが変化するために、冬は硬く夏柔らかくなりますが、これも寝心地の面からいうと芳しくありません。蒸れやすいという最大の欠点と、寝返りしにくい点、耐久性に不安があるために、眠りのプロショップSawadaでは低反発ウレタンについては否定的な考え方を持っています。ホテルのような温湿度が一定に保たれる場所ではいいかもしれません。
低反発ウレタンはマットレス素材の変形量が大きいため、へたりやすい
身体のカタチになるぐらいに、大きく変形しますので、低反発ウレタンはへたりやすく、耐久性に問題をかかえています。
高反発ウレタンの長所と短所
高反発ウレタンはマニフレックスなどが代表的です。エアーウィーヴやブレスエアーなどの非ウレタン系素材のマットレスも高反発で括られることが多いようです。
実は、わざわざ高反発と書くまでもなく、一般的に出回っているウレタンマットレスは高反発がほとんどです。低反発やラテックスに比べると、マットレス表面の弾性が高く体圧分散性能は高くありません。硬質ウレタンよりは密度のわりにはソフトですが、寝心地は硬いというのが一般的な印象でしょう。そのため寝返りが打ちやすいという長所があります。軽いので、マットレスを畳んだり動かしたりするのが容易です。
凹凸のあるプロファイルタイプ
ムアツふとんやAIRのように、表面に凹凸を付けて点で支えるタイプもあります。フラットなタイプに比べると通気性は向上しますが、これも使う人によって好みが分かれます。凸の部分が快適かそうでないか評価が二分します。
××年保証には注意する
マニフレックスのマットレスには10年、12年保証が付いており「10年使えます」と謳って販売しているところもありますが、これについては正しく理解する必要があります。保証されるのは「変形保証」で「弾性保証」ではありません。変形保証は型崩れなど、例えば最初は14cmあったものが12cmになってしまったという場合ですが、実際にこれが生ずることはあまりありません。
一方弾性は変化します。いわゆる「へたり」で、これはあらゆる敷寝具には避けることができません。つまり見た目では変化が無いけれども、弾性が低下すると、実際に寝た場合に一番重い腰部が重量で沈みます。弾性変化とは反発力が低下して、沈み込み方が変わることです。ほとんどのマットレスは弾性変化に対する保証はありませんので、10年保証といっても、実際に年数が経つと、へたったと感じられますから、あまり保証年数にこだわらないことです。
耐久性の根拠になっているJISやLGAの8万回1/2変形テストは、あくまで目安です。通常のウレタンであれば、このテストは95%以上の成績を楽々クリアするはずです。
カビにも要注意
ウレタン素材のマットレスは底面がフラットなものが多く、特にフローリングで使用する場合はカビのリスクが非常に高くなります。特に通気性が良いといわれるオープンセル構造のウレタンほど、湿気が下へ行きやすいため、基本的に敷きっぱなしは止めましょう。
エアウィーヴやブレスエアーなどのいわゆる高反発素材は?
高反発といわれる素材にはエアーウィーヴやブレスエアーなど、網状立方体の素材があります。がこれについてはこちらから。ウレタン素材に比べるとへたりやすいです。
できるだけマットレスをへたらなくするには
正直へたらない敷寝具というものは、ないのですが、工夫をすることによって長持ちさせることはできます。
へたり対策は マットレスの変形量を減らすこと
低反発ウレタンがへたりやすい原因の一つに、変形量が多いということがあります。体重をかけて、元の嵩より20%変形するマットレスと、50%変形するマットレスを比べると、当然50%変形するマットレスの方がへたりが大きくなります。体重が重いとその傾向はさらに強くなります。
当店がウッドスプリングをおすすめする理由の一つに、マットレスとウッドスプリングで圧力を分散させるということがあります。身体の圧力が分散すれば、それぞれの変形量を減らすことができます。つまり、初期の性能をより長く維持できるということです。
正反発というラテックスフォームの長所と短所
ラテックスは天然ゴムの樹液を発砲させて作ります。上質の原料と、丁寧な発泡プロセスが必要ですが、高反発でも低反発でもない程よいバランスの体圧分散性能、重量が変わっても中心部を水平に保持できる保持性にあります。
下図を見てください。それ故に最も寝姿勢を自然な状態で保持できると考えられます。低反発・高反発を含めた中では、寝心地のバランスが最も優れていると云えるでしょう。
欠点は重いことで、それも密度が高いほど重量が増えます。特にダブルサイズはおすすめできません。抗菌性能が高いので、ニオイが付きにくく、カビの発生も抑えられます。ただし、ラテックスフォーム本体にカビは生えにくいのですが、周りのカバーはそうでないので過信は禁物です。
実際にどのようにマットレスを選べばいいのか
まず快眠カウンセリングから
マットレスは使う人の寝姿勢や体格など個人差があります。自分にとってベストのマットレス選びは、まずカウンセリングからです。身長・体重・寝姿勢・睡眠上でお困りのことなど、現状使用しているマットレス、現状の寝具の問題点や改善したい点をお聞かせ下さい。
それ以外の快眠寝具の相談は info3@sleep-natura.jp
その上で、何種類かの提案をさせていただき、実際に試し寝でフィッティングを行うことでマットレス選びを進めていきます。これがベストです。
遠方でフィッティングが難しい場合
この場合は、カウンセリングメールのやりとりを何回も行いながら、最適のものを絞っていきます。この場合でも睡眠改善度は95%を超えますので、ご安心下さい。
長く使えて性能が落ちないものを
どんなマットレスでも長く使っているとへたりがでたりして、最初の性能が低下していくことは避けられません。そこで、できるだけ長く性能を維持できるようなマットレスを選んでいただくことをおすすめします。
後で硬さの調節が可能なウッドスプリングの組み合わせは、同時に体重をマットレスとウッドスプリングの両方に分散されるため、単独のマットレスより性能が長持ちします。あるいは,ハニカムシートを使って、弾力性を回復させるなどさまざまな調整方法があります。
店主がおすすめするベストバイ・マットレス
わかりやすいベストセレクション
一般的なおすすめ組合せの一例
ほとんどの方は、おそらくこの中に答えを見出すことができると思います。